1. 寒い季節は美味しさ倍増!秋冬のにゅうめんとは

そうめんは夏の食材というイメージが強いが、実際には癖のない麺類としてさまざまな楽しみ方ができる。夏に余ってしまったそうめんの消費のためだけではなく、ぜひ冬の定番メニューとしてにゅうめんを加えてほしい。その楽しみ方は、数かぎりないのである。
秋から美味しくなるにゅうめん
空が高くなってくる初秋、そろそろ冷たいそうめんに侘しさを感じるなと思ったら、にゅうめんの登場である。秋には、旬を迎える食材が数多く登場する。そのなかでも、にゅうめんととくに相性がよいのはキノコ類であろう。秋の香りの高さを、温かいにゅうめんから味わえば最高の美味となる。また、嫁に食わせてほしくないといわれるほど美味しい秋ナスも、中華風にしてにゅうめんの上にのせても美味しい。
冬が本番!にゅうめんの美味しさ
寒さが本番になってくると、にゅうめんはいよいよ美味しくなる。冬に甘さののる葉物の野菜をふんだんにのせたにゅうめん、かき玉ととろみを加えたにゅうめん、寄せ鍋風に鶏肉団子をのせたにゅうめんなど、身体がホカホカと温まる献立は数かぎりない。さらに、正月のあとには七草を使ったあっさりにゅうめんも人気である。また、大根おろしなどをのせて、みぞれ風のにゅうめんにすれば視覚的にも冬を味わえる季節のメニューとなる。また、ゆずなどで香りを加えるのもおすすめである。
2. 春の優しい食材とぴったりのにゅうめんの献立

元来、あっさりとした味わいを特徴とするにゅうめんは、春の食材とはことのほか相性がよい。日本人であることの幸福を実感できるような、春の食材を使ったにゅうめんの献立とはどんなものがあるだろうか。
たけのこや菜の花を使って
たけのこ、菜の花、からしな、きゃべつ、ぜんまい、わらびなどなど、にゅうめんと美味しく食べることができる春の味覚はたくさんある。そうめんは、ほかの麺類と比べると主張が少ない味わいが特徴である。そのため、春の繊細な味覚も、にゅうめんのあっさりとしたスープとともに美味しく食べることができるのがうれしい。ちょっと変わったところでは、春堀りの長芋などはどうであろうか。とろろとにゅうめんの汁も、春らしい味を演出してくれるだろう。
魚介類もにゅうめんに
また、春ははまぐりや鯛が美味しい季節でもある。魚介類とにゅうめんは少し難易度が高いかもしれないが、魚介類の旨みがスープに広がって情緒ある味わいとなるのである。また、子どもも喜ぶしらすをにゅうめんにトッピングしてもよいだろう。細ねぎを切ったものもたっぷりのせて見ためも鮮やかなにゅうめんを食べれば、身も心も温まる。
3. 夏にあえてにゅうめんを楽しむための献立

夏といえば冷たいそうめんに決まっているではないかと思うかもしれないが、夏バテにはそうめんよりもにゅうめんのほうが向いているのである。まず、身体を冷やさないために、温かいにゅうめんは最適である。夏バテ予防のためには、オクラや梅を使った栄養面でも配慮したにゅうめんを作ることができる。また、7月頃から出回るすだちなどを使って、さっぱりとした味わいのにゅうめんを作れば食欲も進む。
ズッキーニやパプリカなど夏野菜を使ったにゅうめんも、鮮やかな色合いで通常のにゅうめんとは違う風情を堪能できる。
ズッキーニやパプリカなど夏野菜を使ったにゅうめんも、鮮やかな色合いで通常のにゅうめんとは違う風情を堪能できる。
結論
にゅうめんは、季節ごとにさまざまな献立を作ることができる。夏の冷たいそうめんだけでは、芸がない。日本各地には、深い味わいを誇るブランドのそうめんが数多く存在する。そのそうめんと季節の滋味を組み合わせれば、心身共に満足させてくれる一品となるだろう。