1. トコブシとは
トコブシはアワビと同様にミミガイ科の貝。平たい形状をしているので二枚貝が変化したものだと思われがちだが、巻貝が変化したもの。次の項で詳しく触れるが、アワビによく似ている。殻の色は黒っぽい褐色から緑色を帯びていたり、それらが混じっていたり、さまざま。殻を開けた内側は、つややかで光沢がある。
北海道南部から九州にかけての日本海沿岸と太平洋沿岸、水深1mから潮間帯にかけての岩礁に生息している。昔は磯遊びなどでも獲れていたほど身近な貝だったが、現在は減少が著しい。市場に出回るほどの量が獲れることは少なく、なかなか見かけることが少ない希少種となっている。主な産地は高知県や徳島県など四国や三重県など。通年獲ることができるが、春から夏にかけてが旬といわれている。
北海道南部から九州にかけての日本海沿岸と太平洋沿岸、水深1mから潮間帯にかけての岩礁に生息している。昔は磯遊びなどでも獲れていたほど身近な貝だったが、現在は減少が著しい。市場に出回るほどの量が獲れることは少なく、なかなか見かけることが少ない希少種となっている。主な産地は高知県や徳島県など四国や三重県など。通年獲ることができるが、春から夏にかけてが旬といわれている。
2. アワビとの違い
トコブシをはじめて見た人は、小さなアワビなのだろうと思うかもしれない。このふたつはそれほどよく似ている。その違いを見ていこう。
大きさ
アワビは貝殻の長さが15cm〜20㎝くらいになるが、トコブシはその半分の7cmほど。ひと回り以上小さいのだ。
貝殻の穴の数
巻貝だった時の名残で渦巻の頂部があり、穴がいくつか空いている。呼吸孔と呼ばれるこの穴の数が、アワビは4〜5個なのに対してトコブシは6〜8個と少し多い。またアワビは穴の部分が筒状に隆起しているが、トコブシは穴だけが開いているだけの状態だ。
呼吸孔には、水のほか、卵や精子、排せつ物などを出す役目もある。
呼吸孔には、水のほか、卵や精子、排せつ物などを出す役目もある。
味
味に関しても、アワビとトコブシはとてもよく似ている。食感が若干異なり、固くコリコリして甘みが強いアワビに対し、トコブシは少し柔らかい。
3. トコブシの食べ方
トコブシはアワビと同様に高級貝の部類に入るが、アワビほど高価ではない。味も似ているので、見つけたらアワビの代わりにぜひ食べてみたい。
トコブシの調理のポイント
トコブシは生食も可。また加熱してもあまり硬くなりにくいため、さまざまな料理に使える。殻付きのまま調理したり、蒸すなどしてから殻を外して調理してもよい。たっぷりの塩とタワシでよくこすり洗いをしてヌメリをとってから調理しよう。
酒蒸し
アサリと同じように酒蒸しに。鍋に殻のままトコブシを入れ、酒とお好みで醤油を注ぎ、フタをして7分ほど蒸すだけ。ニンニクを効かせたオリーブオイルと白ワインで蒸しても美味しい。
煮つけ
よく見かけるのが煮つけ。酒、醤油、みりんを鍋に入れて、沸騰したら殻ごとトコブシを入れて再び沸騰したら7分ほど煮る。火を止めたらそのまま冷まして、味を浸み込ませよう
パスタ
アサリのパスタの感覚で。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、トコブシとお好みの具材、白ワインを注いでフタをして蒸したら、トコブシをいったん取り出し殻を外す。トコブシの身を再びフライパンに戻しトマトソースを加えて、ゆであがったパスタとよく絡める。
焼いて
炭火の上に網を置き、トコブシを殻ごと焼き、醤油やバターなどを垂らしていただく。
4. トコブシの選び方
魚屋や市場でトコブシを見かけたらラッキー。せっかくなので美味しいものを選んで購入したい。
トコブシの選び方
生きていることが基本。なるべく元気なものを選びたい。脚を触れると素早く反応するものがよい。
アワビとは大きさが異なるため見分けが付くが、トコブシに大きさもよく似たイボアナゴという貝があるため、こちらも間違えないようにしたい。イボアナゴもアワビほどではないが、穴が隆起しているので、そこで見分けよう。トコブシにイボアナゴが混じって出荷されていることもあるようなので、注意してチェックしたい。
アワビとは大きさが異なるため見分けが付くが、トコブシに大きさもよく似たイボアナゴという貝があるため、こちらも間違えないようにしたい。イボアナゴもアワビほどではないが、穴が隆起しているので、そこで見分けよう。トコブシにイボアナゴが混じって出荷されていることもあるようなので、注意してチェックしたい。
結論
アワビを家で食べるとなるとちょっとハードルが高すぎるが、トコブシならちょうどよく贅沢気分が味わえる。希少なので見つけたら購入して、ぜひ食べてみよう。旬の時期には、ふらっと入った和食屋でも運よくトコブシ料理にありつけるかもしれない。