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子どもの日に食べるのは柏餅?ちまき?東西で異なる食習慣を解説

子どもの日に食べるのは柏餅?ちまき?東西で異なる食習慣を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年4月30日

皆さんは子どもの頃、子どもの日に何を食べていただろうか?この質問をすると「柏餅」という答えと、「ちまき」という答えが返ってくる。確かに、両方とも子どもの日に食べられるものだが、どちらを食べるかは都道府県によって異なるようだ。ここではちまきと柏餅の違いと、それぞれ食べられている地域について解説する。

  

1. 関東では柏餅

子どもの日に柏餅を食べるのは関東圏。柏餅は上新粉の餅の上に餡を乗せて二つ折りで包んだお菓子である。柏の葉で包むことから柏餅と名付けられた。

実は柏餅の前身は「ちまき」という説がある。ちまきはもともと平安時代に中国から端午の節句の伝来と同時に伝わったもので、その後全国に普及した。しかし、江戸時代以降は、江戸を中心に端午の節句に柏餅が食べられるようになり、参勤交代で日本各地に伝わったが、柏の葉が自生している地域が限られることから、1930年ころまではもっぱら関東が中心だった。

現在では柏の葉が韓国や中国から輸入されるようになり、柏餅は全国的に食べられるようになった。

■柏餅を子どもの日に食べる理由

柏餅が子どもの日に食べられるのには訳がある。柏餅に使われる柏の葉は、新しい葉が出ないと古い葉が落ちないといわれる。そのため、柏は家系が途絶えることがない、子孫繁栄の象徴として重宝され、柏餅が端午の節句の縁起物として供えられてきたのだ。

2. 関西ではちまき

関東で柏餅が食べられるのに対して、関西ではちまきが食べられる。ちまきはもともと中国から伝来したことは紹介したが、ちまきの由来についても解説しよう。

今から2300年ほど前、中国の楚の国に屈原(くつげん)という詩人がおり、国王の側近として活躍していた。屈原はその優秀さと正義感、愛国心で民衆から慕われていたが、あるとき陰謀により失脚する。国の行く末に絶望した屈原は、5月5日に川に身を投げてしまった。

民衆はその死を悲しみ、5月5日になると屈原が身を投げた川に供物を投げ入れるようになった。しかし、あるとき、1人の村人の夢に屈原が現れ、自分に供物が届く前に悪い龍に横取りされてしまうとうったえた。

そこで、村人たちは龍が苦手な楝樹(れんじゅ)の葉でもち米を包み、供物を牛の角のように尖らせて龍に食べられないように工夫をした。さらに邪気を払う5色の糸で縛って川に投げ入れたところ、龍にとられることなく、屈原のもとに届いたと言い伝えられている。

これが始まりとなって、中国では5月5日にちまきを作って食べる習慣が生まれ、端午の節句と併せて日本に伝来した。また、ちまきを包んだ魔除けの効果のある5色(赤・青・黄・白・黒)の糸は、子どもが無事に成長するための祈りを込めて、鯉のぼりの吹き流しとして使われるようになった。

ちまきを食べる習慣は、伝統を重んじる上方で長く継承され、現在でも関西では子どもの日に食べるのはちまきである。

3. 柏餅の葉っぱは食べられる?

柏餅の葉っぱは基本的に食用ではない。柏餅に似たおやつに桜餅があるが、桜餅の桜の葉は食べることもあるので混同しがちだが、柏餅の葉っぱはごわごわしていて美味しくない。

柏餅を葉で包むのは、香りづけと抗菌作用、保湿作用が主な目的だ。柏の葉は香りが豊かであることに加え、オイゲノールという抗菌成分が含まれている。まだ冷蔵技術が発達していない時代に、柏の葉を使うことで菌の繁殖を防いだのだ。また柏の葉で包むことで餅を乾燥から守ることもできる。柏餅には昔の人の知恵が込められているのだ。

結論

子どもの日には関東では柏餅、関西ではちまきが食べられる。ちまきは平安時代に中国から伝わったが、江戸時代以降、関東では柏餅が主流となった。両方とも端午の節句の縁起物として、それぞれの地域で子どもの日に食べられている。
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  • 公開日:

    2018年5月 4日

  • 更新日:

    2021年4月30日

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