1. ところてんと寒天の違い
ところてんと寒天は似ているがそれもそのはず、どちらも原材料はテングサ(天草)やオゴノリという海藻だ。
オゴノリは、古来より交易品としても扱われ、「延喜式」(平安時代中期に編纂された法令集)にも、「大凝菜卅(オゴノリ)」と記載されているほど歴史は古い。
テングサは、赤褐色をしており、平面的に枝分かれしている形状で、温帯の深い海の岩礁にカーペット状に生えるため、櫛のような漁具で漁獲する。
テングサの種類の中で最も良質とされるマクサは、伊豆半島やその沿岸、京都府などで古くから採取されてきた。現在では一部の地域でも養殖が行われている。
採集したテングサには石の欠片や付着生物等が大量に付着しており、真水で何度も洗っては天日干しし、これを幾度も繰り返すことで、紅色が抜けて黄色や白になっていく。この脱色されたものがところてんや寒天の原料となるのだ。
原材料は同じであるが、基本的な製法が異なるのが最大の違い。ところてんは、テングサをお湯で煮溶かして濾過し、冷却して固めたもの。一方の寒天は、ところてんを凍らせて乾燥させる、いわば天然のフリーズドライ状態にさせて作るのだ。
オゴノリは、古来より交易品としても扱われ、「延喜式」(平安時代中期に編纂された法令集)にも、「大凝菜卅(オゴノリ)」と記載されているほど歴史は古い。
テングサは、赤褐色をしており、平面的に枝分かれしている形状で、温帯の深い海の岩礁にカーペット状に生えるため、櫛のような漁具で漁獲する。
テングサの種類の中で最も良質とされるマクサは、伊豆半島やその沿岸、京都府などで古くから採取されてきた。現在では一部の地域でも養殖が行われている。
採集したテングサには石の欠片や付着生物等が大量に付着しており、真水で何度も洗っては天日干しし、これを幾度も繰り返すことで、紅色が抜けて黄色や白になっていく。この脱色されたものがところてんや寒天の原料となるのだ。
原材料は同じであるが、基本的な製法が異なるのが最大の違い。ところてんは、テングサをお湯で煮溶かして濾過し、冷却して固めたもの。一方の寒天は、ところてんを凍らせて乾燥させる、いわば天然のフリーズドライ状態にさせて作るのだ。
2. ところてんの魅力
ところてんは一説には、奈良時代にはすでに、「こころてん」、「心太」と呼ばれ、古くは奈良時代の書物でもその存在をうかがい知ることができるようだが、もとは中国から伝わったものであるようだ。
ところてんは、原料であるテングサを煮出して抽出した液を型に入れて冷まして固め、「天突き器」とよばれる専用の器具で細長く押し出して作る。寒天を煮溶かして固めても、ところてんは作れるが、その弾力や磯の風味は、直接テングサやオゴノリからつくったものに比べると差が出てしまう。
通常、一度煮出したテングサはもう一度使用できるので、1袋のテングサからかなり多くのところてんを作ることができるのだという。
このようにところてんの歴史は古く、全国的にみると、ところてんの食べ方はさまざまであり、地域に根ざした食べ方がされているのも大きな特徴だ。
関東では、ところてんは海藻が原材料ということもあり、三杯酢や酢醤油で食べるのが一般的である。
対して関西では、黒みつをかけて食べるのが主流である。食感や形状が似ているくずきりを黒みつで食べていたことから、ところてんも黒みつで食すようになったともいわれている。
三杯酢にからしやゆずなどの薬味を加えたり、黒蜜の上にきな粉をかけたりするなど、各家庭の食べ方もいろいろなようだ。
ところてんは、原料であるテングサを煮出して抽出した液を型に入れて冷まして固め、「天突き器」とよばれる専用の器具で細長く押し出して作る。寒天を煮溶かして固めても、ところてんは作れるが、その弾力や磯の風味は、直接テングサやオゴノリからつくったものに比べると差が出てしまう。
通常、一度煮出したテングサはもう一度使用できるので、1袋のテングサからかなり多くのところてんを作ることができるのだという。
このようにところてんの歴史は古く、全国的にみると、ところてんの食べ方はさまざまであり、地域に根ざした食べ方がされているのも大きな特徴だ。
関東では、ところてんは海藻が原材料ということもあり、三杯酢や酢醤油で食べるのが一般的である。
対して関西では、黒みつをかけて食べるのが主流である。食感や形状が似ているくずきりを黒みつで食べていたことから、ところてんも黒みつで食すようになったともいわれている。
三杯酢にからしやゆずなどの薬味を加えたり、黒蜜の上にきな粉をかけたりするなど、各家庭の食べ方もいろいろなようだ。
3. 寒天の魅力
寒天は、一説には、薩摩藩の島津氏が参勤交代の折り、立ち寄った京都の旅館で出されたところてんを戸外に出しておいたときに偶然できた産物であるといい、その後試食した隠元禅師が「寒天」と命名、精進料理の食材として活用したとの逸話がある。
寒天は、乾燥させたテングサを煮溶かして木箱に入れて固め、戸外で1週間~2週間、凍結・乾燥を繰り返すことで、乾物となっていく。
寒天づくりには寒い地方が適していることから、内陸に位置する長野県も伊豆からテングサを買い付け、昔から盛んに生産が行われてきた。
寒天には、その形状から、数種類の寒天があり、用途に合わせて使い分ける。
寒天は、乾燥させたテングサを煮溶かして木箱に入れて固め、戸外で1週間~2週間、凍結・乾燥を繰り返すことで、乾物となっていく。
寒天づくりには寒い地方が適していることから、内陸に位置する長野県も伊豆からテングサを買い付け、昔から盛んに生産が行われてきた。
寒天には、その形状から、数種類の寒天があり、用途に合わせて使い分ける。
・粉寒天
粉末状で使いやすく、料理や甘味などさまざまな用途に利用される。常温の水や出汁に入れて火にかけて溶かし、沸騰後に調味料を加えて2分ほど煮る。あとは固めるだけと手軽だ。
・棒寒天
太い棒状の寒天。洗った後手でちぎって水や出汁に入れ火にかけ、かたまりが消えて透明感が出るまで煮る必要があるため、粉寒天より手間がかかる。
・糸寒天
洗った後に食べやすい長さに割り、水やお湯で10分ほど戻して水切りすると、そのままスープやサラダの具材として使える。ところてんのフリーズドライ版といったところだ。
結論
ところてんは寒天を固めて細長く突き出したものではなく、もともとところてんが寒空で自然にフリーズドライ状態になったことから、寒天が生まれたのである。古くからの製法で製造されているところてんは、磯の香りが強く、食感もしっかりしている。ところてんの食べ方も地方や家庭ごとにさまざまなのがユニークだ。