1. 油脂選びで大切なのは「質」と「バランス」

油は悪いもの、太るものなどとひとまとめにして考えられていたのはひと昔前の話。今は健康オイルを選ぶ時代である。油脂の主成分は中性脂肪で、質を決めるのは中性脂肪を構成している脂肪酸の種類による。脂肪酸は血中脂質バランスに影響を与える。脂肪酸は構造の違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別される。さらに不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられる。一価不飽和脂肪酸の一種であるn-9系脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の一種であるn-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸は健康効果が期待されており、注目を集めている。
血液中のコレステロールにはLDL-コレステロール、HDL-コレステロールの2種類がある。このうちLDL-コレステロールは悪玉とも言われ、動脈硬化に結びつきやすく多すぎれば問題視される。一方のHDL-コレステロールは善玉とも言われ、体内の余分なLDL-コレステロールの回収に役立つため、血中濃度が低すぎると問題視される。
血液中のコレステロールにはLDL-コレステロール、HDL-コレステロールの2種類がある。このうちLDL-コレステロールは悪玉とも言われ、動脈硬化に結びつきやすく多すぎれば問題視される。一方のHDL-コレステロールは善玉とも言われ、体内の余分なLDL-コレステロールの回収に役立つため、血中濃度が低すぎると問題視される。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸はLDL-コレステロールを増やし動脈硬化を促進する。肉類などに含まれる動物性の脂肪や、バター・ラードなどの常温で固体の脂は飽和脂肪酸を多く含み、摂り過ぎが問題となっている。
一価不飽和脂肪酸(オメガ9)
一価不飽和脂肪酸(オメガ9)には血液中のコレステロールを低下させる働きがあるうえ、他の不飽和脂肪酸に比べて酸化しにくいという特徴がある。種実類やオリーブオイルに多く含まれている。
n-3系多価不飽和脂肪酸(オメガ3)
健康オイルとして注目されることの多い脂肪酸。LDL-コレステロールを下げてHDL-コレステロールを上げる働きがある。酸化されやすいのが難点。魚油などに多く含まれている。
n-6系多価不飽和脂肪酸(オメガ6)
体内では合成できない「必須脂肪酸」を含むことからある程度の摂取が望まれるが、加工食品やサラダオイルなど使用頻度の高い油に多く含まれていることで、やや摂り過ぎの傾向にある。
2. 意識して取り入れたい脂肪酸を含むアボカドオイル

飽和脂肪酸も重要なエネルギー源だが、過剰摂取によってLDLの増加や動脈硬化の促進が報告されている。そのため、脂肪酸の質を重視するのであれば、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸ということになる。しかし不飽和脂肪酸には酸化されやすいという難点がある。また、不飽和脂肪酸のなかでも、n-6系多価不飽和脂肪酸(オメガ6)は摂り過ぎが問題となっている。
健康オイルとしてn-3系多価不飽和脂肪酸が注目を集めることが多いが、酸化しやすいという欠点がある。油の酸化は高温で起こりやすいため、酸化しやすいn-3系多価不飽和脂肪酸は加熱調理に向かない。加熱によって有害な過酸化脂質に変えてしまっては、せっかく脂質の「質」を選んだかいがない。そこで、意識して摂取したいのはn-9系一価不飽和脂肪酸(オメガ9)である。なぜなら一価不飽和脂肪酸には他の不飽和脂肪酸に比べて酸化しにくいのだ。そのため、一価不飽和脂肪酸は加熱・生食の両方に使用できる。普段調理に使っているサラダオイルと置き換えてみよう。
アボカドオイルはアボカドの果肉から搾ったオイルで、n-9系一価不飽和脂肪酸に属するオレイン酸を45~74%程度含んでいる。まろやかさとコクを生かして料理の仕上げにひとたらししたり、炒め物に使ったり、パンにつけたり、幅広い用途がある。
健康オイルとしてn-3系多価不飽和脂肪酸が注目を集めることが多いが、酸化しやすいという欠点がある。油の酸化は高温で起こりやすいため、酸化しやすいn-3系多価不飽和脂肪酸は加熱調理に向かない。加熱によって有害な過酸化脂質に変えてしまっては、せっかく脂質の「質」を選んだかいがない。そこで、意識して摂取したいのはn-9系一価不飽和脂肪酸(オメガ9)である。なぜなら一価不飽和脂肪酸には他の不飽和脂肪酸に比べて酸化しにくいのだ。そのため、一価不飽和脂肪酸は加熱・生食の両方に使用できる。普段調理に使っているサラダオイルと置き換えてみよう。
アボカドオイルはアボカドの果肉から搾ったオイルで、n-9系一価不飽和脂肪酸に属するオレイン酸を45~74%程度含んでいる。まろやかさとコクを生かして料理の仕上げにひとたらししたり、炒め物に使ったり、パンにつけたり、幅広い用途がある。
3. アボカドオイルを使うのは簡単!相性の良い食材との組み合わせ方

日頃オリーブオイルを使っている感覚でアボカドオイルを取り入れてほしい。オリーブオイルとアボカドオイルがn-9系一価不飽和脂肪酸が多いという点で共通している。
- 炒め物でアボカドオイルを使う
オリーブオイルといえば、炒め物だけでなく、ラタトゥイユのような炒め煮をする場合にも使われる。食材に一度油をまわすと、うま味が保たれ、料理そのものにも油のコクが加わる。同様にコクのあるアボカドオイルも、炒め煮に使ってみよう。 - カルパッチョアボカドオイルを使う
果実から搾られているフルーティーな味わいのアボカドオイルは、カルパッチョにも向いている。脂溶性ビタミンや色素を含むものとあわせて食べるのも良いだろう。たとえばβ-カロテンの多いニンジンやリコピンの多いトマトなどをカルパッチョの具材にしてはどうだろうか。n-3系多価不飽和脂肪酸の多い魚介類も加えれば、脂肪酸のバランスも良くなる。 - パンにアボカドオイルを使う
オリーブオイルをパンにつけて食べることもあるが、アボカドオイルでホットサンドイッチを作ってみるのもいい。糖質が多い食品は脂質とあわせて摂取することで血糖値の上昇が緩やかになる。バターと違って常温で液体であるため、薄く油をひくことができる。
脂溶性ビタミンであるβ-カロテンやビタミンEを多く含むカボチャはポタージュにして、食べる前にアボカドオイルをひとたらしすれば、栄養素の吸収率があがり、料理にコクが追加される。
結論
食事から摂取している脂肪酸バランスが悪いと、生活習慣病につながりやすい。含まれている脂肪酸を意識して油を選びたいものだ。バランスを整えるときには、身体に好影響で調理に使用しやすいアボカドオイルが役立つ。アボカドオイルには「こうして食べなくてはならない」というルールは存在しない。いろいろな料理に手軽に取り入れてみよう。