1. 信州みその産地と歴史

信州みそは長野県で造り始められた味噌だが、現在は長野県以外の地域でも造られるようになった珍しい味噌だ。地域名がつく味噌の多くはその地域でのみ造られることが多いため、「郷土味噌」と呼ばれ地元に愛される味噌となっている。
全国の米味噌の約4割は信州みそ
日本各地で個性豊かな郷土味噌が造られているためほかの地域で味噌が販売されることは少ないのだが、信州みそは広い地域で造られているため、全国で造られる米味噌のおよそ40%を占めている。
戦後に信州みその製造は長野以外にも伝わった
信州みそは古くから親しまれていた味噌だが、その起源は定かではない。しかし戦国時代には武田信玄が兵糧として信州みそを奨励したという記録が残っており、これがきっかけで信州みそが一気に有名になったとされる。しかし当時はまだ生産地は信州に限られており、全国には展開していなかった。
信州みそが長野県以外でも造られるようになったのは戦後のことである。戦時中の空襲によって東京を中心とした多くの地域が被害を受け、戦後はさまざまな物資が不足していた。味噌もその一つで、味噌工場が被害を受けて手に入らない状況であった。
そのとき東京へと運び込まれたのが信州みそだった。長野県は空襲を免れていたため、戦前と変わらぬ味噌造りができる希少な地域だったのだ。戦後の不況時に大量の信州みそが関東に運び込まれていたため、長野県のみで親しまれていた信州みそが東京を中心とした関東地域でも親しまれるようになったと言われている。
信州みそが長野県以外でも造られるようになったのは戦後のことである。戦時中の空襲によって東京を中心とした多くの地域が被害を受け、戦後はさまざまな物資が不足していた。味噌もその一つで、味噌工場が被害を受けて手に入らない状況であった。
そのとき東京へと運び込まれたのが信州みそだった。長野県は空襲を免れていたため、戦前と変わらぬ味噌造りができる希少な地域だったのだ。戦後の不況時に大量の信州みそが関東に運び込まれていたため、長野県のみで親しまれていた信州みそが東京を中心とした関東地域でも親しまれるようになったと言われている。
2. 信州みその特徴

信州みそ最大の特徴はその色である。北海道や東北、北関東など長野県に近い地域で造られている味噌は赤褐色であるのに対し、信州みそは山吹色のような黄みがかった色をしている。その見ためから白味噌と混同してしまいそうになるが、白味噌とはまったく異なる。その理由は糀の使用量(割合)と塩分量にある。
信州みそと白みそは全くの別物
信州みそも白味噌もどちらも大豆と米糀を原料にして造られているため米味噌に分類される。しかし、白味噌に対して信州みそで使用する米糀の量は少ない。使用する米糀の量が多いほど、味噌に甘みが加わるため白味噌は甘口味噌となる。一方、信州みそは米糀の量が少ないため淡色の辛口味噌に分類される。同じく辛口味噌に分類されるものとして青森県で造られている津軽みそなどがある。
信州みそは辛口味噌なのになぜ色が淡いのか
ではなぜ、同じ辛口味噌であるのにほかの地域の味噌と色が異なるのかというと、熟成期間が異なるからだ。
味噌は長期間熟成させると赤くなるという特徴を持つ。赤色辛口味噌の代表格である津軽みそは3年も熟成させている。一方、信州みその場合は熟成期間が短いうえに製造過程でもなるべく着色しないように工夫されている。そのため、淡い色を美しく保つことができているのだ。また味わいもさっぱりしており、味噌の旨みのなかにほのかな酸味を感じることができる。クセがあまりないため非常に食べやすく、そのことが広い地域で愛される要因になったといえる。
味噌は長期間熟成させると赤くなるという特徴を持つ。赤色辛口味噌の代表格である津軽みそは3年も熟成させている。一方、信州みその場合は熟成期間が短いうえに製造過程でもなるべく着色しないように工夫されている。そのため、淡い色を美しく保つことができているのだ。また味わいもさっぱりしており、味噌の旨みのなかにほのかな酸味を感じることができる。クセがあまりないため非常に食べやすく、そのことが広い地域で愛される要因になったといえる。
3. 信州みそのおすすめの食べ方

味噌を使った料理は非常に多いのだが、信州みそはクセがなく多くの料理に合わせることができる。信州みそは色が異なるものの赤味噌の風味に近いため、赤味噌の代わりに使ってもよい。また、洋食などに隠し味として信州みそを使うのもおすすめだ。淡い色であるため料理の色を変えずに味噌の旨みを付加できる。最近ではチーズとの相性のよさも注目されており、和食材以外との組み合わせもできる万能調味料となりつつある。
いろいろな食材と組み合わせて楽しめる味噌だが、やはり米との相性はバツグンだ。一汁一菜の誕生から長い間、ごはんと味噌汁という組み合わせで食べられてきていた米と味噌だが、もう1つ定番の食べ方がある。
それが味噌をおにぎりに直接塗る「味噌おにぎり」だ。焼いた味噌の香ばしい香りと米の甘い香りが食欲をそそる。みりんでのばした味噌をおにぎりに塗って焼くだけなので、味噌の塩味と旨み、米の甘みをそのまま堪能できる。また、味噌に大葉を加えたり、柚子を加えたりするだけで香りも味わいも変化するため、飽きずに楽しむことができるのだ。信州みそは色が淡いため、加えた食材の色が映えやすく、見ための変化も楽しむことができる。
いろいろな食材と組み合わせて楽しめる味噌だが、やはり米との相性はバツグンだ。一汁一菜の誕生から長い間、ごはんと味噌汁という組み合わせで食べられてきていた米と味噌だが、もう1つ定番の食べ方がある。
それが味噌をおにぎりに直接塗る「味噌おにぎり」だ。焼いた味噌の香ばしい香りと米の甘い香りが食欲をそそる。みりんでのばした味噌をおにぎりに塗って焼くだけなので、味噌の塩味と旨み、米の甘みをそのまま堪能できる。また、味噌に大葉を加えたり、柚子を加えたりするだけで香りも味わいも変化するため、飽きずに楽しむことができるのだ。信州みそは色が淡いため、加えた食材の色が映えやすく、見ための変化も楽しむことができる。
結論
日本で造られる味噌の多くが米味噌である。信州みそはそのうち40%を占めていることから、多くの人に親しまれている味噌であることがよく分かる。赤褐色の津軽みそや仙台みそと同じく辛口味噌に分類されるのだが、淡く美しい山吹色が印象的だ。ほのかに酸味を感じさせる味わいはクセがなく、多くの人の口に合うようになっている。