タイではみんな知っている！「ソースプリック」とは？

「ソースプリック」とは、ホット・チリソースの名で知られる、タイ料理のポピュラーな調味料。プリックはタイ語で唐辛子の意味だ。
ソースプリックは生の赤唐辛子、砂糖、食酢、塩、にんにくを漬け込んで作られる。辛味とにんにくの香りが強いのが特徴のドロッとした粘度の高い調味料で、ピリッと辛いだけではなく、旨味とコクがある。
揚げ物のかけダレとして用いられる他、炒めものや麪料理、ご飯物の調味料としても使用される。また、他の調味料と混ぜたり、新たな調味料を作ったりする際にも使われるなど汎用性も高い。
日本ではこの調味料を自作する事はほとんどなく、市販品が使われる。
商品によってその辛さや味に差はあるが、辛みの強いソースである。
一方、チリソースの一種である、タイのチョンブリー県・シーラーチャー郡の名にちなんで命名された「シラチャソース（スリラッチャ）」は、タイでは家庭の冷蔵庫にあるのは当然、飲食店でも卓上の塩・こしょうと共に並ぶほどのポピュラーさだという。開発当初はシーフード料理などに使われていたが、アメリカでハンバーガーやホットドッグなどの料理に使われるようになり、その汎用性によって全米で大ヒットした。
日本のメーカーも、ホット・チリソースにケチャップを加えたような味のシラチャソースを販売しており、手軽な調味料として人気を集めている。

ソースプリックは唐辛子の辛味とにんにくの風味の効いたコクのあるチリソースで、甘味がほとんどないため、スイートチリソースが苦手という人にも受け入れられやすいようだ。
魚介類に合うソースで、エビのチリソース炒めでよく使われているが、魚介類だけでなく、肉類の炒め物や、春巻き、から揚げといった揚げ物のつけダレや、ラーメン、フォーなど麺類の調味にも使われる。
タイの代表的な調味料であるだけあって、加えるだけで和え物や煮物でもコクが出てエスニックな味わいがプラスされる。
エスニック料理はもちろんのこと、タバスコのようにパスタやピザにかけたり、オムレツのつけダレに使われたりと、食卓ソースとして活用できるほどかなり汎用性が高い。
マヨネーズとケチャップをまぜたオーロラソースに少量加えると、簡単にマイルドなピリ辛ソースができあがる。
また、もみじおろしの代わりに鍋のつけダレに加えるなど、アイデアの数だけおいしさが生まれるといっても過言ではない。
調味料として、ソースとして、薬味として、色々なシーンで活躍してくれるという点が、ソースプリックの人気が高い要因であろう。
市販品はその風味も商品によって異なるため、料理に初めて使う場合は、使う前に味見をしておくことが大切だ。

タイ語では唐辛子を総称して「プリック」という。
プリックには10種類以上の唐辛子があり、それらを料理によって使い分けている。
タイでは唐辛子は生で食されるのが一般的で、料理に彩りを添えるためのトッピングとして利用されることも多い。料理の彩りのほかには、塩漬けや酢漬けにしたり、乾燥させてから煎りして料理に使ったりする。
「プリッキーヌ」は2～3cmほどの大きさの細くて小さい唐辛子で、完熟すると赤くなるが通常は緑色のまま使われる。グリーンカレーやトムヤムクンには一般的にはこれが使われる。最も辛い唐辛子ともいわれ、ストレートな辛さをもつ。ひとかじりしただけでも強烈な辛さがつんざくほどである。
「プリックデーン」は「赤い唐辛子」という意味で、日本の唐辛子に近い4～5cmほどの長さをしている。一般的に赤いチリソースに用いられ、ソースプリックに使われることも多いようだ。
「プリックチーファー」は5～8cmほど。大ぶりでそれほど辛くない唐辛子だ。濃い緑、赤、橙、黄とカラフルなので、輪切りにしてトッピングとして料理に彩りを添える役割をもつ。
基本的には小さいほど辛さが鋭く、大きくなればなるほど辛さは和らぐ。

ソースプリックは唐辛子を使いながらも、辛さだけでなく奥行きのあるうまみが詰まっており、使い勝手の良いおいしさが人気の所以である。ソースプリックは日本でも手に入りやすいため、お気に入りの使い方を開拓してみてはいかがだろうか。