1. 直訳すると「公正な取引」

「Fair Trade」とは「公正な取引」という意味の単語である。
この考えが台頭する前は「公正ではない取引」がされていたということになる。
この考えが台頭する前は「公正ではない取引」がされていたということになる。
60年近い歴史を持つ運動
フェアトレードとは、主に発展途上国で作られる原料や食品を適切な価格で買い取り、生産者や労働者の収入向上と生活改善を目指す商品取引のことだ。フェアトレード運動は1940年代から始まり、世界的には1960年代より盛んになった。この運動が起きる前は、いかに商品を安く買い叩くかに熱中した仲買人が生産者や労働者を搾取し、発展途上国の貧困に拍車を掛けていた可能性がある。
主に食品に多い
フェアトレードの対象となるものはコットンや木材、衣類加工品まで含まれているが、最も多く適用されるのは主に食品である。
我々日本人にもなじみ深い輸入食品の数々で、コーヒーや茶・チョコレート・はちみつ・スパイス類・ドライフルーツ・バナナ等が挙げられる。バナナのように比較的安価な物から、我々の手に渡る頃には驚くような価格になるスパイスやはちみつまで、生産者や労働者との間にはたくさんの仲買人や小売業者が挟まれている。実際の生産者が手にする利益を保証し、生活改善を図るのがフェアトレードの真意となる。
我々日本人にもなじみ深い輸入食品の数々で、コーヒーや茶・チョコレート・はちみつ・スパイス類・ドライフルーツ・バナナ等が挙げられる。バナナのように比較的安価な物から、我々の手に渡る頃には驚くような価格になるスパイスやはちみつまで、生産者や労働者との間にはたくさんの仲買人や小売業者が挟まれている。実際の生産者が手にする利益を保証し、生活改善を図るのがフェアトレードの真意となる。
2. 明確な決まりはない?

いざ、スーパーでフェアトレード商品を買おうと思っても、どれがそうなのか理解できないのが現状だ。
認定機関の発足
そもそもフェアトレードに全世界共通の決まりはない。各国バラバラだった規定をまとめる形で「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」が発足し、この機構の認定基準を満たした商品にはフェアトレード認定ラベルが付けられるようになった。
日本はラベルを取得しない企業が多い
日本では「公正取引」という発想がまだまだ浸透していない。実はFLO認定ラベルをつけていない商品が大多数なのだ。各企業がそれぞれ独自の貿易ルートや支援策を講じ、企業独自でフェアトレードを行う企業が多い。それは、後述する問題点のためだ。
3. フェアトレードのメリットと問題点

フェアトレードは、認定機関がある程度の水準を設けることが非常に大切だ。しかし、現実世界ではフェアトレードの仕組みに問題点も出ている。
メリット
フェアトレードにおける最大のメリットは、貧困や児童労働に悩む原料生産側に、一定水準の報酬が確約されることだろう。
適正価格が浸透すれば、不当に安く買い叩かれることはなくなる。認定機構がラベルを作って啓蒙活動することで、一般の人のフェアトレードへの理解も深まる。
適正価格が浸透すれば、不当に安く買い叩かれることはなくなる。認定機構がラベルを作って啓蒙活動することで、一般の人のフェアトレードへの理解も深まる。
問題点も多い
実はFLOラベルは、企業全体に対する認定と商品個別に対する認定、それぞれ別に申請する必要がある。商品の数だけ申請が必要で、その都度料金がかかってしまうのだ。このため、その分の金額で自社独自の支援を生産者に行った方がいいと考える企業や、FLOより更に厳しい基準を独自設定している企業もたくさんある。中には会社全体の認可だけを取って、フェアトレードという単語によるイメージアップの恩恵だけを受けようとする大企業もあるのが実情である。日本では世界認定のラベルを商品の数だけ取得して資金流出するのは避けて、直接その金額を生産者に独自支援する企業が多いようだ。
結論
食品はどうしても値段を重視する傾向にある。日本ではそもそもフェアトレードという発想が浸透していないので、フェアトレード商品は値段が高いからと敬遠されることが多い。なぜその商品が高いのか、安いものは適正価格なのかを一度考えてみよう。
企業や輸入会社によるフェアトレードのイベントや啓蒙活動も盛んになってきたので、興味がある人は一度参加してみてはいかがだろうか。
企業や輸入会社によるフェアトレードのイベントや啓蒙活動も盛んになってきたので、興味がある人は一度参加してみてはいかがだろうか。