1. マンディアンとは
マンディアンとは、フランスで考案されたチョコレート菓子の一種。チョコレートを薄くのばして、丸いコイン型に整えた生地の上に、ドライフルーツやナッツなどをトッピングしている。フランスで考案された当初は、アーモンド、ヘーゼルナッツ、干しいちじく、レーズンの4つがトッピングされていたが、いまは、ドライフルーツやナッツ以外の食材も使われ、自由度が高くなっている。
また、マンディアンは、通常、丸いコイン型だが、板チョコのように四角い形をしたものもある。
マンディアンはフランス語で、「托鉢修道士」を意味する単語。これは、本来のトッピングであるアーモンド、ヘーゼルナッツ、干しいちじく、レーズンが、4つの托鉢修道会(ドミニコ会、フランシスコ会、聖アウグスチノ会、カルメル会)の修道士の衣服の色にちなんでいることに由来するのだそう。
ちなみに托鉢修道会とは、13世紀の修道院の改革を行った修道士団体。信者の寄付だけで生活をしながら、財産を持つこともなく、定住することもなく、清貧を貫き、イエスキリストの教えを忠実に守って生きようとした組織である。
2. マンディアンの基本的な作り方
マンディアンの作り方そのものはとても簡単だが、上手に仕上げるためには、テンパリングと呼ばれるチョコレートの温度調節を適切に行うことがとても重要になる。
マンディアンの作り方の手順は以下の通りになる。
用意するもの
- 料理用温度計
- クッキングシート
- チョコレート
- トッピング用のナッツとドライフルーツ
作り方
- 細かく刻んだチョコレートをボウルに入れ、50℃程度のお湯で湯煎する。ボウルの中に水分が入らないように注意しながら、チョコレートを静かにかき混ぜる。チョコレートの温度は40℃くらいをキープする。
- ボウルを冷水につけ、静かに混ぜながらチョコレートの温度が26~27℃くらいになるまで下げる。
- 再び湯煎するが、ボウルをお湯につけるのは2~3秒ほどで、すぐに湯から出してゆっくりとかき混ぜる。この作業を何度か繰り返し、30℃まで上げて、その状態をキープする。これでテンパリングは終了。
- スプーンでチョコレートをすくい、クッキングシートの上に直径5cm程度の円形に広げて落としてゆく。
- チョコレートが固まらないうちに素早くナッツやレーズンをトッピングする。あとは、冷蔵庫で冷やして固まればできあがり!
3. マンディアンのアレンジは自由自在
マンディアンの基本的な作り方をおさえることができれば、あとは自由にアレンジすることが可能だ。
たとえば、使用するチョコレートをホワイトチョコレートに替えるだけでも、違った印象のマンディアンを作ることができる。ただし、ホワイトチョコレートを使用する場合は、最初に湯煎にかける温度を40〜45℃に下げ、キープする温度も29℃に若干下げることがポイントになる。
トッピングに使用する食材も好みで自由にアレンジしてみるのも一案。丸型の代わりにハート型にするのも楽しい。キャンバスの上に自由に好きな絵を描く感覚で、チョコレートの上に自由に好きな食材をトッピングしてみよう。
結論
マンディアンの名の由来や作り方については、ご理解いただけただろうか?それにしてもいったいどういう経緯で、清貧を貫いてキリストの教えに忠実に生きた修道士の服の色をトッピングすることになったのか?機会があれば、その辺の歴史もぜひ探ってみてほしい。