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大根に含まれる消化酵素がすごい!ただの飾りじゃない大根の底力

大根に含まれる消化酵素がすごい!ただの飾りじゃない大根の底力

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2020年3月 1日

大根は春の七草で「すずしろ」にあたる。春の七草には無病息災を願うほかにも、正月疲れが出てきた胃腸の回復という意味合いもある。大根に含まれている複数の酵素や栄養成分が、消化を助け、胃腸の回復に貢献していると言われている。大根の有効活用のために、酵素や各種成分の性質を正しく理解していきたい。

  

1. 大根に含まれる酵素

大根には複数の酵素が含まれている。

アミラーゼ

アミラーゼはでんぷんの分解を助ける消化酵素である。でんぷんはブドウ糖が無数に結合したもので、そのままでは吸収されない。最小単位のブドウ糖にまで分解されて、小腸から吸収されることで、エネルギー源として体内で利用される。
でんぷんはごはん、パン、麺類などに多く含まれている。大根おろしを焼いた餅にかけて食べる「からみ餅」は、餅の消化を大根が助ける、良い組み合わせとなっている。

プロテアーゼ

プロテアーゼはたんぱく質分解酵素である。たんぱく質はアミノ酸にまで分解されると、私たちの小腸から吸収される。エネルギー源となるだけでなく、筋肉・血液・内臓・髪の毛・爪などの身体の材料ともなる。
プロテアーゼを上手に利用するためには、肉・魚などのたんぱく質が豊富な食材を調理前に大根おろしに漬け込む。こうすることで肉質がやわらかくなって、食べやすくなる。また、アミノ酸はうま味に関係しているものもあるので、たんぱく質がアミノ酸に分解されることで味わいを良くする効果もある。

リパーゼ

リパーゼは脂肪の分解を助ける酵素である。脂肪は胃での滞留時間が長いため、あまり胃腸の調子が優れないときや、油脂分の多いものを食べたときに、胸やけや胃もたれを起こすことがある。油脂分の多い食材や揚げ物を食べるときに、あらかじめ大根とあわせて食べておくと良いだろう。

2. 大根に含まれる消化を助ける成分

大根の辛み成分であるイソチオシアネートにも、消化を促進する働きがある。他にもイソチオシアネートには殺菌作用や発がん予防効果も知られている。
私たちの胃では胃酸によってたんぱく質を分解するが、胃酸は強酸性であるため、外部から侵入してきた有害な菌も殺菌してくれる。しかし、胃の調子が鈍く、消化がうまくいっていない場合には、身体が外部から侵入してくる有害な菌に負けてしまうこともあるだろう。殺菌作用を持つイソチオシアネートは、消化を促進してくれるうえ、辛みで食欲を増進して胃を働かせてくれるばかりか、殺菌作用でも胃の働きを助けてくれるのである。
大根は部位によって辛さが違うが、これはイソチオシアネートの含有量の違いによる。特にイソチオシアネートの含有が多く辛いのは、先端の部分である。
ただし大根に含まれるのはイソチオシアネートの前駆体である。大根をおろしたり切ったりすることで細胞が壊れるとミロシナーゼという酵素と反応してイソチオシアネートが生成される。消化促進の働きを利用するには、大根をおろしたり切ったりする必要がある。例えば脂がのった焼きさんまには、大根おろしが添えられる。味わいをさっぱりさせてくれるうえ、脂の多さで消化が鈍るところをフォローしてくれる。
また、食材を焼くと焦げができるが、焦げの過度な摂取は発がんが心配される。脂ののっているさんまは焦げやすい。イソチオシアネートの発がん予防効果は、この点にもいくらか効力を発揮してくれるかもしれない。焼いたさんまに大根おろしを添えるのは、理にかなった組み合わせである。

3. 消化に役立つ大根の食べ方

消化酵素の働きを利用するには、酵素の性質をよく理解する必要がある。酵素は働く相手が決まっている。1種類の酵素が、でんぷんにもたんぱく質にも脂質にも働きかけるということはない。大根はでんぷん、たんぱく質、脂質というエネルギー産生栄養素のすべてへ働きかけるそれぞれの消化酵素を含んでいるため、特に消化を助ける働きが期待できるのである。
酵素は熱に弱く、加熱によって失活してしまう。また強い酸にも弱い。私たちの体内には長い消化の工程があり、特に胃では食べたものは強い酸性にさらされる。したがって体内のどの時点まで消化酵素の効力が発揮できるかは定かではない。食べ合わせを考えると、同じ料理で使わなくても一緒に食べれば良いように考えがちだが、消化酵素は大根を生のまま使用し、食べる前の段階で消化を助けてほしい食材とあわせることで効力が発揮される。調理の段階での利用を考えよう。
イソチオシアネートも熱に弱いという性質を持つため、生のままで利用したい点は共通している。また揮発性でもあるため、大根をおろしたり切ったりしてから長い時間空気にさらしておくと効力が減退してしまう点にも注意が必要だ。

結論

大根は生でも加熱しても楽しむことができる食材だ。またメイン食材にもなるし、小鉢にもなる。消化に役立つからといって食べているだけで安心してしまわず、きちんと性質を理解して効力が発揮できる使い方をしていこう。
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  • 更新日:

    2020年3月 1日

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