1. きのこ調理のコツ

まずはきのこの基本的な調理法のポイントを解説していこう。
水洗いしない
きのこは水洗いすると旨みや栄養分が落ちてしまう。汚れは指の腹で軽く払うか、乾いたキッチンペーパーや硬く絞った濡れふきんで優しくこすって落とすのがおすすめだ。石づきは包丁で切り落として使用する。
加熱しすぎない
きのこはすぐに熱が通るものが多い。加熱しすぎると栄養や香りが飛んでしまい、食感も損なわれる。にんじんなど火の通りが遅い野菜などと一緒に調理する時は、きのこは後に入れるのがおすすめだ。
油は控えめに
きのこの油の吸収率がよい食品である。ついついいつも通りの量で油を入れてしまうとベタッとした仕上がりに。少なめの油で炒めるか、テフロン加工のフライパンで油を使わずに炒めよう。また、蒸し焼きにするなど、できるだけ油を使わないように工夫して調理したい。
2. きのこは旨みの宝庫

きのこは旨味成分の宝庫だ。そんなきのこの旨味をぞんぶんに生かすためのポイントをご紹介していく。
出汁にもなる
きのこの楽しみ方には食感を楽しむ食べ方や香りを楽しむ食べ方などがある。なかでもきのこが持つ旨みは絶品。きのこには旨味成分のグアニル酸がたっぷり詰まっているのである。
グアニル酸はグルタミン酸やイノシン酸といった強い旨み成分と並んで3大旨み成分と言われていて、他の旨みと合わせることでさらにパワーアップする。たとえばしいたけと昆布を合わせだしにすると、グアニル酸とグルタミン酸が混ざるわけだが、その旨みは何倍にもなる。ぜひきのこに含まれるグアニル酸の旨味を存分に引き出す工夫をしよう。
グアニル酸はグルタミン酸やイノシン酸といった強い旨み成分と並んで3大旨み成分と言われていて、他の旨みと合わせることでさらにパワーアップする。たとえばしいたけと昆布を合わせだしにすると、グアニル酸とグルタミン酸が混ざるわけだが、その旨みは何倍にもなる。ぜひきのこに含まれるグアニル酸の旨味を存分に引き出す工夫をしよう。
乾燥タイプは低温でもどすと旨味が増加
きのこの旨味成分グアニル酸が生まれるのは、以下のようなメカニズムだ。まず、きのこに含まれるRNA(リボ核酸)が、細胞壁の中から抽出される。これを、きのこの中に含まれる「リボ核酸分解酵素」が分解することで「グアニル酸」に変わるのだ。つまり、グアニル酸を最大化するためには、「RNA(リボ核酸)の抽出」「リボ核酸分解酵素」の働きを最大化することが重要となる。
RNA(リボ核酸)の抽出は、5℃前後の温度帯でもっとも効率的に行われる。そのため、乾燥きのこなどはかならず「水」でもどすようにしよう。水につけた乾燥きのこを冷蔵庫に保管し、できれば丸一日くらいかけてゆっくり戻すのがおすすめだ。
リボ核酸分解酵素の方はというと、こちらは温度60~70℃で最も活性化するといわれ、それ以上の温度だと失活してしまう。したがって、きのこを下茹でするときなどは、ぐつぐつと沸騰させた状態のお湯で処理するのは得策ではない。また、茹でる温度が高いと旨味とともに苦味が出てしまう危険性もあり、急いで高温で戻すのはこの意味でもおすすめできない。ぷつぷつとなべ底から泡が上りかけたくらいの状態を維持しながら、弱火で茹でるのが正解だ。
このように低温でじっくり処理したきのこには、きのこ自身にも戻し汁にも栄養や旨みがたっぷりと含まれた状態になる。旨みをあますところなく使うことができるというわけだ。
RNA(リボ核酸)の抽出は、5℃前後の温度帯でもっとも効率的に行われる。そのため、乾燥きのこなどはかならず「水」でもどすようにしよう。水につけた乾燥きのこを冷蔵庫に保管し、できれば丸一日くらいかけてゆっくり戻すのがおすすめだ。
リボ核酸分解酵素の方はというと、こちらは温度60~70℃で最も活性化するといわれ、それ以上の温度だと失活してしまう。したがって、きのこを下茹でするときなどは、ぐつぐつと沸騰させた状態のお湯で処理するのは得策ではない。また、茹でる温度が高いと旨味とともに苦味が出てしまう危険性もあり、急いで高温で戻すのはこの意味でもおすすめできない。ぷつぷつとなべ底から泡が上りかけたくらいの状態を維持しながら、弱火で茹でるのが正解だ。
このように低温でじっくり処理したきのこには、きのこ自身にも戻し汁にも栄養や旨みがたっぷりと含まれた状態になる。旨みをあますところなく使うことができるというわけだ。
3. きのこの豆知識

最後に、意外に知らない美味しいきのこの選び方や保存のコツを解説していこう。
美味しいきのこの見分け方
まず、鮮度のいいきのこは傘の部分がきゅっと閉まっている。そして、軸はしんなりせずにみずみずしく張りがある。その他、変色していないもの、乾燥したものを選ぶとよい。乾燥したというのは、干し椎茸のようになっているという意味ではなく、濡れたような質感でないものを選ぶという意味である。
種類別の見分け方であるが、生のしいたけは裏側が白いものを選ぶ。えのきだけはシャキっとした張りがあるものを。しめじは全体にふっくらしていて、白い粉がふいていないものを選ぶとよい。
種類別の見分け方であるが、生のしいたけは裏側が白いものを選ぶ。えのきだけはシャキっとした張りがあるものを。しめじは全体にふっくらしていて、白い粉がふいていないものを選ぶとよい。
きのこの正しい保存方法
きのこは乾燥タイプでない限りあまり日持ちしない食品である。長期間使わない場合など、そのまま冷凍保存してしまおう。石づきの部分はカットし、あとは食べやすい大きさに切るか、手でほぐしてフリーザーバッグに詰めて冷凍すればよい。冷凍保存できるが、風味が変わりやすいので、なるべく早いうちに使い切るようにしたい。
冷凍したきのこの解凍方法
冷凍したきのこの解凍方法であるが、これは「凍ったまま使う」が鉄則だ。常温で解凍するとベタッとしてしまうので、凍ったまま煮物や炒め物に投入して使用するのがおすすめである。
結論
旨みや香りが豊富で、和洋中さまざまな料理に使えるきのこ。何種類か組み合わせて使うのもおすすめだ。冷凍保存もできるが、新鮮な生のきのこが手に入ったら、オイル漬けにしても比較的長く楽しめる。秋冬はきのこの季節、いろんなきのこを楽しもう。