1. ゴーヤの基礎知識
苦味が美味しさ
ゴーヤは、別名苦瓜。和名は蔓茘枝(ツルレイシ)。名前の通り、ツルを巻きながら成長するため、近年ではグリーンカーテンとして活用する人も多い。名前の通り、ゴーヤは苦みが強い野菜。この苦味こそ、ゴーヤの美味しさ。
ビタミンCたっぷり
ゴーヤはビタミンCがとても多い野菜のひとつ。ビタミンCは一般的に熱に弱いと言われているが、ゴーヤのビタミンCは熱で壊れることがないと言われている。炒める、揚げるなどの調理にも向いているということ。
ワタが苦味の原因は嘘?
「ゴーヤはワタが苦いので、ワタをしっかり取り除くべき」...そんな話を聞いたことがある人もいるかもしれない。実は、これは間違い。実際にゴーヤのワタを食べてみるとわかるのだが、ワタに苦味はほとんどない。苦いのはグリーンの果肉部分。苦味を和らげたいなら、ワタを取り、スライスしたのち、砂糖や塩で揉むといい。
2. 干しゴーヤの魅力
天日干しの効果
古くは解明されていなかったが、実は最近の研究で、ゴーヤは干すことで旨味や栄養価が高まることがわかってきた。太陽の光に当てることでビタミンDが増加、カルシウムや食物繊維が体に吸収されやすくなるという研究結果も多く発表されている。また干すことで野菜特有の青臭さが抜け、食べやすくなり、保存性も高まる。
苦味が軽減!?
干しゴーヤは、ゴーヤ特有の苦味がやわらぎ、ぐっと食べやすくなる。甘みさえ感じると言う人もいるらしい。さらに、通常は取り除いてしまうものの栄養豊富だと言われているワタやタネまで、干すことでより食べやすくなる。
ビタミンCも凝縮
ほかの干し野菜同様、ゴーヤも干すことで水分がなくなり、ぐっと栄養素が凝縮する。豊富に含まれているビタミンCや苦味の元で数種類のサポニンと20種類以上のアミノ酸からなるモモルデシン、鉄分など、豊富なゴーヤの栄養を少量で一気に摂取できるようになる。
3. 干しゴーヤの作り方
切って干すだけ
干しゴーヤは、ほかの干し野菜同様、とても簡単に作ることができる。用途によってワタやタネが必要なければ、除いてから、お好みの大きさにカット。ちなみにワタやタネをつけた状態でカットして干してもいい。あとは、ざるなどに並べて天日に干すだけ。
干し具合を調整
干し具合は、その日の天候によっても差がでるが、長くても1日干すくらいでOK。干し具合が長いほど、ぎゅっと小さくなり、凝縮するが、ゴーヤ特有の食感が残りにくい。半日干すくらいが、食感も残って美味しいのでおすすめだ。
食べるときは
そのまま食べることができるのが干しゴーヤのいいところ。もちろん料理に投入することもできる。味噌汁、炒め物、揚げ物など、幅広い料理への展開が可能。刻んでサラダや和え物にすることもできる。また、お湯を注げばゴーヤ茶にもなる。
結論
そのままでも栄養満点なゴーヤは、干すことで栄養素も美味しさもぐっと凝縮する。夏場に大量にゴーヤが採れたときにも、保存性が高まるので干しゴーヤはおすすめ。苦味が緩和されるので、特有の苦味が苦手という人も試してみてほしい。