見た目以上に美味しいサンナクチ！勇気をもって食べてみよう

サンナクチとは、簡単に直訳すると「生きたタコ」ということになり、「サン＝生きている」そして「ナクチ＝テナガダコ」という意味になる。もう少し砕いて分かりやすくいうと、「タコのおどり食い」という表現がぴったりと合うことだろう。これで、少しサンナクチへのイメージが湧いたのではないだろうか。
このサンナクチは、主に水産市場や刺身料理専門店などで楽しめる一品料理で、生きたテナガダコをぶつ切りにして、食べやすくした状態で皿に盛りつけて提供される。斬新な見た目なので、初めて見た時にはおそらく衝撃を受けることだろう。ほかにテナガダコを使った料理としては、テナガダコを野菜と一緒に甘辛く炒めた「ナクチボックム」や、テナガダコを鍋料理に用いた「ナクチジョンゴル」などが挙げられる。

テナガダコは生きているので、当然ながら皿の上ではくねくね動いている状態である。その新鮮なテナガダコを、塩入りのごま油や酢コチュジャン（韓国では刺身を食べる時にもよく使われている酢入りの唐辛子味噌で、チョコチュジャンと呼ばれている）につけていただくことになる。
新鮮なテナガダコのプリプリとした歯ごたえと甘みが口いっぱいに広がり、楽しみながら美味しく食べられる料理だ。酒とよく合う一品とされている一方で、精がつくともいわれている。
また、活きのよいタコの吸盤が喉に引っ付いてしまう危険性があることから、サンナクチは世界8大危険料理に指定されている。

サンナクチは生きたままのテナガダコをぶつ切りにして食べる、韓国で人気のある料理のひとつだ。ここではサンナクチの作り方を紹介していくので、参考にしてもらいたい。

塩をまぶしてテナガダコの表面がキュキュっとなるまでもみ洗いして、ぬめりを取っていく。その時に、とくに吸盤に汚れが溜まっていることが多いので、足はしっかりと念入りに洗うようにする。よりぬめりをしっかりと取りたい場合には、10％くらいの濃度の酢水でもんで流水で流してもよいだろう。ここでしっかりとぬめりを取っておくことが、後々の美味しさに関わってくるのでとても重要な工程だ。
そして、テナガダコの頭をひっくり返して内臓を除去していく。キッチンペーパーなどで水気を取り、頭を落としたらテナガダコの足を3～4cm程度の大きさにカットして、まだ動いているうちに塩とごま油（または酢コチュジャン）をつけていただく。

テナガダコはとにかく鮮度が重要なので、ぬめりを取りカットするまでの工程は、迅速に行うことを心掛けてもらいたい。自分で漁に出て釣ってくる場合には、まずは生きたまま持って帰って来られるようにするために、専用のバケツなどを持参するとよいだろう。

新鮮なタコの旨みを味わえるとともに、口の中で吸盤が吸い付く感触とコリコリの歯ごたえが楽しめることだろう。注意点としては、ごま油をつけないと口の中で吸盤の吸い付きがきつくなり、食べにくくなってしまうことが挙げられる。

上記で紹介したサンナクチは、はたして美味しいのだろうか。サンナクチの食感や味について解説していくので、ぜひ今後の参考にしてもらいたい。

サンナクチを食べてみると、臭みは全くなくコリコリ食感とタコの旨みが口の中に広がり美味しくいただける。噛むほどに旨みを感じられて、美味しい一品となる。塩とごま油には生臭さを消してくれる作用や、喉ごしをよくしてくれる作用があるという。また、ピリ辛のコチュジャンをつければビールとの相性もよいので、試してみてはいかがだろうか。
ぬめりを取ってからカットすることで食べやすくなったサンナクチは、上述した危険性は承知のうえでもそれ以上に美味しさが勝る絶品料理といえるだろう。
ぜひ、機会があったら食べてみてもらいたい。そのクセになる食感や美味しさに、サンナクチの虜になるかもしれない。

本記事では、サンナクチについて詳しく解説してきた。サンナクチというのはテナガダコを使った料理であり、見た目以上に美味しいということを知ってもらえたのではないだろうか。なかなか食べる機会はないかもしれないが、遭遇した際にはぜひ勇気をもって食べてみてもらいたい。そして、美味しさを実感したら、次は自分で調理することに挑戦してみてはいかがだろうか。