1. 嗜好品とは一体何か?

嗜好品と食品は何が違う?
一般に嗜好品と呼ばれるものの中には『食品』といえそうなものも多く含まれている。コーヒーやお酒、チョコレートなどがその典型だ。「チョコレートって嗜好品と食品、どっち?」と聞かれたら「両方」と答えざるを得ないだろう。
嗜好品という言葉に明確な定義は存在しないが、広く受け入れられている定義としては『栄養摂取を目的とせずに経口する食品や飲料』だろう。そこから派生して、『日常生活に役立たせる目的でない、趣味や嗜好を満足させるための物品』を指すこともある。
すると、嗜好品と食品は次のように分別できるだろう。すなわち、食品とは『食べ物や飲み物一般』を指す言葉であり、嗜好品はその中でもとくに『栄養摂取を目的とせず、自分の趣味嗜好を満たすために摂取する食べ物や飲み物』を指す、ということだ。
嗜好品という言葉に明確な定義は存在しないが、広く受け入れられている定義としては『栄養摂取を目的とせずに経口する食品や飲料』だろう。そこから派生して、『日常生活に役立たせる目的でない、趣味や嗜好を満足させるための物品』を指すこともある。
すると、嗜好品と食品は次のように分別できるだろう。すなわち、食品とは『食べ物や飲み物一般』を指す言葉であり、嗜好品はその中でもとくに『栄養摂取を目的とせず、自分の趣味嗜好を満たすために摂取する食べ物や飲み物』を指す、ということだ。
食は『栄養摂取のための手段』か
とはいえ、食糧が飽和しているともいわれる現代日本においては、もはや嗜好品と食品の区分はあいまいだ。栄養を摂取するためだけに食事をしている、という人はよほど食に興味のない合理主義者だろう。ほとんどの人は、栄養のことを気にしつつも、自分の好きなものを選んで食べているはずだ。「美味しいものを食べよう」と思って食事をするというのは、合理的な栄養摂取というよりもむしろ、自分の嗜好を満たそうとするときの心の働きに近い。「われわれの食は、もはや嗜好品化している」といっても過言ではないかもしれない。
もっとも歴史的に見れば嗜好品は、単なる食品とは別の角度から食に大きな影響を与えてきた。続いて、嗜好品が食に与えた影響とその意味について考察していこう。
もっとも歴史的に見れば嗜好品は、単なる食品とは別の角度から食に大きな影響を与えてきた。続いて、嗜好品が食に与えた影響とその意味について考察していこう。
2. 嗜好品と食の関わり(1)紅茶

紅茶は、四大嗜好品にも数えられる、代表的な嗜好品だ。
そもそもお茶の起源は中国とされており、もともとは漢方薬として用いられていたものだ。唐の時代(7世紀~10世紀)ごろから貴族階級の間で日常的に喫茶されるようになり、その習慣が徐々に庶民へと拡大していった。
この『喫茶文化』がヨーロッパに伝わると、貴族階級の間で爆発的な人気を博し、ヨーロッパ独自の『紅茶文化』に展開していったというわけだ。紅茶がなければ午後のティータイムもなかっただろうし、イングリッシュマフィンやスコーンも生まれなかったかもしれない。
そもそもお茶の起源は中国とされており、もともとは漢方薬として用いられていたものだ。唐の時代(7世紀~10世紀)ごろから貴族階級の間で日常的に喫茶されるようになり、その習慣が徐々に庶民へと拡大していった。
この『喫茶文化』がヨーロッパに伝わると、貴族階級の間で爆発的な人気を博し、ヨーロッパ独自の『紅茶文化』に展開していったというわけだ。紅茶がなければ午後のティータイムもなかっただろうし、イングリッシュマフィンやスコーンも生まれなかったかもしれない。
3. 嗜好品と食の関わり(2)スパイス

また、スパイスも歴史的に重要な嗜好品のひとつだ。スパイスの歴史は古く、紀元前3000年ごろのインドではすでに使用されていた記録が残っているというから驚きだ。中世になりスパイスがヨーロッパに伝わると、その食味だけでなく肉の防腐剤としての利用価値もあいまって、貴族たちの間では宝石並みの高値で取引されていたという。胡椒や唐辛子などのスパイスが料理に与えた影響は言わずもがなだ。
4. 嗜好品と食の関わり(3)砂糖

さらに言えば、料理に不可欠な砂糖も嗜好品のひとつであるといえそうだ。食の知識に精通したオリひと読者はご存知かもしれないが、実は人体にとって糖質は必須栄養素ではない。
これは厚生労働省が2015年に認めており、医師の中には「糖質を一切取らなくても問題ない」とする人までいるほどだ。脳の働きを保つためには、一定程度の糖質を摂取する必要はある...とする向きもあるが、そうだったとしても砂糖である必要はなく、お米や小麦粉などの炭水化物で十分摂取できる。つまり、砂糖がなくても人間は生きていけるのだ。
紅茶・スパイス・砂糖、なくても人間が生きていけるものばかりだが、これらが存在しない生活に少し思いを馳せてみよう。紅茶のない3時のおやつ。スパイスのないカレー。砂糖を使わないケーキ...どれも不可能ではないが、考えるだけでがっかりしてしまうメニューばかりではないか。「なくても良い」かもしれないが、「あったらなお良い」。嗜好品は、そんな"喜び"を食卓にもたらしてくれる存在だといえそうだ。
これは厚生労働省が2015年に認めており、医師の中には「糖質を一切取らなくても問題ない」とする人までいるほどだ。脳の働きを保つためには、一定程度の糖質を摂取する必要はある...とする向きもあるが、そうだったとしても砂糖である必要はなく、お米や小麦粉などの炭水化物で十分摂取できる。つまり、砂糖がなくても人間は生きていけるのだ。
紅茶・スパイス・砂糖、なくても人間が生きていけるものばかりだが、これらが存在しない生活に少し思いを馳せてみよう。紅茶のない3時のおやつ。スパイスのないカレー。砂糖を使わないケーキ...どれも不可能ではないが、考えるだけでがっかりしてしまうメニューばかりではないか。「なくても良い」かもしれないが、「あったらなお良い」。嗜好品は、そんな"喜び"を食卓にもたらしてくれる存在だといえそうだ。
結論
嗜好品は「人の心を満足させる」という独自の立ち位置から、時には貴重品として、時には日用品として、われわれの食をより豊かなものにしてきた。私たちの食を、そして人生を豊かに彩ってくれる嗜好品に思いを馳せながら過ごすティータイムは、いっそう格別なものになるだろう。
投稿者プロフィール
あした話せる嗜好品メディア
LOOHCS(ルークス)編集部
LOOHCS(ルークス)編集部

『嗜好品』をテーマに、「あした話せるちょっとした教養」をお届けするWebメディア。
すぐに話せる知識や教養を通じて、あらゆる嗜好品のもたらす価値を日々発信している。
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