1. ヨーグルトに含まれる乳酸菌とビフィズス菌の違いは?

乳酸菌とビフィズス菌はどちらも腸内に存在する善玉菌である。人の腸内では、ビフィズス菌は乳酸菌の数百倍もの数が住んでいる。乳酸菌との比は0.1:99.9ともされており、腸内ではいかにビフィズス菌が多いかがわかるだろう。
乳酸菌とビフィズス菌の違い
大きな違いは、食品中に生息できるかどうかという点である。乳酸菌は人の腸管だけではなく乳製品や漬物などの発酵食品に生息できるのに対し、ビフィズス菌は一般的には食品中には生息できない。ビフィズス菌は酸素があると発育できないためだ。しかし、ビフィズス菌を添加したヨーグルトもある。ビフィズス菌は酢酸を産生することによって、さまざまな効果が得られると考えられているのだ。 ビフィズス菌入りのヨーグルトは整腸作用が高いとの報告もあり、健康管理のためにとりいれる人も多い。 また、菌の形にも違いがあり、顕微鏡で観察すれば見分けはつく。乳酸菌は竿状や球体となっているが、これに対しビフィズス菌はV字、Y字、湾曲などさまざまな形状となっている。
2. ビフィズス菌にはどのような効果があるの?

ビフィズス菌の代表的な効果は整腸作用であるが、そのほかにも病原菌の感染、腐敗物生成に関わる菌の増殖を抑える効果もあると考えられている。
腸内のビフィズス菌の数は成長につれ減る
腸内のビフィズス菌は年代によって変化し、乳児がもっとも多い。成人になるとビフィズス菌の数は減ってしまう。オリゴ糖などの「プレバイオティクス」と呼ばれる善玉菌のエサをとることで、ビフィズス菌が増えやすくなるとされている。
ビフィズス菌は酸に弱く生きたまま腸に届けるのが難しい
ビフィズス菌は酸に弱いため、生きた状態で腸まで届けることが難しい。しかし、菌の形を変化させ、腸内に届けやすくしたビフィズス菌も存在する。ビフィズス菌BB536やビフィズス菌SP株はその代表格である。
3. ヨーグルトでビフィズス菌を増やす方法とは?

ビフィズス菌入りのヨーグルトを摂取したとしても、腸内にあるビフィズス菌のほうが圧倒的に多いため、わずかな補給としてしか役立たない。腸内のビフィズス菌を増やすためには、腸内でビフィズス菌を増やすか、ビフィズス菌を摂取するしか方法はないのだ。それでは、腸内のビフィズス菌を効率よく増殖させる方法を見ていこう。
腸内でビフィズス菌が増えるヨーグルトを摂取する
ビフィズス菌が含まれていればよいというわけではなく、ビフィズス菌を増やす効果がなければ意味がない。グリコの商品に「ビフィズス菌BifiX」という独自のビフィズス菌が配合されたヨーグルトがある。このビフィズス菌BifiXは胃酸などへの耐性が強く、生きたまま腸へ届くことに加え、腸のなかでビフィズス菌が増殖するといううれしい性質をもっている。
ストレス解消を心がける
腸の中にはビフィズス菌のような善玉菌と悪玉菌が存在する。ストレスの多い生活をしていると悪玉菌が増えて腸内環境が悪化してしまう。スポーツや趣味など、ストレス解消ができる環境を整えることも重要だ。
運動習慣を作る
腹筋が弱まってしまうと腸の蠕動運動が弱まり、便秘がちになってしまう。慢性的な便秘はビフィズス菌の減少につながることがわかっている。腹筋を維持するためにも定期的な運動習慣を作るように心がけよう。
食生活に気をつける
野菜やきのこ、海藻類には便秘の改善に役立つ食物繊維が多く含まれているが、単品料理や外食が続くと野菜不足になりやすい。ビフィズス菌などの善玉菌を増やすためには、積極的に食物繊維を摂取するように心がけよう。また、オリゴ糖もビフィズス菌を増やすためには有効と考えられている。
結論
善玉菌のビフィズス菌は人の腸内に存在しており、普通は食品中に存在しない。しかし、市販のヨーグルトにはビフィズス菌を添加したものがあり、さらには腸内のビフィズス菌を増やす効果のあるヨーグルトも存在する。ビフィズス菌を増やすためにはヨーグルトを摂取するだけではなく、運動習慣や食生活などさまざまな面に気をつける必要があるだろう。