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松阪牛とは?松阪牛の歴史や特徴を紹介

松阪牛とは?松阪牛の歴史や特徴を紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2020年6月22日

日本三大和牛の1つとされる「松阪牛」。誰もが知っている和牛であるが、どんな条件の元で「松阪牛」になるのか、どんな歴史を持っているのかなど、松阪牛の雑学について詳しく紹介しよう。さらに、松阪牛といえば「ビールを飲ませて育てる」という話もよく聞くが、果たしてどうなのか。

  

1. 松阪牛とは

「松阪牛」は日本でも有数のブランド牛で、日本三大和牛の1つとされている。「まつさかうし」あるいは「まつさかぎゅう」と読む。

・松阪牛の定義

  • 生産区域が「松阪市を中心とする旧22市町村(市町村数は2004年11月1日現在)」あるいは、「旧松阪牛生産者の会会員」の元で肥育されていること。
  • 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること。
  • 出産未経験の雌牛であること。
  • 黒毛和種であること。
  • 生産区域での肥育期間が他の区域での肥育期間と比べて最長で、かつ最終肥育地であること。(生後12ヶ月齢までに生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限る。)
上記の条件をすべて満たし出荷されたものが松阪牛と定められているという。
さらに、特に品質が高い「特産松阪牛」と呼ばれる松阪牛は、「兵庫県産の子牛を導入し松阪牛生産区域で900日以上肥育した牛」と定義されている。特産松阪牛は、1頭1頭を農家で手塩にかけて長期間育てられるため、生産頭数は少なく、松阪牛全体の数パーセントともいわれている。
2017年3月3日には、特産松阪牛は、国の「地理的表示保護制度(GI)」に登録されている。これは、地域における伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度のことであり、「GIマーク」により他産品との差別化が図れるというものだ。登録産品には、「但馬牛」や「神戸ビーフ」などの和牛のほか、「夕張メロン」や「三輪素麺」などがある。

2. 松阪牛はビールを飲んでいる?

松阪牛は、子牛の産地として知られる兵庫県但馬地方の「但馬牛」をはじめとして、宮崎県、鹿児島県などの全国各地の子牛市場から選りすぐりの優れた子牛を松阪牛生産区域に導入して生産している。子牛市場で、生後8~10ヶ月頃の子牛を購入し、平均31ヶ月程度の肥育期間を経て出荷される。つまり、生まれながらにして「松阪牛」というわけではない。肥育農家が手塩をかけて「松阪牛」として育てるのである。肥育農家は、独自に工夫した方法で、牛の状態や体調に合わせた管理を行う。
一般的な肉牛は、肉付きがある程度よくなる頃に、「食い止まり」といって、食欲をなくして食事摂取量が低下してしまうのだが、一部の肥育農家では、牛の食欲が落ちた時に、食欲回復法の1つとしてビールを飲ませることがあるという。ビールに含まれる炭酸やアルコールが牛の胃を刺激し、食欲回復に役立つというのだ。つまり、すべての牛がビールを飲んでいるということではなく、また毎日ビールを与えているわけではない。あくまでも、食欲が低下した牛の健康管理の1つとして、ある肥育農家が始めた対処法であるとされている。
ビールで食欲を回復した松阪牛は、えさを食べ、さらに肉付きよくすることができる。

3. 松阪牛の歴史

松阪牛の歴史は江戸時代までさかのぼる。兵庫県但馬地方から、但馬牛と呼ばれる、おとなしくてよく働く役牛としても優秀であった但馬の雌牛を仕入れていたことに始まる。江戸時代においては、松阪牛は食肉用としてではなく、農耕における役牛として使用されていた。やがて明治時代の始まりとともに文明開化で牛肉の食文化が一般的になると、農耕用としての役割が終わった牛が食用とされるようになった。これが、松阪牛が食肉用として肥育されるようになった歴史の始まりとされている。その頃は、牛を農耕に3~4年使役させたのち1年ほど肥育して、立派に太らせたものを肉牛として出荷していたようだ。
きっかけは1935年(昭和10年)。東京芝浦で開催された「全国肉用畜産博覧会」という大会において、神戸牛や近江牛と競ったのち名誉賞を獲得したことから、松阪牛がブランド牛として不動の地位を築くこととなった。
その後、1958年(昭和33年)には、松阪肉牛の振興や消費拡充を目的として、肥育農家や精肉業者らが結束して、「松阪肉牛協会」を発足。行政も加わって松阪牛をトップブランドにまで育て上げることとなった。現在では、流通業者・卸売業者・販売業者・飲食店など、松阪牛を取り扱う250もの会員によって支えられている。
2004年には、肥育農家や松阪牛生産地域の市・町で構成される「松阪牛協議会」が設立され、松阪牛の生産振興と肥育技術の向上、安心安全のための「松阪牛個体識別管理システム」の運用に取り組んでいる。

結論

松阪牛は食欲不振の時にビールを飲ませるほか、血行をよくするために焼酎でマッサージをしたり、スキンシップをして牛のストレスを取り除くなど、家族のように大切に育てられているという。肥育農家をはじめ松阪牛に関わるたくさんの人々の努力によって、松阪牛のおいしさは支えられている。
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  • 公開日:

    2018年6月14日

  • 更新日:

    2020年6月22日

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