春雨のカロリーや糖質量は？栄養成分についてもチェック

「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」には、「緑豆はるさめ/普通はるさめ」や「乾燥/ゆで」などいくつか春雨の栄養価が収録されている。このうち一般的に食べられているのは「緑豆春雨」と呼ばれるものだ。春雨の栄養価で注目したいのが、カロリーと糖質だろう。春雨はカロリー、糖質ともにとても低い食材である。まずは、乾燥状態の「緑豆春雨」と「韓国春雨」のカロリーを確認してみたい。
緑豆春雨のカロリーは、100gあたり344kcal。一方、韓国春雨は、100gあたり341kcalである。春雨のカロリーは乾燥状態であれば340kcal程度であると考えればよい（※1）。

春雨はツルっとした見ためで、雰囲気はしらたきに似ている。しかし、じつはカロリーの低いしらたきとは違い、春雨は炭水化物の一種なのだ。驚くことに、乾燥した春雨の場合は約87%が炭水化物でできている。茹でた場合は水分を含むため20％程度になるが、それでも十分炭水化物の含有量は多いといえるだろう。春雨はごはんやパン、うどんなどと同じく炭水化物の一種として分類されている。ごはんと比べると茹でた春雨のカロリーは半分程度だ。また、のちほど詳しく説明するが春雨は糖質も低いためダイエット中の人などはごはんを少量の春雨に置き換えるのはおすすめ。

じつは春雨のカロリーは茹でる前とあとでは大きく変わる。乾燥状態の緑豆春雨は100gあたり344kcal、普通の春雨は346kcal。一方、茹でた緑豆春雨は78kcal、普通の春雨は76kcal（※1）と、茹でることで大幅にカロリーが低下するのだ。

春雨はほかの麺類と比べてカロリー（※1）はどの程度違うのだろうか。茹でた状態で比較してみよう。いずれも100gあたりの数値だ。

緑豆春雨：78kcal
そば：120kcal
うどん：95kcal
スパゲッティ：150kcal

以上の結果からも、春雨がいかに低カロリー食品であるかわかるだろう。

春雨は低カロリー食品であることがわかったが、糖質量についてはどうだろうか。

緑豆春雨と春雨の糖質量（※1）はそれぞれ以下のとおりだ。いずれも100gあたりの数値である。

緑豆春雨（乾燥）：83.5g
春雨（乾燥）：85.4g
緑豆春雨（茹で）：19.1g
春雨（茹で）：19.1g

乾燥状態よりも茹でた状態で大幅に糖質量が減っている。

ほかの麺類と春雨の糖質量（※1）を比較してみよう。いずれも茹でた状態で100gあたりの数値。

緑豆春雨（茹で）：19.1g
そば：23.1g
うどん：20.3g
スパゲッティ：29.2g

やはり春雨が最も糖質量が少なく、ヘルシーであることがわかる。

春雨はカロリー、糖質量ともに少ない食材であるため、これらの摂取量が気になるダイエット中にぴったりだ。うどんやそば、スパゲッティなどほかの麺類と比べてヘルシーであるため、代替え食品として活用できるだろう。糖質制限ダイエットに春雨を取り入れてみてはどうだろうか。

食後の血糖値の上がりやすさを数値化したものにGI値がある。この値が高いと血糖値が上がりやすく、糖質を脂肪に変えてしまうインスリンの分泌が促される。ダイエット中はカロリーや糖質量に加え、GI値にも注目してみよう。もちろん春雨はGI値も低いため、ダイエット中でも安心して食べることができる。

緑豆春雨（乾燥）100gあたりの栄養成分（※1）
食物繊維：4.1g
（水溶性食物繊維：0g）
（不溶性食物繊維：4.1g）
ミネラル
　カルシウム：20mg
　カリウム：13mg
　ナトリウム：14mg

春雨（乾燥）100gあたりの栄養成分（※1）
食物繊維：1.2g
（水溶性食物繊維：0.3g）
（不溶性食物繊維：0.9g）
ミネラル
　カルシウム：41mg
　カリウム：14mg
　ナトリウム：7mg

食物繊維は便秘解消の効果が期待できるため、体重制限中に便秘がちな人にはおすすめ。歯ごたえのある春雨は、よく噛むことで満足感も得られるだろう（※2）。

カルシウムは身体作りに欠かせない栄養素なので、積極的に摂取したい(※3）。

カリウムには血圧を下げたり筋肉や心筋の活動を正常に保ったりする役割がある（※4）。

ナトリウムは浸透圧の調整を行う栄養素だ。カリウムとともに神経伝達や筋肉の収縮などに関与しており、循環血液の量を維持したり血圧を調整したりする役割がある（※5）。

乾燥緑豆春雨のカロリーは、100gあたり344kcalであるが、春雨を茹でると水分量が多くなるため100gあたり78kcalとなる。また、春雨は糖質量も同じく100gあたり83.5gから19.1gへと少なくなる。通常、春雨を食べるときは茹でているため、春雨のカロリーは78kcal程度、糖質量は19.1g程度であるといえる。
春雨はカロリー、糖質量ともに低くヘルシーではあるが、春雨だけでは栄養が十分に取れるとはいい難い。ほかの食品と一緒に調理することで、栄養バランスを整えるようにしよう。

春雨は低カロリー、低糖質な食材であることがわかっただろう。料理によって使用量は異なるが、マーボー春雨、春雨サラダ、春雨スープなどには10g前後しか使わないため多くても40kcal程度で抑えられる。そのほかの食材を多く食べたり、油を多く使ったりすると高カロリーになってしまうが、春雨そのものは低カロリーな食品だといえるだろう。ぜひダイエット中にもおすすめしたい。