1. 魚の原産地って?JAS法で決められている品質表示
店で野菜や肉、魚を買う時、消費者は何を基準に選んでいるのだろうか。見た目の新鮮さはもちろんのこと、パッケージの品質表示を確かめて選ぶ人も少なくない。賞味期限のほか、原産地がどこであるかも選ぶときの大事なポイントとなる。
生鮮食品の品質表示はJAS法(消費者庁・農林水産省による農林物質の規格化などに関する法律)に基づくものだ。2000年7月に行われた改正では、すべての生鮮食品において原産地を明記することが義務付けられた。
だが原産地の明記については疑問を持つ人もいるだろう。野菜や肉であれば、育てた場所が原産地であることが分かる。しかし魚の場合はどうなのか。広い海を移動する魚に、原産地というものが存在するのだろうか。JAS法では魚の原産地の表示について言及しており、魚を漁獲した場所、あるいは水揚げされた場所を原産地とすることが決められている。
生鮮食品の品質表示はJAS法(消費者庁・農林水産省による農林物質の規格化などに関する法律)に基づくものだ。2000年7月に行われた改正では、すべての生鮮食品において原産地を明記することが義務付けられた。
だが原産地の明記については疑問を持つ人もいるだろう。野菜や肉であれば、育てた場所が原産地であることが分かる。しかし魚の場合はどうなのか。広い海を移動する魚に、原産地というものが存在するのだろうか。JAS法では魚の原産地の表示について言及しており、魚を漁獲した場所、あるいは水揚げされた場所を原産地とすることが決められている。
2. マグロの原産地表示法
マグロを例に原産地表示の方法についてみてみよう。マグロは生涯にわたって海を回遊し、世界の海で漁獲される魚である。日本近海には毎年4~5月頃に、太平洋側では宮崎から和歌山あたりまでマグロが南からやってくる。12月頃までには青森・北海道まで北上していき日本列島を抜けていく。
マグロの原産地は、日本船が獲ったものならば国産、外国船が獲ったものは外国産となる。品質表示には、国産の場合はマグロを漁獲した水域名、養殖の場合は地域名(養殖場がある都道府県名)を記載する。しかし水域名の確定が難しい場合は、水揚げされた漁港名、または港がある都道府県名を原産地とするのだ。
輸入した外国産マグロの場合は原産国名を記載することになっており、加えて漁獲された水域名も記載されることもある。例えばインド洋で日本船と中国船がマグロを獲ったとしよう。同じ場所のマグロであるが、日本が獲ったものは国産、中国船が獲ったものは中国産となる。国産の場合はパッケージに「インド洋(〇〇漁港産)」と原産地が表示される。分かりづらいが、国産である場合は国名が記載されないことに注意しよう。中国産である場合は「中国、インド洋産」と表示されるのだ。
マグロの原産地は、日本船が獲ったものならば国産、外国船が獲ったものは外国産となる。品質表示には、国産の場合はマグロを漁獲した水域名、養殖の場合は地域名(養殖場がある都道府県名)を記載する。しかし水域名の確定が難しい場合は、水揚げされた漁港名、または港がある都道府県名を原産地とするのだ。
輸入した外国産マグロの場合は原産国名を記載することになっており、加えて漁獲された水域名も記載されることもある。例えばインド洋で日本船と中国船がマグロを獲ったとしよう。同じ場所のマグロであるが、日本が獲ったものは国産、中国船が獲ったものは中国産となる。国産の場合はパッケージに「インド洋(〇〇漁港産)」と原産地が表示される。分かりづらいが、国産である場合は国名が記載されないことに注意しよう。中国産である場合は「中国、インド洋産」と表示されるのだ。
3. マグロの養殖
マグロは養殖もさかんである。養殖マグロの場合は品質表示に「養殖」と記載される。実は養殖と書かれていても、完全な養殖ではない場合もある。マグロは養殖が難しく、長い間行われてきたのは蓄養である。蓄養とは海から稚魚を獲ってきて、餌を与えて育てることだ。蓄養の問題は、原料となる稚魚を自然界から調達してこなければならないことである。稚魚を多く獲ってしまうことは、マグロの個体数を減らすことにつながり、マグロを乱獲することと変わりはないのだ。
嬉しいニュースが飛び込んできたのは2002年。近畿大学がマグロの完全養殖に成功し、大きな話題を呼んだ。完全養殖とは、マグロの卵を人工ふ化させて育てていくことである。マグロが大きく育ったら、親から卵を取り育てていく。すべての工程を人工的に行うことで、マグロの生産を自由にコントロールできるうえ、自然の生態系を壊さずにすむのである。
養殖ものは天然ものに比べて味や食感が落ちるなど課題も残っているが、少しずつ改良が進んでいるようだ。環境に優しいマグロの供給法として、完全養殖は今後ますます期待され発展していくだろう。
嬉しいニュースが飛び込んできたのは2002年。近畿大学がマグロの完全養殖に成功し、大きな話題を呼んだ。完全養殖とは、マグロの卵を人工ふ化させて育てていくことである。マグロが大きく育ったら、親から卵を取り育てていく。すべての工程を人工的に行うことで、マグロの生産を自由にコントロールできるうえ、自然の生態系を壊さずにすむのである。
養殖ものは天然ものに比べて味や食感が落ちるなど課題も残っているが、少しずつ改良が進んでいるようだ。環境に優しいマグロの供給法として、完全養殖は今後ますます期待され発展していくだろう。
結論
JAS法では生鮮食品について、原産地を記載することを義務付けている。マグロなどの魚に関しては漁獲した場所、あるいは水揚げされた場所を原産地とする。最近はマグロの乱獲が問題となっているが、近畿大学がマグロの完全養殖に成功したのをきっかけに、養殖が盛んになってきている。完全養殖はまだ改良点があるものの、生態系を壊さないマグロの供給法として期待の技術である。