1. ビールは冷凍庫で冷やしてよいのか

冷えたビールをすぐ飲みたいのに冷えていないとき、皆さんはどのような方法で素早く冷やしているだろうか。とりあえず冷凍庫に入れておき、あとで飲もうと思ったものの忘れてしまい、気づいて取り出すとカチコチに凍ってしまった......という経験をした人もいるのでは?
ビールを冷凍庫で冷やす人もいるようだが、それが正しいのかをビールを取り扱うメーカーの公式サイトで調べてみた。すると、早く冷やそうと冷凍庫に入れるのはおすすめしません!と断じている。理由は、ビールのように炭酸ガスを含む液体を凍結すると炭酸ガスを含んだ状態で凍ってしまうからだ。炭酸ガスを含んだまま凍ると体積が増し、缶が膨らんだり破裂したりする可能性があるらしい。
また、完全に凍っていない状態で栓を開けるとビールが噴出したり、衝撃で容器が破裂したりする可能性があるので注意が必要だという。さらに、ビールが凍ると成分が変化し風味まで変わるため、飲むことはおすすめしないそうだ。もし凍結した場合は、栓を開けずに解凍し、飲むことはやめておくべきだろう。
2. 冷蔵庫に入れておいてもビールが凍る!?

先述したビールを取り扱うメーカーの公式サイトを見ていると、ビールを冷蔵庫で保管していたのに凍ってしまったという愛飲者の声があった。冷蔵庫のどの場所に保管していたかはわからないが、庫内のチルド室や吹き出し口付近は冷気が直接当たりやすく、ビールが凍結する可能性があるようだ。
先述したように凍ってしまうとビールの成分が変化し、沈殿やにごりが生じてしまい、解凍しても元の状態に戻らないという。しかも成分が析出すると本来の香味バランスが崩れてしまい、味が酸っぱく感じたり、気が抜けたように水っぽくなったりする。冷蔵庫で凍結してしまった場合も、美味しく味わうことはできないようだ。
ちなみに沈殿やにごりは、ホップや麦芽に含まれるポリフェノール・多糖類・タンパク質が析出したものである。もし飲んだとしても身体に影響はないといえるだろう。ちなみに、凍結したビールを解凍するとき、急に温めたり衝撃を与えたりすると、温度上昇に伴い炭酸ガスが膨張し体積が増す可能性がある。缶を破裂させないためにタオルなどにくるみ、万が一破裂しても危険がない場所で完全に解けるまで放置しておくべきだろう。
3. ビールを正しく保管する方法

最後に、ビールの正しい保管方法を解説しよう。先に述べたようにビールは一時的でも冷凍庫に入れるのはNG。ビールは日光に弱く直に当たると日光臭がつくこともあり、味まで変わる可能性もあるという。ビンの場合は強い陽射しにさらされると中の温度があがり、内圧が上昇し容器が割れてしまうことがある。また、温まった状態のまま冷蔵庫で急激に冷やしてもビンが割れる可能性がある。
アルミ缶の場合は、塩や醤油のそばで保管すると、金属が腐食して穴が開く可能性がある。ビンの場合は、漬物や灯油の近くで保管すると、においが移ることもあるため遠ざけておくべきだろう。ビールを正しく保管するには、日光や高温・低温、調味料類の近くは避けることだ。
結論
紹介したようにビールを冷凍庫で保管するのはNGだ。ちなみにビンは茶褐色や濃緑色のものが多いが、これは日光に弱いビールを守るため遮るような色にしているという。美味しく味わうためにも、冷やす場合は、冷蔵庫の吹き出し口付近やチルド室を避けた庫内に保管するようにしてもらいたい。