1. クレープ生地の歴史

現代のクレープ生地は小麦粉に卵、牛乳、砂糖、バターを混ぜ合わせて作られる。特徴的な食感を出すためにほかの材料が使われていることもあるが、基本的にはこの5つの材料がメインとなる。しかし、クレープ誕生のときからクレープ生地はこの材料で作られていたわけではない。
クレープはフランスで誕生したとされるが、当時はクレープ生地を小麦粉ではなくそば粉で作られていた。クレープの起源とされる食べ物が作られた土地は小麦粉が育ちにくい場所だったのだ。しかし、その美味しさが評判を呼び多くの人に食べられるようになると、クレープ生地の材料がそば粉から小麦粉に変わっていき、現在のクレープ生地となったのだ。ちなみにそば粉を使った生地は現在でもフランスで「ガレット」という名で食べられている。つまりガレットとクレープの起源は一緒で、薄く焼いたそば粉の生地を使って作られた料理をガレット、小麦粉の生地を使って作られた料理をクレープと呼ぶわけだ。
2. クレープ生地を美味しく作る方法

店で買って食べることが多いクレープだが、クレープ生地自体は家で簡単に作ることができる。材料は一般的にケーキなどの洋菓子を作るのに必要とされているものばかりで、スーパーなどで簡単に購入することができる。必要な材料は小麦粉と卵、牛乳、砂糖、バターだ。小麦粉は薄力粉を、バターは無塩バターを使うようにしよう。また、クレープ生地をしっかりしたものにしたいなら塩が欠かせない。甘いクレープ生地になぜしょっぱい塩が必要かというと、塩を加えることでグルテンが形成しやすくなるからだ。グルテンが形成されると破れにくい生地になり、焼くときだけでなくトッピングするときも楽になる。また、グルテンをしっかり形成させるためには生地を少し寝かせる必要がある。
食材を混ぜ合わせたら焼く作業に入る。店ではクレープ専用の鉄板や調理器具があるのだが、家ではフライパンで問題なく作れる。熱したフライパンに油を敷き生地を流すのだが、その際穴ができないよう上手にフライパンを回そう。クレープ生地は薄いためすぐに火が通る。生地がきつね色になったのを確認したらすぐにひっくり返そう。その際、菜箸などで生地を持ちあげつつ手も使えばきれいに裏返しにできる。裏側も焼けたらクレープ生地の完成だ。
3. 手軽にクレープ生地を作りたい

クレープ生地は洋菓子の中でも比較的簡単に作ることができる。しかしトッピングの手間などを考えるとより手軽に作りたいと思うかもしれない。そこで注目したいのがホットケーキミックスと電子レンジだ。
ホットケーキミックスを使えば小麦粉や砂糖を計量する必要がなくなる。また、小麦粉はダマになりやすいため混ぜ合わせる前に必ず一度はふるう必要があり意外と手間がかかるのだが、ホットケーキミックスだと粉物の計量は一度に済み、ふるう必要もなくなる。
また、クレープ生地はすぐに火が通るため穴をふさぐ前に焼けてしまったり、ひっくり返すのに手間取っているうちに焦がしてしまったりと慣れるまでは失敗しやすいが、電子レンジを使うことで失敗を免れることができる。皿にラップをしてその上に生地を流すのだが、この時点できれいに丸い形にしておけば穴ができる心配がない。電子レンジで生地を作ると焦げ目がつかないのだが、焦げる心配がないのも嬉しいポイントだ。
4. 余ったクレープ生地を活用!

クレープ生地は薄いため、1回作るだけで多くの枚数を焼くことができる。しかし問題となるのが余ってしまったクレープ生地の消費だ。クレープの生地自体は薄いものの生クリームや果物などをトッピングすると、しっかりと食べごたえのあるスイーツになるため、そう多くは食べられない。冷蔵や冷凍すれば日持ちはするものの、なるべく早く食べてしまいたい。そこで余ったクレープ生地はミルクレープにしてしまおう。
ミルクレープとはクレープ生地と生クリーム、果物などを交互に積みあげたスイーツだ。クレープを作るときに生クリームなどが余っていればそれも活用できる。大きいサイズのクレープ生地をそのまま使ってミルクレープが完成してから切り分けてもよいし、最初にクレープ生地を切り分けてから1人分のミルクレープを作っていってもよい。クレープ生地が何層にも重なるため、クレープよりもしっかりとした食感を楽しむことができる。
結論
もともとはそば粉で作られていたものが小麦粉で作られるようになり現在のクレープ生地となった。クレープ生地の材料は手に入りやすいため家でも作ることができるが、店のように作るのはなかなか難しい。そんなときはホットケーキミックスと電子レンジを上手に活用してみよう。また、余ったクレープ生地はミルクレープにすれば最後まで楽しめる。子どもたちと談笑しながら我が家オリジナルのクレープやミルクレープを作ってみよう。