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旨みもにおいも強烈!くさやの秘密や美味しい食べ方

旨みもにおいも強烈!くさやの秘密や美味しい食べ方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

鉛筆アイコン 2020年11月11日

一度食べたら忘れられない強烈な匂い、そして独特の風味。「くさや」は干物王国日本でも異彩を放つ魚の干物である。食べたことがある人も、一体くさやがどうやって作られているのか知らないのではないだろうか。匂いと味同様、強烈な魅力を持つくさやの秘密をご紹介しよう。

  

1. 伊豆諸島の特産品

くさやは伊豆諸島の特産品として知られている。伊豆でも北部、八丈島や新島が発祥地のようだ。

江戸時代が起源

その昔、塩が貴重品だった頃に、くさやは誕生した。通常の干物は塩水に漬けて乾燥させるだけなのだが、伊豆諸島は江戸時代に塩を年貢として納めていた。このため、塩が大変貴重だったので、魚を漬けこむ塩水を繰り返し利用していたところ、魚から出る成分が混ざって自然発酵した。匂いは強烈だったが、おそるおそる食べてみると腐っておらず、味もとてもいい。こうしてくさやは誕生したのである。

くさいけど、腐らない?

この塩水こそくさやの秘密、「くさや汁」だ。くさや汁には独特の微生物が住み着き、研究の結果、新種の菌も見つかっている。
食中毒菌ですらくさや汁の中では死滅する殺菌力で(東京家政大学大学院実験)、においはくさい!が腐りにくく、魚の旨みや風味が格段にアップする素晴らしい発酵食品なのだ。

2. くさやの作り方

くさやの匂いは、あくまでくさや汁の微生物の恩恵だ。決して腐っているとか、過発酵しているわけではない。くさやが出来るまでは大変な手間がかかっている。

工程は至ってシンプル

新鮮な魚を開き、水洗いする。くさや汁に漬けた後で干す。工程はそれだけとシンプルである。しかし、一般的な干物の塩水は使い捨てだが、くさや汁は手入れが大変なのだ。くさや汁の微生物は乳酸菌の一種で、殺菌力はすべてこの微生物のおかげだ。塩分が低くても傷まないので、くさやは本来の干物のように塩分が強くないのも嬉しい。

古いほどいいとされるくさや汁

くさやは同じ発酵食品である糠漬けに似ている。古いくさや汁ほど風味豊かとされ、200年、300年以上前から手入れと保存が繰り返されているくさや汁も存在するのだ。同じくさや汁で連作するとくさやが出来なくなるので、何回か使って休ませた後は、新たな魚の切り身を入れて栄養補給されるのだそうだ。手入れのサジ加減は全て守り人次第で、作り手によって味が違う。微生物のバランスが何より大切なデリケートな食品である。

3. くさやの種類と食べ方

くさやに使う魚は伊豆諸島特産の魚たちだ。近年では匂いが気になる人向けに加工された商品も多い。

伝統的なムロアジ

くさやの最高級品は、昔から新島産の「青ムロアジ」が定番で、トビウオも有名だ。その他の魚としてはマアジ、カワハギ、サメ、ウツボ、サンマのくさやもあるが、圧倒的にムロアジが多い。匂いが気になるアパート住まいに朗報なのが、焼いて小さく裂いたくさやが真空パックで売られていることだろう。少しつまみたい時にも気軽に食べられる。

自分で焼くなら

通常の干物同様、「表7割・裏3割」で焼き上げる。皮がついている方から焼き、ひっくり返したらサッと炙ろう。一般的な干物より塩分が低いので、焼き上がりが早い。焦げないように注意だ。へたなアレンジをしなくても、焼いただけで十分に旨い。ご飯を食べるためのおかずというよりは、やはり酒のつまみに向いている。

結論

くさやを焼くとなれば、家の中は強烈な匂いで満たされる。「履いたまま洗っていない靴下の匂い」とか、「放置されていた雑巾の匂い」とか、様々な例えをされる独特の匂いだ。子供には敬遠されがちなので、やはり大人の珍味というべきだろうか。しかし、その風味は最高で、ひとたびはまると大好物になってしまう。瓶詰めや真空パックもあるので、一度はその風味を味わってみよう。
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  • 公開日:

    2018年11月13日

  • 更新日:

    2020年11月11日

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