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珍しい調味料「テンジャン(味噌)」の正しい使い方

珍しい調味料「テンジャン(味噌)」の正しい使い方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

2020年5月29日

日本ではあまり馴染みのない「テンジャン」は韓国ではごくごく一般的な調味料だ。本格的な韓国料理屋で利用されているテンジャンであるが、原材料や製造方法、味、どんな料理に使われているかなどについて解説しよう。

  
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1. テンジャンの概要

テンジャンは、コチュジャン(唐辛子味噌)、カンジャン(醤油)と並ぶ朝鮮半島の伝統的な基本調味料の一つで、日本では韓国味噌あるいは朝鮮味噌とも呼ばれる。
テンは「固い」、ジャンは伝統調味料の総称である「醤(ジャン)」を表している。つまり、テンジャンとは「固い醤」という意味だ。
テンジャンの原料は大豆で、粗めにつぶされた大豆の粒が特徴的だ。辛みはなく、煮立てるほどに強調される風味と、くせのある独特のにおいが特徴的で、チゲなどのスープ料理などに使われることが多い。
テンジャンは大豆由来のイソフラボンのほか、ビタミン類、ミネラル類を豊富に含む。テンジャンは米には足りない必須アミノ酸であるリジンを補完できるため、栄養バランスをとる上で欠かせない食材であった。
テンジャンやカンジャンの生産量が多い淳昌郡は長寿の郷としても知られており、長寿の理由の1つとしてテンジャンが挙げられることもあるという。
テンジャンには50%ほどのリノール酸と10%程度のリノレン酸が含まれているといわれており、必須脂肪酸であるこれらの脂肪酸は一時的に血中のコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるともいわれるが、その摂りすぎには逆に健康を害することもあるという研究がされている。

2. テンジャンの製法

伝統的なテンジャンは初冬に仕込まれる。
主原料である大豆を一晩水に漬けて膨らませてからゆで、臼ですりつぶし、豆の形を残した粗めのペースト状にする。このペーストを一定の大きさに固めて「メジュ」とよばれる豆麹に成型していく。メジュはテンジャンのほか、カンジャン(醤油)、コチュジャンなど各種ジャン類の材料にも利用される。
メジュは湿気や換気の調整された暖かく保たれたビニールハウスなどでカビを生えさせたあと、藁で縛って冬の間部屋に吊り下げて発酵させる。その後、メジュの大きさにもよるが、1か月~3か月後の早春頃から日光に当ててカチカチに固くなるまで乾燥させ、大きなカメの中に殺菌と消臭のための木炭とともに入れて塩水を加え、さらに発酵させる。発酵が進むと、固くて塩辛い塊のほうはさらに乾燥して熟成させるとテンジャンに、上澄みの液体のほうはカンジャンとよばれる調味料になる。
テンジャンは原料や製法により様々な種類があり、日本の味噌のように家庭でも仕込まれる。その土地ならではのテンジャンも数多く存在するので、マーケットなどでは、麦が原材料のポリテンジャンや調味済みのチゲ用テンジャンなど、多様な商品が並べられている。

3. 使い方

テンジャンの食べ方の一つに、テンジャンをソースあるいは薬味代わりに用いて、野菜にテンジャンを付けて食べる方法がある。テンジャンににんにく・ごま油・コチュジャンなどを混ぜて作ったサムジャンとよばれる混合調味料を作ることも多い。生の白菜やサンチュなどの葉物でサムジャンとごはんを包んだり、韓国で馴染み深い豚バラ肉の焼肉であるサムギョプサルをサムジャンとともに野菜で包んで食したりすることも一般的だ。
テンジャンは鍋や汁物にも多く用いられる。肉類や海鮮・豆腐や野菜と唐辛子などの具材とともにチゲに入れてテンジャンチゲ(味噌鍋)にすることも一代表的な食べ方だ。
煮立てると風味を損なうとされる日本の味噌は仕上げに加えられるが、テンジャンは煮立てれば煮立てるほど風味が増すとされ、激しく煮立たせて調理されることもある。昔ながらのテンジャンは煮込めば煮込むほどその風味が増していくのであるが、市販のテンジャンにはでんぷんを多く加えられているものもあり、長時感煮込むと苦味が出てくるものもあるという。そのため、手に入れたテンジャンがでんぷんの多い市販のテンジャンである場合には、本来のテンジャンの味を引き出すために、煮込み時間を短くするのがポイントとなる。

結論

テンジャンは一般的な韓国料理にも欠かせない調味料の一つだ。メジュづくりは手間暇をかけてじっくりと仕込まれ、風味は微妙に異なるが、日本の味噌にとてもよく似ている。ちなみに、「テンジャンニョ」という言葉は、「経済的に自立していないにもかかわらず高価なブランドショッピングを楽しむ若い女性たち」を皮肉る意味で使われる単語として近年韓国で流行した。
  • 公開日:

    2018年4月30日

  • 更新日:

    2020年5月29日

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