1. バスク料理のピペラードとラタトゥイユの違い

「ピペラード」とはバスク語で「唐辛子」を意味していて、赤唐辛子が必要不可欠な料理である。パプリカやトマトなどを炒め、エスプレットと呼ばれるマイルドな辛さの唐辛子を加えて煮込んだもの。フランスのバスク地方の家庭料理として、素材の味を大切に野菜の旨みを味わえる一品となっている。
現地ではバスク地方で有名な産地であるエスプレット村で作られている赤唐辛子を使っていて、深みのある美味しさと香りを演出している。
現地ではバスク地方で有名な産地であるエスプレット村で作られている赤唐辛子を使っていて、深みのある美味しさと香りを演出している。
発祥や歴史
ピペラードの発祥はフランスのバスク地方であり、イクリーニャと呼ばれているバスク地方の旗を構成している赤色・緑色・白色の3色を表現している。バスク地方の名産である赤唐辛子やエスプレット唐辛子を使うのも特徴的である。
ピペラードとラタトゥイユの違い
ピペラードは、ラタトゥイユにはない唐辛子を使って作られている。また、アレンジをする際にピペラードは溶き卵を使うことが多いのも違いである。
2. ピペラードの作り方とプロのコツ

材料
たまねぎ、赤・黄・緑ピーマン、ナス、ズッキーニ、ニンニク、トマト、トマトペースト、ブーケガルニ(ローリエ、タイム、パセリ等)、オリーブオイル、塩、ブラックペッパー、赤唐辛子(粉末)
作り方
たまねぎは薄切りにして、ピーマン各種、ナス、ズッキーニは大きめのさいの目切りにする。ニンニクはみじん切りにして、トマトは湯むきをしてから一口大に切り、種はこして果汁を集めておく。鍋にオリーブオイルをひいて熱し、ニンニクとたまねぎを炒めて香りが出てきたら、ピーマン各種、ナス、ズッキーニを加える。さらにトマト、トマトペースト、ブーケガルニ、赤唐辛子、トマトの果汁も加えて、弱火で30分程度煮込み、塩とブラックペッパーで味を調えたら完成となる。
美味しく作るコツ
ピーマン各種、ナス、ズッキーニは、なるべく同じくらいの大きさに切りそろえるとよい。そうすることで、火の通り具合や味のなじみ加減が統一される。
3. ピペラードの人気アレンジ

ピペラードを使ったアレンジ料理の作り方を紹介していくので、参考にしてもらいたい。
ピペラードのココット焼き
ココットの内側にオリーブオイルを薄く塗り、生ハムを食べやすい大きさにちぎり敷きつめていく。ピペラードを入れて、真ん中に卵を割り入れる。オーブンを180℃に予熱して、12~15分程度焼く。最後に刻んだパセリを散らせば完成だ。
オーブンで焼く際に焼き過ぎてしまうと食感が悪くなってしまうので、火の入れ過ぎには気を付けよう。卵の白身が固まり、黄身に半分くらい火が通るとよいだろう。トロっとした卵の黄身をくずしながら、混ぜて食べるとより美味しく味わえる。
鶏肉のピペラードソース煮込み
鶏もも肉の両面に塩コショウをしておく。フライパンにサラダ油をひいて鶏もも肉を皮目を下にして10分程度焼き、焼き色が付いてきたら裏返して焼いていく。中までしっかり火が通ったら取り出して、一口サイズにカットする。小鍋にペピラードを入れ、カットした鶏もも肉を加えて、軽く温めたら完成となる。
鶏もも肉を焼く際に、上にアルミホイルをかぶせてその上に重し(皿や鍋などでよい)をのせよう。鶏もも肉の皮めが均等に焼けるので試してもらいたい。
ピペラードトースト
食パンにピペラードをのせて、上にピザ用チーズをちらす。トースターでチーズが溶けるまで焼いたら、完成となる。ピペラードにしっかりと味が付いているので、ピザソースは不要である。
ピペラードの目玉焼き
フライパンにピペラードを広げてくぼみを作り、そこに卵を割り入れる。フタをして、卵に火が通ったら完成となる。目玉焼きの火の通り加減は、好みで調整するとよい。
結論
本記事では、ピペラードについて詳しく紹介してきた。ぜひピペラードの基本的な作り方をマスターしてもらい、さらにアレンジを楽しんでもらいたい。さまざまなアレンジを紹介しているので、好みのものを見つけて家族みんなで楽しく食べてみてほしい。