1. 古城梅の特徴や歴史は?

日本で梅の生産量1位の和歌山県で、南高梅とともに栽培されているのが古城梅だ。「青いダイヤモンド」ともよばれる古城梅は、南高梅よりも果実が硬く、しっかりしているのが特徴。現在も和歌山県で栽培されているが、南高梅の人気に伴い、古城梅の生産量は大きく減っており、希少種となっている。
古城梅の誕生
古城梅は和歌山で生まれた梅である。大正時代、田辺氏に住んでいた那須政右ヱ門氏が、穂木を接ぎ木した中から誕生した。那須氏の屋号にちなみ、古城梅と名付けられ、現在に至る。希少種であるが、硬くしっかりした実が梅酒に最適であるため、いまでも梅酒として加工され、販売されることが多い。
2. 古城梅の旬と見分け方は?

旬の時期
多くの梅の旬は梅雨の時期だが、古城梅も5月下旬に旬を迎え、市場に出回るようになる。さまざまな野菜や果物が、ハウス栽培や品種改良によって通年出回るようになった現代だが、梅はいまでも旬の時期にのみしか味わえない貴重な食材である。特に古城梅は希少種であること、酒類に加工するために酒造会社に卸されることの2点から、旬の時期であっても、我々消費者が直接お目にかかれる機会は少ない。そのため、店頭に並んでいるのを見つけたらぜひ購入してほしい。
選び方のポイント
希少であるため、あまり選り好みはできないが、古城梅を選ぶ際に見ておくべきポイントがある。それは、梅に傷がないか、青くて実がしっかりしているか、の2点だ。先述のように、古城梅は実が硬いことが特徴なので、見て柔らかそうだと感じたり、触った感触に違和感があったりした場合は傷んでいると判断し、購入しない方がよいだろう。
3. 古城梅の食べ方のおすすめは?

生の古城梅が手に入ったら、自宅で梅酒を作るのがおすすめだ。アルコールが苦手な場合や、子どもでも飲めるようにしたい場合は、梅ジュースにしても美味しい。
古城梅を使った梅酒の作り方
古城梅を使った梅酒の作り方は、ほかの梅で作るときの方法と変わらない。古城梅を洗ったら、竹串で身を傷つけないようヘタを取る。ふきんで古城梅の水気を1つずつふき取ったら、清潔な保存瓶に古城梅、氷砂糖、ホワイトリカーを入れる。密封し、冷暗所で3ヵ月熟成させれば梅酒の完成だ。古城梅を使った梅酒は市販されているが、手作りすると梅の量や漬ける期間を調節することで、自分好みの梅酒が作れる。ぜひ、手作りにチャレンジしてみてほしい。
自作する場合には要注意
注意点として、梅酒を作る際に使用するお酒は、アルコール度数20度以上のものとし、自分で飲むための作り方として参考にしよう。アルコール度数が20未満のお酒で梅酒を作ることや、販売目的で自家製梅酒を作ることは、酒税法違反(※)となる。梅酒に作る場合には十分に留意してほしい
結論
和歌山県で生まれ、青いダイヤモンドとよばれるほど美しい古城梅。同じく和歌山で生まれた南高梅の人気により生産量が減り、希少種となってしまった。しかし、硬くしっかりした実で作られる梅酒はいまも人気があり、古城梅を原料にした梅酒が生産され続けている。市販されている古城梅の梅酒もよいが、生の古城梅が手に入ったら、ぜひ梅酒を作ってみてほしい。手作りにすることで、より古城梅の美味しさを味わえるだろう。
(参考文献)
国税庁 【自家醸造】
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm