1. じゃがいもの基礎知識

インカ文明とじゃがいも
じゃがいもの故郷は、南米のアンデス高原と言われている。現地で栄えたインカ文明との関係も深く、現在でも野生のじゃがいもが存在するそうだ。その後、インカ帝国を滅亡に導いたスペイン人によって、ヨーロッパにもたらされ、世界へと広がっていった。
北海道とじゃがいもの深い関係
日本にじゃがいもがもたらされたのは、今から約400年前。長崎に伝えられたのが始まりと言われている。現在のじゃがいも生産量全国No.1の北海道で、じゃがいも栽培が始まったのは、その100年後。北海道開拓が始まると海外の品種や新種が用いられるようになった。よく知られる男爵が作られたのもこの頃。
知っているようで知らないじゃがいも品種
じゃがいもの品種は近年増え続けている。有名な男爵、メークインの他にも、キタアカリ、トウヤ、インカのめざめなど、多彩。それぞれ、おいしい食べ方があるが、一般的に男爵やキタアカリは、ホクホクとした食感でサラダやコロッケに向いている。メークインやトウヤは煮くずれしにくいので、おでんや煮物に。インカのめざめは美しい黄色なので、サラダに向いている。変色があまりないので、フライにも◎。
2. ポテトサラダのコツ

美味しさが左右するじゃがいも選び
ポテトサラダは、ほくほく、そしてねっとりとした食感が美味しさの決め手。煮くずれしにくいタイプのじゃがいもで作ると美味しさは半減。男爵やキタアカリなどで作ろう。よく洗ったじゃがいもを鍋に入れ、水をたっぷりと入れたら、塩を少々入れて、強火にかけて、茹でていく。沸いたら、火を弱めて20分ほど。竹串がさっと通ったら、OK。
野菜の下ごしらえが肝心
じゃがいもを潰してマヨネーズを混ぜるだけ、と思われがちなポテトサラダだが、それだけだとどうしても味がぼやけてしまう。そこでポイントになるのが、野菜の下ごしらえ。きゅうりはスライスして塩をふり、よく揉んでおく。玉ねぎは、スライスして水に放っておく。人参はいちょう切りにして、さっと茹でておく。
マヨネーズを入れるタイミングも重要
じゃがいもは熱いうちに皮を剥き、潰すのが基本。塩、胡椒、酢を少々入れて、形が少し残る程度に潰そう。あら熱が取れたところで、下ごしらえした野菜の水分をぎゅっと絞って加え、マヨネーズで味を調える。ゆで卵やハムを入れても美味しい。完全に冷えてから、マヨネーズを入れるとなじみが悪いので、温かさの残るタイミングで入れること。
3. ポテトフライのコツ

でんぷん質を落とすのがキーワード
じゃがいもはでんぷん質が豊富に含まれることでも知られる野菜。でんぷん質は、カリッとした食感を損なうので、水に放ってしっかりでんぷん質を落とすといい。やり方は簡単。切ったじゃがいもをたっぷりの水に放つだけ。30分ほどさらして、水気をしっかりと拭き取ろう。じゃがいもの種類は、メークインやインカのめざめがおすすめ。細めにカットするとファーストフード店のようなフライに仕上がる。
小麦粉使いでカリカリ度UP
水気を切ったら、薄く薄力粉をまぶす。ビニール袋に入れて、まぶすとまんべんなくつくのでおすすめだ。量は、じゃがいも1個に大さじ1程度。ひとつまみの塩も一緒に入れて、まぶそう。あとは、冷たい油に入れて火にかけ、160℃になったら3~4分揚げていくだけ。カリカリ感を出したい場合は、さらに180~190℃で2分程、2度揚げすると良い。
4. マッシュポテトのコツ

熱々がキーワード
肉料理の付け合せにもよく用いられるマッシュポテト。じゃがいもの甘さがぎゅっと凝縮したような味わいで人気がある。じゃがいも選び、茹で方、皮の剥き方はまではポテトサラダと同じ。マッシュポテトの場合は、マッシャーで細かく潰していく。鍋に温めた牛乳を加えて弱火にかけ、木べらで混ぜていく。水分が程よく飛んだら、火からおろし、熱々のうちにバターを入れて全体をなじませて行く。最後に塩と胡椒を加えれば完成。
ヘラ使いでさらに美味しく
じゃがいもが冷めないうちに材料を混ぜていくのがポイントだが、その際に使うのは、ぜひ木べらで。木べらで混ぜることで、練りすぎることなく、滑らかなマッシュポテトに仕上がるのだ。
結論
料理に合わせて、じゃがいもの種類を選ぶことがまずはファーストステップ。細かなコツを熟知して、よりおいしいポテトサラダ、ポテトフライ、マッシュポテトに仕上げよう。