1. お祝い料理の今昔

卒入学に限ったことではないが、お祝いに欠かすことができないのがお祝い料理である。ハレの日の料理と呼ばれることもある。お祝いは外食で、という家庭もあるとは思うが、家の食卓でも祝うテクニックを身につけておくと便利である。
お祝い料理と色
お祝い料理と言うと、鯛や赤飯を思い浮かべる人も多いことであろう。確かに両者は、昔から日本のお祝いの席で食べられてきた、歴史のあるメニューだ。鯛や赤飯がハレの日メニューに選ばれた所以は、その色合いにある。双方ともに美しい赤色であるが、古くから日本では、赤は魔除けや災いを防ぐ効果があるとされてきた。このことから、祝いの席で赤いものが好まれるようになったのだ。そのほかにも、鯛は長寿であることから縁起がよい食材とされている。
今どきのお祝い料理
お祝い料理の献立に関して、鯛や赤飯の準備は必須ではない。ただ、クラシックなお祝いにしたい、両家の祖父母が来るなどの場合は、鯛や赤飯を用いてもよいだろう。より簡単に調理するレシピも多く提案されているので、調べてみるとよい。今どきは、お祝いされる当人の食べたいものを優先するのが主流。その結果、ちらし寿司や手巻き寿司、ローストビーフや唐揚げなどがメニューに並ぶことも多い。
2. お祝い料理の献立必勝法

頑張りすぎないがキモ
お祝い料理だからと言って、あまりにも張り切りすぎるのは、おすすめできない。これは料理が負担になって、お祝い自体を楽しめなくなってしまうからである。ご馳走でありながら、肩の力を抜いて作ることができるよう、献立を組み立てるのが正解だ。
メインを厳選する
まず、お祝い料理の献立のなかでもメインとなるものを決めることから始めよう。おすすめは、下処理しておけば、あとは当日焼くだけ、乗せるだけ、混ぜるだけなど、〇〇だけな料理であること。ローストビーフや手巻き寿司がよい例だ。ちらし寿司は、バラちらしがおすすめ。これは、刺身やきゅうりを角切りにして、酢飯の上にぎっしり乗せるタイプのちらし寿司。これなら、具材を煮込む手間もなくて楽だ。
サイドメニューはいつもの味
お祝い料理の献立にありがちなのが、唐揚げ、ローストビーフ、ちらし寿司といったメイン料理をいくつもべてしまうこと。確かに豪華には見えるものの、実際に食べると飽きてしまったり、胃が重たくなってりと問題点も出てくる。そこで重要になるのが、サイドメニューの存在だ。サイドメニューは、気負わずいつもの食卓に並ぶようなものを選ぶとよい。子どもにも大人にも人気の高いポテトサラダや、マカロニサラダのようなマヨネーズ系のサラダ、スープ類、ピクルスなど、味のベクトルや温感のバランスも見て総合的に判断しよう。
3. お祝い料理の献立アイデア

和風献立なら
バラちらし、または手巻き寿司をメインにするのがおすすめ。サイドメニューには、箸休めになるようなさっぱり系のサラダがあるとよい。きゅうりやにんじん、キャベツなどを千切りにして、お好みのドレッシングで和えたり、ごま油と醤油で味付けするなど、手軽にできる味付けで十分だ。育ち盛りの子どもには肉系のおかずがないと不安、という場合は、スティック状に切ったささみで作るフライを試してほしい。筋をとって縦半分に切ったささみは、塩胡椒をしっかりふって、衣をつけて揚げよう。市販の天ぷら粉を使って、とり天にしてもよい。
洋風献立なら
お祝い料理を洋風に組み立てる場合は、ローストビーフやローストポークをメインにするのがおすすめ。サイドメニューにはサラダをいくつか用意したい。千切りのマリネタイプ、ゴロゴロ角切りのコブサラダ、ピクルスなど、食感に変化をつけてチョイスするとよいだろう。炭水化物系はガーリックトーストや、あえてシンプルな塩おにぎりなども受けがよさそうだ。ご馳走メニューのなかに、ほっとする味わいがあると嬉しいものである。
結論
お祝い料理を成功に導く秘訣は、頑張りすぎないこと。メインを決めたら、あとはいつも通りのおかずやサラダを並べるだけで十分。華やかに見せるために、色鮮やかに茹でた絹さややアスパラガスなどの春野菜を活用するのもひとつのテクニックだ。祝う相手の好みを尊重しつつ、肩ひじ張らずに、お祝い料理を楽しもう。