1. コンビニコラボの様々な形態と歴史

コンビニと有名企業・飲食店とのコラボ商品というのは2000年代初頭から始まっている。学生との共同開発は2006年頃からで、最初は自治体や地元の学生とのコラボが行われていたらしい。
全国に広がったコラボ
最初は地域限定の企画だったが、これがコンビニ側にも学生側にもメリットが大きかった。コンビニ側からすれば地元の食材と地域の声を取り入れ、集客や口コミを集められる。学生側にも、働くことを学んだりや商品開発を体験できるというメリットがある。企業側と学校側の思いが合致し、2008年には全国に広がった。
コンペ形式から提案型まで
例えば企業側が地元の特産品を指定して商品アイディアを募ったり、各都道府県が優れた企画に対して助成金を出したりすることもある。地域の活性化や公共サービスの向上を目的として都道府県側がコンビニに申し入れたり、毎年恒例のコラボ商品を楽しみにしている人も多いようだ。
2. コンビニと学生との共同開発の意義

有名飲食店との大規模なコラボとは違い、学生は資金力やネームバリューが乏しい。その中でコンビニと共同開発を行う意義は何なのだろうか。
メーカーや企業にはないアイデア
学生という若い世代はコンビニでの買い物が多く、流行の発信源になる。コンビニ側は若者世代のデータを間近で集められるし、直接意見を聞くことが可能だ。正に「学生力」である。学生側にも影響は大きく、集団でひとつの仕事を行ったりプレゼンしたりと非常に貴重な体験ができる。
地産地消の促進
コンビニの母体は大企業のため、万人受けする商品を作る義務がある。しかし地元の学生とのコラボ商品は地域の特性を活かした特殊な物が多い。地域の活性化や嗜好性をテーマに戦略的な展開を取ることが出来るし、SNS等で紹介され、地域限定品にプレミアがついて全国展開されたこともあるのだ。
3. 具体的なコンビニコラボ例

有名な大手コンビニチェーンの取り組みをご紹介しよう。あなたの身近な学校も共同開発しているかもしれない。
セブンイレブンの取り組み
商業学科・家庭学科の高校生と「お父さんに食べてほしいお弁当」を開発したり、医療福祉大学とコラボをしたりと、消費者の健康志向に沿った商品開発に力を入れている。
ファミリーマートの取り組み
ファミリーマートでは、なんと商品開発部門が学校で講義を行い、学生に発売までを一貫して体験させる「ファミマものづくりアカデミー」という取り組みを行っている。
ローソンの取り組み
ローソンでは「学生の社会参加意義の向上と、学習成果を披露する場を設ける」ことを目的とし、地域限定品等地元学生との共同開発に積極的だ。
地元企業から全国展開へ
コンビニ主体ではなく学校側が地元企業へ直接働きかけ、地元企業がその熱に動かされて商品を共同開発することもある。地元の小売店を飛び出し、地元スーパー、アンテナショップ、百貨店、海外市場...とどんどん広がってコンビニに逆輸入されるパターンもあるようだ。
結論
コンビニと学生の共同開発は、時代の流れから言っても必然だったのかもしれない。学生の怖いもの知らずのパワーと柔軟性は商品の魅力そのものになっている。また、2013年度より商業高校の新学習指導要領に「商品開発」の科目が新設された。これまでは商業科や家政科がコラボすることが多かったが、これからは普通科が参加したり、販売の現場に実際に立つ課外学習も増えそうである。