1. 茨城のメロン「イバラキング」の特徴と由来
イバラキングは細かい網目が特徴のネット系青肉メロンの仲間だ。果皮の色や模様にほかのネット系メロンと大きな違いは見られないが、果実の大きさが特徴的である。甘みは強いがさっぱりとしていて、肉質はなめらかで果汁も多く食べやすい。
イバラキングはとにかく大きい!肥大性が最大の特徴
イバラキングはほかのネット系メロンと比べて1割以上大きい。そもそも、茨城県でのメロン栽培はビニールハウス内での無加温栽培が主流である。無加温のため寒さや悪天候の影響を受けやすく、小玉になってしまうなど品質低下が課題となっていた。そのような背景のもと、果実肥大性に優れ品質が安定した品種の開発が進められたのだ。
イバラキングは茨城の誇るメロンの王様
2010年に商標登録されたイバラキング。そのネーミングの由来は、「メロンの王様として茨城の顔になってほしい」という茨城県の願いにある。全国一のメロン生産量を誇る茨城県が生み出した自信作なのだ。
大きさだけでなく、もちろん味も一級品である。イバラキングは、上品な香りとなめらかな口あたりが特徴で、果肉はきめ細かくジューシーだ。ほかの主力品種と同等に糖度も高いが、甘みも上品である。
大きさだけでなく、もちろん味も一級品である。イバラキングは、上品な香りとなめらかな口あたりが特徴で、果肉はきめ細かくジューシーだ。ほかの主力品種と同等に糖度も高いが、甘みも上品である。
20年にわたる歳月をかけイバラキングは誕生
イバラキングを生み出すまでには、なんと4万個体から選ばれた母親メロンと400通り以上の父親との交配を経たという。そのなかから最も肥大性がよく、食味やネット育成にも優れた掛け合わせ「ネット系メロン培養系統」×「アールス型メロン系統」が選抜され、園芸検定所での試験、現地試験を経てイバラキングが誕生した。トータルで約20年にわたる歳月をかけての研究、育種・育成を重ねられた末に生み出された賜物なのである。
2. イバラキングの旬や産地
イバラキングは主に鉾田市・茨城町を中心とした地域で栽培されている。4月下旬~6月にかけて出回る早生種だ。一般的なメロンの旬は6月頃だが、イバラキングが最も出回る時期は、4月末~5月末頃である。6月中旬まで出荷は続くが、旬のピークに比べると量が減るため、5月までには取り扱い情報をチェックしておくとよいだろう。
3. イバラキングの値段や購入場所
イバラキングの値段は1玉あたり1kg強で1,500円前後と決して高くないが、生産者が多くないため希少なメロンでもある。旬の時期になれば、茨城県内の直売所やスーパーマーケットに並ぶ。茨城県オリジナルメロンのため、直接店舗で購入するには茨城県まで足を運ぶ必要がある。遠方の場合は通信販売での購入も可能だ。都内のアンテナショップにおいて取り扱われることもある。
4. イバラキングをお取り寄せ!口コミでも人気の産直通販
イバラキングは通販で取り扱われており、旬のピークである5~6月に発送してくれる。口コミでも高評価を集めている代表的な商品を紹介しよう。
通販で人気のイバラキング1:いいものいっぱい広場(JAタウン)「イバラキング 3L×4玉入」
JAタウン(全国農業協同組合連合会茨城県本部)のネットショップで取り扱われるイバラキングは、3Lサイズのものが4玉入り贈り物にも最適な商品だ。値段は送料・税込み6,480円、1玉あたり1,620円とリーズナブルなのも魅力である。(2021年7月時点)予約は4月1日より受け付けられており、早めのチェックをおすすめしたい。
通販で人気のイバラキング2:果物百貨店浜中屋楽天市場店「イバラキングメロン」
楽天市場やAmazonなど大手ECショップでも、イバラキングを購入できる。実店舗販売創業約60年、通販約15年の果物百貨店浜中屋は、農家ではなくバイヤーとしての目利きにより確かな品質の商品を届けてくれる店舗だ。2玉入りで税込み3,850円+送料となっている。(2021年7月時点)甘みが強くさわやかで美味しいと口コミでも評価されている。のしやカードは無料で対応してくれるため、ギフトにも最適である。5月下旬より発送されていたが、こちらも早めにチェックしよう。
イバラキングはふるさと納税でも入手できる
生まれ故郷や応援したい自治体に寄付を行える「ふるさと納税」を利用し、イバラキングを入手することもできる。茨城県内の自治体に寄付金を収めると、返礼品としてイバラキングを受け取ることができるのだ。発送時期は、通販と同様5~6月に限られている。たとえば、2021年は次のような返礼品が受け取れた。
- 茨城町 水戸産イバラキング秀品大玉(3~5Lサイズ)2玉 (寄付金額10,000円以上)
- 鉾田市 鉾田産イバラキング秀品3~4玉 (寄付金額16,000円以上)
寄付金額や返礼品の内容は毎年変更の可能性があり、入金にも期限がある。茨城県の自治体に寄付してイバラキングを受け取りたい場合は、4~5月頃までには情報をチェックしておこう。
5. イバラキングの美味しく食べる3つのポイント
イバラキングは大きく甘く食感もよいメロンとして作り出されているため、加工せずそのまま食べるのがおすすめだ。見分けるポイントと美味しい食べ方をおさえておこう。
ポイント1:イバラキングの選び方
ネット系メロンは、網目が均一に美しく表れているものが育成も順調な証といわれている。イバラキングも網目のキレイなものを選ぶといい。また、ずっしりと果実に重みがあるメロンには、種が少なく実が詰まっている。
ポイント2:イバラキングの食べごろの見分け方
イバラキングは日持ちするメロンのため、購入したら常温で保管しよう。食べごろは、収穫してから1週間~10日ほどだ。そのため購入後数日間追熟し、メロン特有の香りと果実の下部に弾力が出てきたら美味しく食べられる。メロンは冷やしすぎると甘みが感じにくくなるため、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れ、冷やしすぎには気を付けよう。
ポイント3:イバラキングはそのまま食べるのが一番
大玉が特徴のイバラキングは、カットして種を取り除いたら家族と分け合って食べよう。ジュースやシャーベットにしても美味しいが、大きなメロンをそのまま食べる贅沢を楽しんではいかがだろう。皮も薄めで食べごたえを感じられるはずだ。
6. 鉾田でイバラキングをGet!直売所やメロン狩り情報
イバラキングの主な産地である茨城県鉾田市を訪れた際には、直売所で購入するのがおすすめだ。また、鉾田市内にはメロン狩りができる施設も複数ある。
根﨑さんのイバラキングが購入できる「JAほこた ファーマーズマーケット なだろう」
鉾田市産の地場野菜や果物が揃う大型直売所である。イバラキング生産者の一人で、JAほこたメロン部会メロン部研究部部長の根﨑直喜さんが育てたイバラキングも出荷されている。2021年は4月上旬にイバラキングの出荷情報が出ていた。出荷時期は変動する可能性があるため、購入を希望する場合はJAほこたのホームページをチェックしよう。
イバラキングのメロン狩り
鉾田市内のメロン狩りができる代表的な施設は、次の3ヶ所である。
- フォレストパーク メロンの森
- 深作農園
- みなみ果樹園芸
料金やメロン狩りの内容(食べ放題、持ち帰りなど)は施設により異なる。また、さまざまな品種のメロンが取り扱われているため、イバラキングの有無もその年により異なる。2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で、メロン狩りの営業を休止している施設もあった。営業や内容の情報に関しては、事前確認が必要だ。
結論
一般的なメロンよりも大きいイバラキングは、お土産としても重宝するメロンといえるだろう。旬の時期に茨城へ出かけた際には、長い歳月をかけて作られた自信作をぜひ堪能しよう。また、現地を訪れることが難しい場合でも、通販でのお取り寄せが可能だ。イバラキングの美味しさを、気軽に体験してみてほしい。