1. なめらかゴーヤの特徴

なめらかゴーヤは「イボなしゴーヤ」という別名があるように、一般的なゴーヤと違ってイボがなく果皮がなめらかというのが大きな特徴だ。ほかには、果皮の緑色がやや薄めであることや苦みが少なめという特徴もある。イボはないが、縦につながった溝があり、先端が尖っているためゴーヤといわれればそう見えなくはない。大きさや形は一般的なゴーヤと同じような印象だ。
なめらかゴーヤは苦みが少なくややあっさりとした味わいのため、生食にも適しているが、流通量が少ない貴重な品種である。
なめらかゴーヤは苦みが少なくややあっさりとした味わいのため、生食にも適しているが、流通量が少ない貴重な品種である。
2. なめらかゴーヤの歴史は意外と古い?

ゴーヤは中国や東南アジアでもよく食べられており、日本で広まったのも16世紀に中国から琉球王国(沖縄)に伝わったのがはじまりといわれる。ゴーヤには、よく出回っているイボイボで濃緑色のものだけでなく、白ゴーヤやミニゴーヤなどさまざまなタイプがある。なめらかゴーヤもその中の一つであり、珍しいからといっても最近出てきた新品種というわけではない。なめらかゴーヤはタイなどでは古くから馴染みのあるタイプのゴーヤのため、タイゴーヤとも呼ばれる。
日本で販売される代表的ななめらかゴーヤは、キン肉ゴーヤマンが有名だ。このネーミングの由来に関する詳細は不明だが、野菜の品種名や商品名には変わったものがいろいろとある。子どもと一緒に探してみても面白そうだ。
日本で販売される代表的ななめらかゴーヤは、キン肉ゴーヤマンが有名だ。このネーミングの由来に関する詳細は不明だが、野菜の品種名や商品名には変わったものがいろいろとある。子どもと一緒に探してみても面白そうだ。
3. なめらかゴーヤの美味しい食べ方

なめらかゴーヤの旬はほかのゴーヤと同じく7~9月だ。美味しいものを見分けるポイントも、ほかと同様で表面の張りやツヤをチェックすればいい。ただ、入手に関しては簡単にはいかなそうだ。
■入手は困難!?
なめらかゴーヤはゴーヤの中でも希少なタイプで、スーパーなどで見かけることはめったになく、ネットショップでの流通もごくわずかな状況だ。本州在住の人は、沖縄のアンテナショップなどで見かけられたらラッキーだ。一方、なめらかゴーヤの種はネットでも出回っており、比較的簡単に入手できる。産地に行く機会がない場合は、家庭菜園で種や苗から育ててみるのも一つの手だろう。
■ゴーヤというよりはウリ
なめらかゴーヤは苦みが少なく、あっさりとしたくせのない味わいが特徴的だ。そのため、生の状態でスライスし、サラダとして食べることができる。また湯通ししたものを和え物に使ったり、炒め物にしたりするのもおすすめだ。苦みが少ないぶん子どもでも食べやすいが、苦みが味の決め手となる料理にはパンチが足りない。ゴーヤというよりは、ウリに近い食材と思って使うといいだろう。生や湯通しの状態なら、シャキシャキとしたほどよい食感を楽しめる。また、淡白な味わいを生かしてスープの具材にするのも美味しい。
結論
なめらかゴーヤはイボがなく苦みも少なく、ゴーヤらしからぬゴーヤだ。しかしゴーヤといえばイボと苦みというイメージを持っているのは、案外日本人だけなのかもしれない。タイではなめらかゴーヤは一般的だし、台湾では白ゴーヤがよく出回る。ゴーヤにもさまざまな種類があることを踏まえ、それぞれの特徴をおさえて使いこなせたら、もっと料理の幅が広がるのではないだろうか。