1. 「ノビル」の特徴や旬
親しみ深い味わいのノビル
ノビルは北は北海道、南は沖縄まで広範囲にみられる、ユリ科ネギ属の山菜。ニンニクやタマネギ、行者にんにくなども同じ属性のため、同じような風味や香りを持っている。このため、にんにくやラッキョウにも似た味が特徴。ノビルは基本的に、ピンポン玉のように膨らんでいる根と少しの葉の部分を食べる。葉の部分はニラのような形状をしており、野原や河原に自生しているため見分けがつきにくい。しかし天然のものは、比較的簡単に採取できるので、見分けることができれば日常の食材として、しっかり活躍してくれる山菜だ。ちなみにノビルは古事記や万葉集などの文献に名前が登場しており、古くから食用として親しまれた記録が残っている。
ノビルの旬
天然のノビルは、雪解けが進んだ3月頃から少しずつ採取が可能で、4月がピークとなる。東北や北海道などの寒い地域は、4月頃からスタートし、5月いっぱいまで採取できる。そして日常的に目につく場所に自生しており、条件が合えば自宅のすぐ近くに生えていることが多い。ノビルが自生する目印として、ヨモギなども一緒に芽を出すので、機会があれば周辺を見渡してみるのもいいだろう。基本的にノビルは採取量が多いため、栽培ものは少ない。
2. ノビルの栄養価と選別や採取方法
ノビルの栄養価
ノビルは、食物繊維や炭水化物が含まれ、カリウムを豊富に含んでいる。カリウムは体内の塩分を外に排出する作用があるとされており、むくみ防止にもつながるといわれる。他にもカルシウムが含まれており、骨や歯の密度を高めるとされている。マグネシウムや鉄といった、ミネラル成分も豊富に含まれている。ミネラルは体内のさまざまな細胞を作り、体内では生成できないので積極的な摂取が求められる。
ノビルの選別と採取方法
ノビルはニラのように、一枚ものの葉になっておりV字の断面が特徴。一か所から数本の葉を伸ばし、約20~30㎝ほど伸びたものを選ぶ。葉が伸びている部分をスコップで10㎝ほど掘ると、根の部分が出てくるので取り出すのが採取方法だ。大きいものだと2㎝ほどの球根になり、ラッキョウやタマネギのような見た目がポイント。
ちなみに、ノビルと同じユリ科の植物は野生でも自生している。中でも水仙などの植物は毒性があるので、採取の際は十分注意したい。天然のノビルは葉の部分がグニャリと曲がっており、若干白っぽく根がきれいな丸形をしている。水仙の葉はピンと伸びており、色味も鮮やかで根が楕円をしている。よく見れば違いがあるので、しっかり見比べ選別していきたい。
ちなみに、ノビルと同じユリ科の植物は野生でも自生している。中でも水仙などの植物は毒性があるので、採取の際は十分注意したい。天然のノビルは葉の部分がグニャリと曲がっており、若干白っぽく根がきれいな丸形をしている。水仙の葉はピンと伸びており、色味も鮮やかで根が楕円をしている。よく見れば違いがあるので、しっかり見比べ選別していきたい。
3. ノビルの下処理方法とレシピ
ノビルの下処理や保存方法
ノビルはアクなどの苦み成分がないため、基本的に茹でるなどの下処理はしない。だが、ある程度食べやすいように処理はしておこう。球根には泥がついているので、大きいボウルなどに水をいれ、ノビルを浸して泥を取りやすくする。流水を使ってひとずつきれいに洗い、黒い皮も一緒に取り除く。とくに根は泥が残りやすいので、歯ブラシなどを使って洗うのがおすすめ。枯れた葉をちぎり、根から10~20㎝ほどの葉を残して切れば下処理が完了する。
保存する場合は、下処理したノビルをビニール袋に入れて、冷蔵庫で保存する。しかし、収穫から時間がたつと、辛みが強くなり香りにも変化が出てくる。このため、採取した後はできるだけ早めに食べるのがおすすめ。長期で保存したい場合は、瓶で酢漬けにするのがいいだろう。
保存する場合は、下処理したノビルをビニール袋に入れて、冷蔵庫で保存する。しかし、収穫から時間がたつと、辛みが強くなり香りにも変化が出てくる。このため、採取した後はできるだけ早めに食べるのがおすすめ。長期で保存したい場合は、瓶で酢漬けにするのがいいだろう。
ノビルの天ぷら
ノビルは球根や歯の部分を刻んで薬味にするのが多い。だが、球根と葉の部分を含めて天ぷらにするのもおすすめ。ノビルは下処理をして水気を軽く拭き取り、小麦粉をまぶしておく。小麦粉と水、卵、塩などを組み合わせ、天ぷらの生地を作る。フライパンに油をたっぷり入れて熱し、生地にくぐらせたノビルを加えて揚げる。ノビルのシャキッとした食感と風味が新鮮で、あまり味わったことのない天ぷらになるだろう。
結論
ノビルは山深い場所に行かずとも採取ができる山菜。しかし周辺には、同じユリ科やネギ属の植物が自生していることもあり、初心者だと見分けがつきにくい部分もある。ノビルを採取する場合は、予め知識をいれておき、しっかり違いを見分けるようにしておきたい。かなりの確率で見つけることができるので、春の時期の食卓にぜひ取り入れていこう。
※私有地や許可のないエリアでの山菜の採取は控えましょう。
※私有地や許可のないエリアでの山菜の採取は控えましょう。