1. 魚マリネの秘密
マリネって何?
マリネとは、素材を調味液に浸す調理方法のこと。素材に風味をつけたり、柔らかくしたりする目的の下ごしらえのことだ。調味液には、塩胡椒の他に、ワインやお酢、香味野菜やスパイスなどが使われる。ただ魚介類のマリネというと揚げたり、焼いたりした魚をマリネ液につけるタイプのマリネも存在する。
高まる保存力
マリネの良いところは、保存力が高まるところ。どうしても鮮度の落ちやすい魚介類には、うってつけの方法なのだ。さらに味わいもぐっと深くなる。
臭みをシャットアウト
魚介類の臭みは独特だ。これは、魚介類に含まれるトリメチルアミンという物質によるものである。これは、元々魚介類に含まれる物質が酵素により分解されることで生まれる臭いで、時間が経てばたつほど強くなる。その臭いをシャットアウトしてくれるのが、マリネ。酢の入ったマリネ液につけることでトリメチルアミンを分解することができるのだ。
2. 生魚のマリネ
セビーチェ
ペルー生まれのセビーチェという料理が存在する。これは、魚をスパイシーなマリネ液で和えたもの。本場では白身魚で作るのが常だが、エビやホタテ、タコなどでも美味しく作ることができる。ポイントは、香り高いパクチーとスパイスに、ライムをたっぷり効かせること。味付けは塩だけでOKだ。
セビーチェの作り方
ボウルにそぎ切りにした鯛の刺身1サクを入れ、みじん切りの玉ねぎとトマト、タイム1個分、塩小さじ1、刻んだパクチーをどっさり加え、さっと和える。仕上げにタバスコを振れば、さらに美味しい。仕上げにオリーブオイルを回しかけても良い。
切り身魚のマリネ
切り身魚もマリネにすることができる。水気をよく拭いた切り身魚に塩胡椒をして、ニンニクやお好みのハーブを乗せて、オリーブオイルをたっぷりかけるだけ。この時、切り身魚を完全にオイルに浸し、空気に触れさせないのがポイントだ。これで4日~5日はもつので、その間にそのままグリルしたり、ソテーにしたり、パスタの具材にしても良い。これはエビやイカ、タコなどでも美味しく食べられる。
3. 火を通した魚のマリネ
牡蠣のマリネ
これからの季節にぴったりな牡蠣のマリネ。塩水で振り洗いした牡蠣をしっかりペーパータオルで拭き、フライパンでさっと両面を焼き付ける。醤油かオイスターソースで味付けし、火を強め水分を飛ばす。瓶にオリーブオイルとローリエ、タイム、赤唐辛子、潰したニンニクを入れ、その中に牡蠣を投入すれば出来上がり。せっかく日持ちするのに、美味しすぎて、あっという間になくなるとお墨付きのレシピだ。
マグロのマリネ
手作りツナになるマグロのマリネもぜひ、自宅で作りたいアイテム。マグロは塩を振り、しばらくおいた後、水洗いをしてペーパーでよく拭く。小鍋にマグロが浸るくらいの油とローリエ、潰したニンニクを入れ、弱火で20分〜30分ほど煮る。鍋ごと冷まし、密閉容器に入れて保存する。これも作ったそばからなくなる鉄板レシピ。お好みでディルやローズマリーを入れても良い。
アジのマリネ
アジの南蛮漬けとも呼ばれるマリネ。これは千切りにした野菜を揚げたアジと一緒につける料理だ。たっぷりの野菜とつけることで、香りが良くなり、魚の臭みを減らすことができる。人参、玉ねぎ、ピーマン、ミョウガやシソも良いだろう。すべて千切りにすると見栄えもよく、食べやすい。マリネ液は、酢に砂糖と醤油を加えたもの。砂糖が多めだと食べやすい。
結論
魚のマリネは、生でマリネするものと火を加えてからマリネにするものがある。どちらも覚えておくとマンネリしがちな魚料理のカンフル剤としても活躍してくれるはず。ぜひ、トライしてみよう。