常備しておくと便利！【らっきょう】の種類と選び方

日本で栽培されている主ならっきょうは4種類。最もポピュラーなのが「らくだ」。日本各地で栽培されていて、1度にたくさんの実を収穫できる。粒は大きめ。

白くて小さいのが「玉らっきょう」。ほとんどが台湾などで加工されてから輸入される。
「八房（やつふさ）」は、らくだと玉らっきょうのちょうど真ん中くらいの大きさ。らっきょう漬けにされることが多い。
品種改良によって最近誕生したのが「九頭竜（くずりゅう）」。毎年、分球するので、効率よく収穫できる。

これら4種類のらっきょうの旬は5月～7月。初夏になると自宅でらっきょうを漬け込む人も多いだろう。甘酢で漬けるのがスタンダードだが、鷹の爪を入れたピリ辛の醤油漬けや味噌漬けにしても旨い。

らっきょうを軟白栽培して、若いうちに収穫したものが「エシャレット」。西洋料理で使われる小玉ネギのような「エシャロット」と名前が似ているので、混同されることが多いが、全く別物である。親らっきょうはそのまま生では辛くて食べられないが、エシャレットは風味がやや柔らかくなるので、生食できる。

主に沖縄で栽培されているのが「島らっきょう」。辛味も香りも強い。薄皮をむいて塩で揉み、かつお節と醤油をかけて食べるのが一般的だ。味噌をつけても旨い。また、漬け物や天ぷら、炒め物などにして食べるのも定番だ。炒める時は葉を加えてもよい。
島らっきょうの旬は2月～6月。本土へはあまり出回らないので、観光で訪れた時に買って、においを気にしながら持ち帰る人もいるようだ。

らっきょうの生産地といえば鳥取県が有名だ。らっきょうの栽培には砂地が適していて、「砂丘らっきょう」というブランドがある。
また、鹿児島県も生産量が多い。昔は各家庭で栽培していたといわれるほど、らっきょうが生活に根ざしている。生で食べる習慣もあると聞く。
茨城県のらっきょうは出荷の時期がやや遅いため、シーズンの終盤を支えている。

らっきょうは収穫してから芽が出るまでが早い。青い芽が出ているものは、収穫してから時間が経っているので避けたいところ。粒を見た時、まずは傷がなくて白いものを選別し、緑がかっているものは硬いことが多いので避けよう。全体的にふっくらとしていて、大きさが揃っているものが良質で、適度に硬く、ツヤがあるものを選んでいこう。
買う時は泥つきの方がベターだが、泥がついていると芽が出やすいので、買ったらその日のうちに漬けてしまおう。

カレーを食べる時くらいにしかお目にかからないらっきょうだが、ピクルスとして考えると、いろいろな料理に応用できる。
まずはサンドイッチ。一緒に挟むパートナーにはスモークサーモンを推薦する。パンにスライスチーズとスモークサーモンを重ね、薄切りにしたらっきょうを散らして挟んでみよう。甘酢らっきょうの甘味はピクルスにはないもので、味のアクセントとして目新しいかもしれない。茹でたエビ、アボカド、クリームチーズのサンドイッチにらっきょうを追加しても美味。もちろん、いつものハンバーガーにプラスしても旨いので、ぜひ試してみよう。

変わったところでは、いつもの浅漬けにらっきょう漬けを加えるという、漬け物＋漬け物のメニュー。大根とキュウリの薄切りを塩で揉み、そこにらっきょう漬けの薄切りと、漬け汁も少々加え、さらに揉むとできあがり。レモン汁を加えるとさわやかになる。塩だけで揉む浅漬けにちょっと飽きてきたら、らっきょうをアクセントに使うと、味に深みが増し、目先が変わって箸が進む。揉んですぐに食べられるので、時間がない時に便利だ。

このほか薄く切って炒め物に入れたり、和え物に加えたりと、らっきょうはいろいろと応用できる。オリジナルの新メニューを考案し、家族にふるまってみては。