1. 端午の節句の食べ物とその由来

端午の節句に好んで食べられるのは、子孫繁栄、立身出世にちなんだ食材だ。縁起がよいとされる食品を紹介する。
■柏餅
柏餅は端午の節句の食べ物として有名で、特に関東ではよく食べられている。柏餅に使われている柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちない。そのことから決して家系が途絶えることがない、子孫繁栄の象徴とされ、端午の節句に食べられるようになった。また柏餅を作るときの手つきが柏手に似ていて縁起がよいことから好まれたという説もある。
■ちまき
ちまきはもち米を竹や笹の葉で包んだ食べ物で、中国から端午の節句の風習と一緒に伝わった。ちまきが誕生したのは紀元前。中国の政治家で詩人の屈原の死を悼んで、村人が川に厄除けの効果のある葉で包んだちまきを投げ入れたのが始まりとされる。日本では江戸時代に武士の携帯食にもなったが、関西では今でも子どもの日に食べられている。
■ブリ(出世魚)
ブリは成長とともに名前が変わる出世魚。地域によって呼び名は異なるが、関東では成長に合わせてワカナゴ、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと変化する。男子の出世を期待して端午の節句のお祝いに出される習慣が生まれた。ブリのほかにはスズキ、ボラも好んで食べられている。
■カツオ
魚の鰹(カツオ)はその音を漢字にすると「勝男」と書くこともできる。勝負や戦に勝つことのできる男になるという意味で、縁起のよい食べ物とされた。
■たけのこ
たけのこは成長が早く、天に向かって真っすぐにすくすく伸びることから縁起物とされた。
2. 端午の節句のおすすめメニュー

■てこね寿司
てこね寿司はちらし寿司の1種で、伊勢志摩地方で食べられている郷土食。寿司飯の上に鰹やマグロの醤油漬けを乗せて、好みで大葉やごま、生姜、海苔なども載せる。縁起担ぎ食の鰹を美味しく食べられる1品。
■中華ちまき
中華ちまきは普通のちまきにひと手間加えれば簡単にできる。豚肉、人参、たけのこ、桜えび、しいたけを酒、醤油、砂糖で煮たものに、洗ったもち米を混ぜて笹や竹の葉で包んで蒸す。三角むすびにすると子どもでも食べやすい。
■ブリの照り焼き
出世魚のブリもおすすめしたいメニューの1つ。ブリの照り焼きはフライパンに油をひいてブリの切り身を焼き、醤油とみりんと砂糖で絡めればできあがり。味付けするときに焦がさないようにすると仕上がりが綺麗になる。
3. 端午の節句のそのほかの風習

端午の節句には菖蒲湯に入る風習もある。昔の中国では菖蒲の香りには魔除けの効果があると信じられ、菖蒲を入れた湯に浸かって無病息災を願った。また、菖蒲の葉で作った人形を玄関に飾ったり、菖蒲の葉を浸したお酒を飲む習慣もあったりする。これらの風習は奈良時代に日本に伝わり、宮中を中心に定着、その後は武家社会、庶民に伝わり現在に至る。
そのほか、端午の節句には鎧兜を内飾りに、こいのぼりを外飾りとして飾る習慣もある。これらは現代でもポピュラーな風習だ。こうした飾りは基本的に春のお彼岸過ぎから飾ることはできるが、4月上旬から5月5日まで飾るのが一般的だ。
そのほか、端午の節句には鎧兜を内飾りに、こいのぼりを外飾りとして飾る習慣もある。これらは現代でもポピュラーな風習だ。こうした飾りは基本的に春のお彼岸過ぎから飾ることはできるが、4月上旬から5月5日まで飾るのが一般的だ。
結論
端午の節句の縁起担ぎ食は柏餅、ちまき、出世魚、かつお、たけのこ等。こうした食材を使ったメニューは今でも子どもの日に好んで食べられている。またこの日は菖蒲湯に浸かって厄除けをする風習があるほか、鎧兜やこいのぼりを飾る家も多い。いろいろな方法で端午の節句をお祝いしよう。