1. メロンってどんなもの?

メロンはウリ科キュウリ属の植物。そう、野菜のきゅうりと同じ仲間なのである。農林水産省の分類では、およそ1年で栽培されることなどから、メロンは野菜に分類され、「果実的野菜」と呼ばれる。一般的には球状で、網目があるのが特徴。とろけるような果肉と豊かな香りで、高級フルーツとしても人気である。
メロンの栄養
メロンにはカリウムという栄養素が多く含まれている。カリウムにはナトリウムを排出する作用があることから、塩分の摂り過ぎを調節する働きがある。
メロンの富士山白雪ってなに?
野菜や果物の等級は通常、「秀・優・良」などで分けるのが一般的だが、最上級マスクメロン「静岡クラウンメロン」の産地としても有名な静岡県では、「富士・山・白・雪」と特有の呼び方をすることでも知られている。
2. メロンの原種や特徴

メロンの原種
メロンの原産地は諸説あるが、アフリカ大陸とする説が最も有力。今から5000年以上前の古代エジプト時代から栽培されていたとされ、中国でも紀元前13世紀の書物に既に記載があるといわれている。
日本におけるメロンの歴史
日本では弥生時代の遺跡から、メロンの一種である「マクワウリ」の種が土器と一緒に発見され、古事記や万葉集にも記載がある。ヨーロッパ系メロンは明治時代に導入され、大正時代には高級果物として世の中に広まった。大衆メロンは昭和37年のプリンスメロンから始まったといわれ、現在に至るまでさまざまな品種改良がなされている。
メロンの特徴
メロンの特徴は、何といってもその芳醇な香り。とろけるような食感の果肉と合わさって、幸福感をもたらす。種の周辺が最も甘いので、縦にくし形切りにすると全体に均等にいきわたる。
メロンの産地
メロンの名産地は茨城県、北海道、熊本県である。茨城県は20年以上も生産量日本一を誇るメロンの名産地。10年以上かけて開発されたオリジナル品種「イバラキング」をはじめ、豊富な種類のメロンが栽培されている。北海道は、赤肉メロンの代表「夕張メロン」で有名。ほかにも「ふらのメロン」や「らいでんメロン」などさまざまなオリジナル品種がある。同じウリ科であるすいかの名産地としても有名な熊本県では、「オレンジハート」や「肥後グリーン」などの品種が知られる。
3. メロンの代表的な品種は?

メロンは大きく分けて、ネット系メロンとノーネット系メロンの2つに分けられる。さらに、ネットメロンは緑肉系、赤肉系に分類され、さまざまな品種が開発されている。
緑肉メロン
■アールスフェボリット(マスクメロン)
最上級メロンといえば、マスクメロン。とろとろの果肉と圧倒的な香りは、まさに王者の風格。一般的によく出回っているアールスメロンとは、このアールスフェボリット種を育てやすく改良したもので、風味のよさを引き継いでいる。
■タカミメロン
ラグビーボールのような楕円形で、網目が細かいのが特徴。爽やかな甘みがある。果肉がかたく、比較的日持ちもするので、全国的によく出回る品種である。
■アンデスメロン
こちらもよく出回っている品種の1つ。見た目はアールスメロンに近く、豊かな香りと甘さが手頃な値段で味わえるとあって、人気がある。アンデスという名前は南米アンデス地方ではなく、「作って、売って、買って安心です」という意味からつけられた。
赤肉メロン
■夕張キング
赤肉メロンを代表する品種。北海道の「夕張メロン」はこの夕張キングのうち、厳しい基準をクリアしたもののことである。なめらかでジューシーな果肉と芳醇な香りが特徴。
■クインシー
肉質はややかためだが、豊かな香りと濃厚な甘さが人気。比較的安価で日持ちもよいため、全国的にも人気のある品種だ。
ノーネットメロン
■プリンスメロン
1962年に誕生し、昭和40年代まで最も多く流通していた品種。果皮は白っぽい薄緑、果肉は緑色で、種周辺はオレンジ色である。とろけるような肉質で甘く、香りもよい。
■ホームランスター
果皮、果肉とも綺麗な乳白色。旬は1~3月と比較的早い。上品な甘さでやわらかな肉質が特徴。
■ハネジュー
主にアメリカやメキシコで栽培される品種。果皮はクリーム色で、日本産のものよりゴツゴツしている。やや固めの肉質で、さっぱりとした後味が特徴。
結論
豊かな香りで人々を虜にする、メロンの品種や特徴について紹介した。メロンというと高級果物のイメージがあるが、近年では比較的安価なものも出回っており、大衆果物としての地位も確立している。新たな品種も続々と開発されている果物なので、選ぶ際はその品種にも注目してみてはいかがだろうか。
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