作り分けたい！大人向け・子供向けの「タルタルソース」の食材って？

タルタルソースは、マヨネーズをベースとして、玉ねぎやパセリなどの香味野菜や、ピクルスなどの材料をみじん切りにして混ぜ合わせたソースだ。日本では、これに茹で卵のみじん切りを加えることも多い。
このタルタルソースの「タルタル」の語源は何であろうか。
生の食材を刻んで調理したものを一般的にタルタルと呼び、「タルタルステーキ」や「タルタル風」といった料理名などでもよく知られている。
かつて東ヨーロッパの人々が、中央アジアの遊牧民であるモンゴル民族のことを「タタール人」と呼んだことから、タタール人が作ったとされる生肉をたたいたステーキのことを「タタール人が食べていた生肉料理（タルタルステーキ）」と呼ぶようになったといわれている。
タタール人は、遠征の際の食料でもあった馬の肉が、長距離の移動で酷使されたことで大変硬く筋張っていたため、食べやすく細かくたたいてこのような料理になったということだ。
そして、このタルタルステーキから転じて、生のものを細かく刻んだものをタルタルと呼ぶようになり、材料を細かく刻んでマヨネーズで和えたソースをタルタルソースと呼ぶようになったという。

タルタルソースは、日本ではマヨネーズにたっぷりの刻んだ茹で卵を和えただけのものを指すことも多いが、本来は、エシャロットや玉ねぎ、ピクルスなどアクセントになる野菜をみじん切りにしてマヨネーズと混ぜ合わせて作ることが多い。さらに、ケッパーや生パセリ、オリーブなどを刻んだり、ディルやチャイブ、エストラゴンといったハーブを加えたりするとさらに本格的な仕上がりとなる。
レモン汁や酢を加えてさっぱりとした風味にすることで、フライ料理に合わせられることも多い。
ピクルスは、酸味の強い締まった味にしたいときはサワータイプのものを、やさしい味に仕上げたいときはスイートタイプのものを使うようにする。
ハーブを多く使うと大人向け、ゆで卵を多く入れると子ども向け、といったように、材料を加える段階で、2種類作り分けてもよいだろう。
ちなみに、海外で作られるタルタルソースのレシピは、フランスの家庭料理でもたびたび使われるマヨネーズ系ソースにマスタードを加えた「レムラード・ソース」によく似ている。マヨネーズにディジョンマスタード、ピクルス、ケッパー、さまざまなハーブなどを刻んだものを入れて作る「レムラード・ソース」と、時として同じ材料となり、同義語として使われる場合もある。

タルタルソースは、マヨネーズの応用ソースとして、フライ料理に添えられたり、逆に淡白な鶏肉、白身魚のグリル料理に利用されることが多い。
タルタルソースは、酸味のある酢・レモン汁やピクルス、香りのある玉ねぎやハーブ、アクセントとなるマスタードなどを加えてさらにあっさりとした味わいに仕上げてあるため、フライ料理ともよく合う。ベースであるマヨネーズの乳化作用で油とも馴染みがよいのだ。チキン南蛮、エビフライ、カキフライ、白身魚のフライ（フィッシュ・アンド・チップス）など、和洋どちらの料理においても揚げ物との相性が抜群だ。
さらに、しっかりとした味がついているマヨネーズをはじめとした食材を使用するため、淡白な魚のムニエルや、ゆで野菜のディップとしてもよく使われる。
そして、マヨネーズをベースとしているため、マヨネーズやオーロラソースと相性のよい料理や食材と合わせられることもある。
たとえば、シンプルにトーストやサラダ巻きからはじまり、ケチャップソースのハンバーグやお好み焼き・たこ焼きにかけるといったユニークな使い方もある。
いずれにしても、ハーブやピクルス、マスタードといった特徴の出やすい材料は、料理に合わせて分量を減らしたり、種類を変えたりするのがよいだろう。

タルタルソースは、脂分の多いマヨネーズがベースでありながら、酸味や辛味の利いた食材を使っているため、揚げ物をさっぱりと食すことができる。すべての材料を混ぜるだけなので、子ども用と大人用の作り分けも比較的容易だ。