1. グラタンの基礎知識

グラタンの歴史
グラタンの発祥は、フランス。語源とも言われているgratinerは、料理の仕上げに表面にチーズやパン粉をまぶし、焼き色をつけたもの、またはおこげという意味。日本でよく知られているマカロニグラタンのようにパスタやニョッキにソースを絡めて焼いたもの以外にも、生の食材にソースをかけて焼くタイプや表面を少し焦がした料理、デザートなど、広い意味で使われている。
日本のグラタン
日本でグラタンといえば、多くの場合、マカロニグラタンを指す。洋食の王道のような存在で、ベシャメルソースと呼ばれる、小麦粉とバターと牛乳で作られるソースに具材を絡めて、チーズをのせて焼いた物が一般的。フランスのグラタンの概念とは、すこし異なることがわかる。
フランスのグラタン
前述の通り、フランスのグラタンは多種多様。その中でも家庭でよく作られているのが、グラタンドフィノアという料理。これは、ジャガイモのグラタンで、薄くスライスしたじゃがいもに、生クリームと牛乳を混ぜたものをたっぷりと注ぎ、塩胡椒、チーズをかけオーブンで焼いたもの。とても簡単で美味しく、子供にも人気があるので、冬になると我が家でも登場回数が増える。ポイントは、じゃがいもを水にさらさないことくらい。
2. ベシャメルソースを極める

ベシャメルソースのコツ
日本のグラタンに欠かせないベシャメルソース。缶詰もあるが、ここはぜひ手作りにトライして欲しい。難易度高めと思われているが、コツさえ覚えれば、初心者でもOK。ポイントは、ただ一つ、ダマができても焦らないこと。用意するのは、ステンレスの小鍋と泡立て器、木ベラ。バター、小麦粉、牛乳、塩胡椒、ナツメグ。
とにかく混ぜる
あらかじめ室温に戻しておいたバターを溶かし、小麦粉を入れ、中火でよく炒める。少し茶色くなるくらいまで炒めたら、一旦火から下ろし、沸騰しない程度に温めた牛乳を少しずつ注ぎながら、泡だて器でかき混ぜる。良く混ざったら、残りの牛乳を入れてさらに混ぜ合わせ、もう一度弱火にかける。木べらで鍋底を八の字を描くように、ゆっくり絶え間なく混ぜる。とろみがついてきたら、塩胡椒で味を調える。これで完成。
控えめな味付けがキモ
味付けは、若干薄いかな、というぐらいが正解。この後、具材やチーズの塩分が加わるので、ベシャメルソース自体の味が濃すぎると、思った以上に全体がくどくなってしまうのだ。風味をつけたい場合は、ナツメグを少し加えるといい。
3. おすすめの素材合わせ

長ネギとブルーチーズ
こちらは、前述のグラタンドフィノアのように生クリームを使って焼くので、ベシャメルソースを作らずにできるグラタン。グリルか油なしのフライパンでこんがりグリルした長ネギを耐熱皿に並べ、生クリームを注ぎ、ブルーチーズを散らして、オーブンで焼くだけ。ワインのつまみにぴったり。ブルーチーズの塩気があるので、塩コショウはなくてもOK。
ほうれん草と生鮭
こちらはベシャメルソースありのレシピ。ベシャメルソースを作り終えたら、一口大に切って、塩胡椒した生鮭をフライパンに入れてバターでこんがり焼く。白ワインをふり、アルコールを飛ばしたら火を止める。茹でたほうれん草と一緒にベシャメルソースと和え、チーズとパン粉を振り、こんがり焼けば出来上がり。生鮭を使うのがポイント。魚嫌いの子供にもおすすめだ。
里芋とハム
意外と思われるかもしれないが、里芋は洋風料理によく合う。さらに洋風にすると子供にも食べやすい。よく洗った里芋を皮付きのまま茹でる。皮をむいて適当な大きさに切り、ハムと一緒にベシャメルソースと和え、焼くだけ。ベシャメルソースの味付けに、少量の味噌を加えても美味しい。
結論
定番のマカロニグラタン以外にも色々な素材で作ることができるグラタン。家にある材料で、どんどん作ってみよう。子供にも喜ばれるはずだ。