1. そうめん・ひやむぎの種類

小麦は古代より世界各国で粉に挽き様々な形で食されてきた。米を主食としてきた日本でも、うどんやひっつみ、すいとんなど、家庭で小麦粉を練り料理してきた伝統がある。その中でも、工芸品のように手で延ばす手延べそうめん・ひやむぎ類は、ツルツルした喉越しのよい食感で、食べる者を魅了し続けている。
そうめんとひやむぎ、いずれも小麦粉を塩水で練って細い麺の状態に製麺し乾燥させたもの。現在では機械で作る製品も多いが、手作業による伝統的な製法で作られる、手延べそうめんやひやむぎも全国各地に残っている。
JAS(日本農林規格)の基準によると、丸棒状の手延べそうめん類は、その線径によって分類され、直径1.3mm未満のものがそうめん。直径1.3mm以上1.7mm未満のものがひやむぎ、直径1.7mm以上のものがうどんに分類される。伝統的な製法の麺には若干例外もあるようだが、うどんより細いものがひやむぎ、それよりもさらに細いものがそうめんだと、覚えておきたい。
そうめんとひやむぎ、いずれも小麦粉を塩水で練って細い麺の状態に製麺し乾燥させたもの。現在では機械で作る製品も多いが、手作業による伝統的な製法で作られる、手延べそうめんやひやむぎも全国各地に残っている。
JAS(日本農林規格)の基準によると、丸棒状の手延べそうめん類は、その線径によって分類され、直径1.3mm未満のものがそうめん。直径1.3mm以上1.7mm未満のものがひやむぎ、直径1.7mm以上のものがうどんに分類される。伝統的な製法の麺には若干例外もあるようだが、うどんより細いものがひやむぎ、それよりもさらに細いものがそうめんだと、覚えておきたい。
2. そうめん・ひやむぎの歴史と特産地

奈良時代に中国から原型が伝わったというそうめん。その発祥の地といわれる奈良県の三輪神社には、1200年前に溯る小麦栽培とそうめん作り発祥の歴史が残されているという。
奈良時代から平安時代にかけてのそうめんは、「索餅(さくべい)」と呼ばれ、小麦粉をこねた縄状のものを二つ折りにしてよじったもので、宮中などで保存食にされていたと考えられている。現在のそうめんの形が出来上がったのは、鎌倉時代。当時、禅宗とともに中国から挽き臼が入り製粉技術が進化したことと、油を使って麺を引き伸ばす製法を取り入れたことによるという。
室町時代になると、精進物という中国語の意味合いをもつ「素麺」から「そうめん」と呼ばれるようになった。一方、宮中では「おぞろ」と呼ばれ、七夕の行事に饗せられた歴史もある。さらに江戸時代に入ってから糸状の三輪そうめんが各地に広まり、その技法も全国に伝わったそうだ。
現在、生産高トップを誇っているのが、兵庫県の播州エリア。室町時代発祥という歴史をもち、明治時代になると組合を作り厳重に品質を管理。「揖保の糸」という名で全国的に普及し、知名度も高い。
以下、主なそうめん・ひやむぎの特産地と特徴を紹介しよう。直接取り寄せて食べ比べてみても面白い。
奈良時代から平安時代にかけてのそうめんは、「索餅(さくべい)」と呼ばれ、小麦粉をこねた縄状のものを二つ折りにしてよじったもので、宮中などで保存食にされていたと考えられている。現在のそうめんの形が出来上がったのは、鎌倉時代。当時、禅宗とともに中国から挽き臼が入り製粉技術が進化したことと、油を使って麺を引き伸ばす製法を取り入れたことによるという。
室町時代になると、精進物という中国語の意味合いをもつ「素麺」から「そうめん」と呼ばれるようになった。一方、宮中では「おぞろ」と呼ばれ、七夕の行事に饗せられた歴史もある。さらに江戸時代に入ってから糸状の三輪そうめんが各地に広まり、その技法も全国に伝わったそうだ。
現在、生産高トップを誇っているのが、兵庫県の播州エリア。室町時代発祥という歴史をもち、明治時代になると組合を作り厳重に品質を管理。「揖保の糸」という名で全国的に普及し、知名度も高い。
以下、主なそうめん・ひやむぎの特産地と特徴を紹介しよう。直接取り寄せて食べ比べてみても面白い。
- 三輪そうめん(奈良県)
そうめん発祥の地といわれるほど、製造の歴史が最も古い。奈良盆地に冷たい季節風が吹く、11~3月までの冬のみに製造することで生まれる、コシのある歯ごたえと細さが特長。 - 播州そうめん・ひやむぎ(兵庫県)
組合の結束力により揖保の糸ブランドを守り、製品のバリエーションも多い。そうめんは、絹糸のように輝く細さとツルツルした食感。小麦の選定にこだわった、ひやむぎも上質なものが揃う。 - 小豆島そうめん(香川県)
小豆島特産の胡麻油を用いるため、ほんのり黄色を帯びている。同じく特産のオリーブオイルを用いた製品も。 - 島原そうめん(長崎県)
小豆島からの移民がそうめんを広めたという説や、それより以前に唐人の僧から伝来したという説もある島原。グルテンを多く含む強力粉を使い、強いコシとなめらかさを実現。グツグツ煮込んでにゅうめんにしても煮崩れない。 - 大矢知そうめん・ひやむぎ(三重県)
そうめん、ひやむぎともに比較的太く、手延べならではのコシの強さ、舌触り、歯切れのよさが特徴的。 - 半田そうめん(徳島県)
ひやむぎに近い太さとコシの強さが魅力。小麦の風味と甘味を引きだし、モチモチした食感と喉越しのよさを合わせ持つ。「コシの強さに喉が鳴る」と半田そうめん音頭で歌われるほど。 - 大門そうめん(富山県)
丸髷(まるまげ)のように丸めた形がめずらしいそうめん。油をあまり使わず、しっかりこねあげた生地を何度もよりをかけねじって作るので、コシが強い。
3. そうめん・ひやむぎの選び方&美味しい食べ方

スーパーなどで比較的安価に手に入るそうめん・ひやむぎは、機械で製造されたものが多い。大量生産することで価格も安定しているので、日常的に食すには十分だ。一方、手間暇かかった手延べのものは、前述したように、産地それぞれの個性や特徴もあり、食感も風味も格別。さらに、貯蔵中に「厄(やく)」と呼ばれるグルテンと脂質の変化により、強靭さとなめらかさが増す現象が生まれることも。この厄を経たそうめんは「古物(ひねもの)」と呼ばれ希少品となっている。
そうめん・ひやむぎというと夏というイメージが強く、茹でてから冷水で締めて、つゆに薬味を添えて食す場合が多い。けれどもコシがある製品は、温めても煮崩れずにいただくことができる。温かいつゆに入れる「にゅうめん」や炒めた「そうめんチャンプルー」も美味しい。他にもサラダや和え物、あんかけ麺など、様々な調理法に合うので試してみてほしい。
そうめん・ひやむぎというと夏というイメージが強く、茹でてから冷水で締めて、つゆに薬味を添えて食す場合が多い。けれどもコシがある製品は、温めても煮崩れずにいただくことができる。温かいつゆに入れる「にゅうめん」や炒めた「そうめんチャンプルー」も美味しい。他にもサラダや和え物、あんかけ麺など、様々な調理法に合うので試してみてほしい。
結論
全国各地に様々な種類があるそうめん・ひやむぎ。それぞれに歴史があり、それぞれに人の手が紡いだ美味しさがある。時には産地から取り寄せ、家族みんなで食べ比べてみるのも楽しい。