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アメリカンチェリーの色?さくらんぼ【紅さやか】の魅力

アメリカンチェリーの色?さくらんぼ【紅さやか】の魅力

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年5月25日

日本国産のさくらんぼといえば、オレンジがかったような朱色か紅色。アメリカンチェリーを代表とする輸入さくらんぼは、紫に近い濃赤色。そんなイメージを持つ人が多いだろう。だが、国産のさくらんぼでも、アメリカンチェリーのような色合いを持つものもある。それが「紅さやか」だ。濃い赤紫色の、珍しい国産さくらんぼについて紹介しよう。

  

1. 極早生種である紅さやか

さくらんぼの一大産地、山形県で改良開発された「紅さやか」。
その特徴は、極早生種であることだ。その年一番に食べるさくらんぼは、紅さやかである人も多いだろう。国産のさくらんぼのメイン品種である佐藤錦より2週間ほど早く、ほかの品種に先駆けて収穫期を迎える。5月下旬にはもう、お客さまのお手元に届けます、という年もある。

品種ごとに異なる出荷時期

山形県というより、日本全体で見ても、現在のさくらんぼのメイン品種は「佐藤錦」である。さくらんぼの旬は短く、ピークは2週間ほど、佐藤錦は6月中旬から下旬が最盛期だ。さくらんぼ農家は、この2週間ほどが大忙しである。この時期はさくらんぼの販売業界は佐藤錦一色に染まる。夏の宝石、食べるルビーともいわれている佐藤錦は知名度も人気高く、とにかく最優先になる。だが、旬は短く、たくさん売りたくても、豊作の年は手のまわらないまま終わってしまうところもあるほどだ。

この短い旬をカバーすべく、山形県で進めているのが、佐藤錦より前に収穫できる早生種、紅さやかと、佐藤錦より後に収穫できる晩生種、紅秀峰だ。ともに平成3年に品種登録されている。
種類を変えてリレー収穫することによって、さくらんぼ全体の旬を伸ばすことができるのだ。もちろん佐藤錦そのものも、7月中旬まで連続出荷が可能になるなど、工夫改良が進められている。
消費者としては、さまざまな味を楽しむことができるので、研究開発は望むところである。

2. 紅さやかの味の特徴

紅さやかは、佐藤錦とセネカという品種を掛け合わせたものである。セネカはニューヨーク生まれの早生種だ。とても酸っぱく果肉は柔らかで、なかなか輸送には向かないが、佐藤錦の実をつけるための受粉木として優秀なので、いまでもよく植えられている。
紅さやかは、セネカの特徴もよく引き継いでいるといえる。

味わい

糖度は15度前後。酸味もあるので、バランスよくさっぱりとした、初夏に相応しい味わいだ。果汁が多く、食味もよい。ちなみに、佐藤錦の糖度は約20度。甘いだけでなく、甘酸っぱい味わいを好む人には、紅さやかが喜ばれる。
外皮は硬めだが実は柔らかいので、弾けるような食感がまた楽しい。

色形

紅さやかの実は短心臓形、平均して1個6gと、早生種としては大きめだが、大玉が好まれる昨今では、やや小さく感じる。
また、花がつきやすく、実がなりやすい豊産性である。採れすぎを防ぐために、花を適度にとってやらなければならないほど。
外皮の色が濃く、帯朱紅色であり、収穫するときには紫に近い暗い色になる。果肉も赤く、アメリカンチェリーのような色合いだ。ここまで熟してから収穫するのがポイント。熟すにしたがって、朱色から赤紫へと色が濃くなっていくのが、紅さやかの特徴である。色が朱色であるうちに収穫しても、味が淡泊になってしまう。

3. 紅さやかの美味しい食べ方

さくらんぼは鮮度が重要で、採れたらすぐに食べるのが一番美味しい食べ方だ。一番よいのは、旬の頃にさくらんぼ狩りに行って、思うさま食べるのがおすすめである。しかし、紅さやかは色が濃くきれいなので、加工するのも面白い。

コンポート

少し手間だが、種をとり砂糖とともに煮る。くつくつとしてから、2〜3分程度弱火で加熱して、レモン汁を加える。消毒した瓶などに入れて冷まし、冷蔵庫で保存しよう。
さくらんぼのイメージとは違う濃い色だが、さくらんぼの香りはしっかりと感じられる。そのまま食べてももちろん美味しい。形が残る程度の加熱なので、タルトの中身やケーキのトッピングとしても楽しめる。

ジャム

上記のコンポート状のものを、柔らかくくたくたになるまで煮る。好みだが、さくらんぼがスプーンで潰れる程度にまで煮詰めると、ジャムとして食べやすい。
パンに塗っても、ヨーグルトやアイスクリームにかけても、香りがよく色もきれいだ。

ワイン

これは残念ながら自分で作るのは難しい。
山形県東根市で、市特産のさくらんぼ100%のワインを製造しているところがある。紅さやかワインは、赤ワインのような色をしている。さくらんぼの独特の香りと風味があり、甘辛度としては、ミディアムボディだ。
なにより、ぶどうにアレルギーを持つ人でも飲めるワインであることが大きい。東根駅のほか、通信販売もしているので、興味のある人はぜひ調べてみてほしい。

結論

赤紫、黒みの濃い紅さやかは、国産のさくらんぼの中ではポリフェノールや鉄分を多く含んでいる。そのまま食べても栄養は摂取でき、加工してもまた美味しい。さくらんぼのシーズンが始まった頃、一番初めに目にする可能性が高いさくらんぼである。しっかり色のついた、美味しい紅さやかを選ぼう。
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  • 公開日:

    2019年7月 2日

  • 更新日:

    2021年5月25日

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