1. ハバネロとは
ハバネロは、2~5cmほどの小さなトマトのようなコロンとした丸形だが、くしゃっと丸めたピーマンのようなこぶと深い皺がある。かわいらしい姿をしているにも関わらず、危険なほどの辛さを秘めているのには驚きである。
ハバネロはトウガラシ属シネンセ種に分類され、同じ種類にはペルーの「アヒリモ」、アメリカフロリダ州の「ダディル」、サウスカロライナ州の「キャロライナ・リーパー」などがある。キャロライナ・リーパーは、過去にギネス記録に認定された経歴をもつ。どれもびっくりするほど辛い。
ハバネロはトウガラシ属シネンセ種に分類され、同じ種類にはペルーの「アヒリモ」、アメリカフロリダ州の「ダディル」、サウスカロライナ州の「キャロライナ・リーパー」などがある。キャロライナ・リーパーは、過去にギネス記録に認定された経歴をもつ。どれもびっくりするほど辛い。
名前の由来と産地
ハバネロ(Habanero)の名前がキューバの首都であるハバナ(Habana)からきているのは有名だが、現在のキューバではほとんどハバネロは栽培生産されておらず、メキシコのユカタン半島が主産地である。そのほかブラジルやコスタリカ、アメリカなどでも栽培されている。
ちなみにハバネロは日本でも栽培生産されているが、まだまだごく一部である。ハバネロは夜も平均20℃以上の気候でなければ発芽し難いことから、日本ではハウス以外では難しい。
ちなみにハバネロは日本でも栽培生産されているが、まだまだごく一部である。ハバネロは夜も平均20℃以上の気候でなければ発芽し難いことから、日本ではハウス以外では難しい。
日本でのハバネロ
日本では、フレッシュなハバネロよりも、ハバネロソースや瓶詰めなど加工品のほうが馴染みがあるだろう。だが家庭のキッチンにハバネロソースを常備しているケースは少なく、どちらかというと、外食で食べるものというイメージではないだろうか。
なによりハバネロは、スナック菓子などに使われているイメージが強い。普段のおやつに食べるより、ビールなどの酒のつまみや、ちょっとしたゲームに使われることもあるほどに辛い。
なによりハバネロは、スナック菓子などに使われているイメージが強い。普段のおやつに食べるより、ビールなどの酒のつまみや、ちょっとしたゲームに使われることもあるほどに辛い。
2. 辛いだけど癖になるハバネロ
ハバネロは素手で触らないことが推奨されている。ハバネロに多く含まれている辛み成分であるカプサイシンが、口以外からも吸収され、身体を刺激するからだ。もし素手で触れた場合はよく手を洗い、洗ったあともしばらくは皮膚の薄いところや粘膜には触れないようにしよう。カプサイシンの刺激で、粘膜が刺激され燃えるような灼熱感を感じたり、くしゃみや鼻水が一時的に止まらなくなったりすることがある。
また、カプサイシンは摂取しすぎると、内臓の粘膜も刺激してしまう。粘膜が焼け付くような痛みを口の中では辛みと感じ、その痛みは気管支、消化器全体にも及ぶ。辛い物を口にしたときにむせて咳き込んだりするのは、急激な刺激によって気管支が収縮するためだ。
少量のカプサイシンは胃粘膜を保護する作用が働きがあるといわれるが、それが大量になると感覚神経がおかしくなり、胃粘膜の保護作用がなくなるとされている。過ぎたるは猶及ばざるが如し、だ。
肛門の粘膜もカプサイシンに反応し、刺激されると焼け付くような痛みを感じる。「辛い物を食べると次の日大変」といわれるのはこのためだ。
また、カプサイシンは摂取しすぎると、内臓の粘膜も刺激してしまう。粘膜が焼け付くような痛みを口の中では辛みと感じ、その痛みは気管支、消化器全体にも及ぶ。辛い物を口にしたときにむせて咳き込んだりするのは、急激な刺激によって気管支が収縮するためだ。
少量のカプサイシンは胃粘膜を保護する作用が働きがあるといわれるが、それが大量になると感覚神経がおかしくなり、胃粘膜の保護作用がなくなるとされている。過ぎたるは猶及ばざるが如し、だ。
肛門の粘膜もカプサイシンに反応し、刺激されると焼け付くような痛みを感じる。「辛い物を食べると次の日大変」といわれるのはこのためだ。
それでも食べたくなるのは何故?
ひとつは、カプサイシンが脳を刺激し、脳内麻薬であるβエンドルフィンとドーパミンを放出させるためではないかといわれる。このβエンドルフィンは沈痛作用と、強い快感をもたらす。そしてドーパミンは快感を増幅させる。痛みとは逆の強い刺激を引き起こして、苦しみを耐えられるようにする人体の働きである。この快感がやみつきになり、辛味好きの人は、より強い辛さを求めていくのであろう。
旨みを感じるから
唐辛子はその辛さに目が行きがちであるが、メキシコでは唐辛子の旨みを利用したさまざまな料理がある。日本の昆布やしいたけのように、乾燥させた唐辛子の旨みはメキシコ料理において欠かすことのできない食材なのである。
ハバネロも辛みが注目されるが、無意識にその旨みを感じているのかもしれない。また、柑橘類に似たフルーティーな香りも魅力のひとつである。
ハバネロも辛みが注目されるが、無意識にその旨みを感じているのかもしれない。また、柑橘類に似たフルーティーな香りも魅力のひとつである。
3. 辛みの単位
辛みの単位は「スコヴィル」で表される。アメリカの薬学者・スコヴィル氏が考案した単位だ。スコヴィル値が高いほど辛いことを示す。これは唐辛子の値を量る基準なので、たとえば胡椒やわさびなどは表すことはできない。
測定の方法
辛み成分を抽出し、砂糖水を加えて薄めていき、複数の被験者が辛みを感じなくなったところの、砂糖水の希釈倍率が値である。たとえば10万スコヴィルということは、ハバネロを10万倍に薄める、つまりハバネロ抽出液1gに対し100㎏の水が必要であるということになる。
ハバネロの平均は10~30万スコヴィル。ギネスに登録されたものは、ハバネロのレッドサヴィナという品種であり、その時の記録は57万7000スコヴィルといわれている。
ちなみに日本でよくみる唐辛子、鷹の爪は4~5万スコヴィルだ。10倍以上の辛さといわれても、想像もできないだろう。
ハバネロの平均は10~30万スコヴィル。ギネスに登録されたものは、ハバネロのレッドサヴィナという品種であり、その時の記録は57万7000スコヴィルといわれている。
ちなみに日本でよくみる唐辛子、鷹の爪は4~5万スコヴィルだ。10倍以上の辛さといわれても、想像もできないだろう。
そのほかの辛みの基準
ほかに、分析機器でカプサイシンなどの濃度を測った、ジレッド法というものがある。総カプサイシン濃度はジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、そしてカプサイシンの、濃度合計である。
結論
辛みは味ではなく、刺激であるという。15世紀にコロンブスがヨーロッパに広めてから、辛みは常に人間の嗜好品の中にあった。輸入のハバネロは、加工品の状態が多く、日本ではなかなかフレッシュなハバネロを手に入れる機会は少ない。規模が拡大していけば、もっと気軽にハバネロを楽しむことができるだろう。ぜひ応援したいものだ。いまでは日本で初めてハバネロを流通させた京都の会社が、「京都産ハバネロ」を地域の特産にしようと奮闘している。