1. パッケージフリーショッピングとは

海外では非常にポピュラーな、パッケージフリーショッピング。日本語に言い換えると、容器を持参するタイプの量り売りと表現すれば分かりやすいだろうか。自分の好きな量だけを、持参した容器に入れて購入するショッピングの形である。
海外におけるショッピング事情
海外では、大手スーパーでも量り売りがとても多い。シリアルやナッツ、スナック、コーヒー豆などを筆頭に、デリや野菜も量り売りされている。市場でも、同じような光景を見ることができる。ただ、そのすべての現場でプラスチック製品が使われていないということではない。しかし、リユースできる容器や紙袋が活用されていたり、近年では新たにプラスチックフリーのパッケージフリーショッピングが可能な店舗が登場しているのだ。
昔の日本はパッケージフリーだった?
実はパッケージフリーショッピングは、日本人にとってまったく新しい買い物の形ではない。日本でも、籠やざるを持って買い物をするのが当たり前だった時代がある。そんな買い物スタイルに変化が訪れたのは、戦後のこと。高度経済成長を迎え、便利さを求めるなかで、個包装された食品や商品、プラスチック袋が急激に広がりを見せたのだ。いまでは、プラスチックと接しない暮らしは、なかなか想像ができないほどである。
2. パッケージフリーショッピングに見る新しい買い物の形

パッケージフリーによって安くなる?
パッケージフリーショッピングは、エコやサスティナブルという観点ではもちろん喜ばしいことであるが、消費者の日々の生活にとってもメリットがある。というのも、パッケージフリーショッピングがうまく機能するようになれば、事実上、無駄な容器を使用しないためコストダウンにつながり、結果としてリーズナブルな価格になるというからくりである。需要が少ないうちは一概にリーズナブルになるとは言い難いが、供給が増えれば、必ず価格は下がることになるだろう。
何を選ぶか、をもう一度考えて
よく耳にする言葉ではあるが、買い物や購買は経済活動、そして選挙と同等の意味をもつ行為である。商品を選ぶということは、提供する企業や農家を応援する、それらに賛同するといったひとつの意思表示でもあるのだ。これからの時代は、ルーティーンや単なる思いつき、広告などで買い物をするのではなく、もう一歩先を考えた買い物が必然になるかもしれない。
3. パッケージフリーショッピングと未来

実際に日本でも、パッケージフリーショッピングを実践している店舗が存在する。そういった店舗を探して利用してみるのもよいだろう。また、昔ながらの商店では、量り売りはいまでも日常的に行われている。肉屋や魚屋、八百屋を思い浮かべれば分かるだろう。そうした店で、容器を持参して購入するというのもひとつの手段である。
結論
パッケージフリーショッピングは、新しい買い物のスタイルではなく、古くから日本にも存在するものである。そう考えると、より親しみが持てるのではないか。大企業が続々とプラスチック製品全廃に向けて舵を切るなかで、我々消費者も、毎日の消費を考え直す必要があるのかもしれない。便利さから一度、距離を置く時代がトレンドになる日も近いかも?