目次
- 1. たこの栄養価と効果効能
- 2. 食べ過ぎ注意!栄養があってもたこは身体に悪い?
- 3. たことイカの栄養比較!違いは何?
- 4. たこの栄養や成分は妊婦に危険?
- 5. たこの栄養はダイエットにもおすすめ
- 6. たこの栄養を上手に摂取する方法
- カロリー:70kcal
- 糖質:0.1g
- タンパク質:16.4g
- ビタミンB2:0.09mg
- ビタミンE:1.9mg
- ナイアシン:2.2mg
- 鉄:0.6mg
- 亜鉛:1.6mg
- カルシウム:16mg
- マグネシウム:55mg
- タウリン:520mg
- カロリー:70kcal:79kcal
- 糖質:0.1g:0.4g
- タンパク質:16.4g:17.6g
- ビタミンB2:0.09mg:0.03mg
- ビタミンE:1.9mg:1.4mg
- ナイアシン:2.2mg:3.5mg
- 鉄:0.6mg:0.1mg
- 亜鉛:1.6mg:1.2mg
- リン:160mg:280mg
- 1、16.文部科学省「食品成分データベース)」https://fooddb.mext.go.jp/
- 2.一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC「生体におけるタウリンの役割」http://www.mac.or.jp/mail/200701/01.shtml
- 3、11.厚生労働省「e-ヘルスネット」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- 4、6、8、13、14.公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」 https://www.tyojyu.or.jp/net/
- 5、9.厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
- 7.集英社「情報・知識イミダス2018(ナイアシン)」
- 10.小学館「日本大百科全書(亜鉛)」
- 12.公益財団法人痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体含有量」 https://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447
- 15.平凡社「世界大百科事典(消化不良)」
- 17.厚生労働省「注意が必要なお魚について」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf
1. たこの栄養価と効果効能

たこは生で食べても調理しても美味しい魚介類である。そのため外食や家庭での食事、いずれの場合も登場率は高い。たこのカロリーや糖質、栄養について、まずはその概略を紹介する。
たこの栄養成分表
まずは、カロリー及び栄養を数値で見てみよう(※1)。
【たこ(まだこ)100g当たりの数値】
たこの栄養成分:タウリン
魚介類に多く含まれるタウリンとは、アミノ酸の一種である。栄養ドリンクに配合されるほど肝臓の働きに有効な成分であり、血液中のコレステロールを抑える働きを有している。中性脂肪を減らしたり血圧を正しく保つという働きも認められており、胎児や乳幼児に必要不可欠な成分として粉ミルクにも添加されている(※2)。たこにはこのタウリンが100g中520mgと、豊富に含まれているのである。
たこの栄養成分:タンパク質
たこの栄養素の中でタウリンと並んで顕著な量を誇るのが、タンパク質である。100g中のたこに含まれるタンパク質の量は16.4g、1日の推奨量は成人男性で60gとされているから、たこを食することはこれに寄与することはまちがいない。タンパク質は人間の臓器、筋肉や皮膚、ホルモンなどに重要な役割を果たす栄養素である。人間の細胞を構成するうえで必須の成分であり、生命の維持をつかさどる要素のひとつでもある(※3)。
たこの栄養成分:ビタミンB2
たこにビタミンが含まれているのは意外かもしれないが、ビタミンB2は魚介類にも存在する栄養素である。成人男性が1日に摂取するビタミンB2の推奨量は1.6mg前後である。たこには、100g中0.09mgが含まれている。ビタミンB2は代謝やエネルギーの産生において補酵素として働き、皮膚や髪の発育に関連している。発育促進にも必須とされているのである(※4)。
たこの栄養成分:ビタミンE
たこには、ビタミンEも含まれている。ビタミンEの特徴は、抗酸化作用が非常に強い点である。体内の器官の老化を防ぐほか、血管を健全に保つ働きを持っている。成人男性であれば、1日のビタミンE摂取量は6?7mgが理想である(※5)。たこ100g中には、1.9mgが含まれている。
たこの栄養成分:ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一種である。糖質や脂質の代謝や、エネルギーの産生と深く関与している(※6)。ナイアシンの不足は、下痢や口内炎を誘発する可能性も高くなる(※7)。ナイアシンの1日の推奨量は成人男性で15mgほど(※6)。たこ100g中には2.2mgが含まれている。
たこの栄養成分:鉄
さまざまなミネラル成分の中でも、とくによく知られているのが鉄である。鉄は体内において、酸素の運搬という生命維持のための役割を担っている。肝臓や骨髄にとってもなくてはならない栄養素とされているのである。成人男性ならば、1日に7.5mgの鉄の摂取が望ましいとされている(※8)。たこ100g中には、0.6mgの鉄が内包されている。
たこの栄養成分:亜鉛
亜鉛は筋肉やさまざまな臓器内に存在する栄養素であり、DNAの合成にも関連があるとされている(※9)。新しい細胞生成のために必須の亜鉛は、欠乏すると成長に障害をもたらしたり免疫力を低下させたりするほか、肝胆臓に悪影響を及ぼすこともある(※10)。成人男性の1日推奨量は11mg(※9)、たこ100g中には1.6mgの亜鉛が含まれている。
2. 食べ過ぎ注意!栄養があってもたこは身体に悪い?

たこにはさまざまな栄養が豊富に含まれているいっぽうで、食べ過ぎは身体によくないという説をよく耳にする。その原因となっているのが、たこに含まれるプリン体という複素環式化合物である。また、コレステロール値も問題になることが多い。たこの負の要素について説明する。
たこはプリン体が多い
近年よく耳にするプリン体とは、動物性の食品に多く含まれる成分である。プリン体の最終代謝物は尿酸と呼ばれ、この数値が高くなると痛風の原因となるのである。そのほか、腎臓の疾患や尿路結石も誘発する可能性があり、過剰摂取は要注意となっている(※11)。痛風・尿酸財団によれば(※12)、プリン体を300mg以上含む食品はとくに注意が必要とされている。たこのプリン体含有量は100gあたり137.3mg。過剰摂取は避けるのが無難だろう。
たこはコレステロールも多い
飽食の現代において問題にされることが多いコレステロール値。生活習慣病の一要因とされたりダイエットの敵にされたりと、すっかり悪役となっているコレステロールであるが、本来は細胞膜のための重要な要素である。コレステロールの摂取基準はとくに設けられていないものの、成人男性であれば300mg前後が1日の摂取量としては妥当といわれている(※13)。たこは100gを食すと150mgのコレステロールを摂取することになるため、その数値は高いといわざるを得ない。
たこは消化しにくい
消化しにくい食材は、食物繊維を含むものや揚げ物などがその代表である。たこやイカのように硬い食感の食材も、消化しにくいものとして認識されている(※14)。とくに子どもは、たこを食したことで起こる消化不良によって、下痢などを誘発する可能性も否定できない(※15)。たこの摂取は気をつける必要があるだろう。
3. たことイカの栄養比較!違いは何?

魚介類のパスタなどの料理に登場することが多い、たことイカ。どちらも人気の魚介類である。似て非なる食感と形状を有するたことイカは、栄養面においてどのような相違があるのだろうか。その数値を比較してみよう(※16)。
【まだことヤリイカのカロリー及び栄養(100g中)たこ:イカ】
それぞれの数字を比較すると、カロリーはイカのほうが9kcal高くなる。タンパク質もイカのほうが1.2gほど多い。ビタミンB2とEについてはたこのほうが含有量が多いが、ナイアシンはイカが優勢である。ミネラル成分は、イカのリンの含有量がたこのそれに勝っている。いずれにしても、ミネラル分は双方とも豊富であることは共通している。
4. たこの栄養や成分は妊婦に危険?

魚介類は妊婦にも必要な栄養分を多く含んだものが多い。いっぽうで、魚に含まれる水銀量が一定の量を超過した場合、胎児に悪影響を与える可能性が指摘されている(※17)。厚生労働省では、水銀の過剰摂取を予防するためにとくに注意が必要な魚介類について公表している(※17)。たこはその範疇にはないため、妊娠中に食しても水銀の影響を気にする必要はないとされている。しかし、消化の悪さやコレステロール値などには注意が必要で、あくまでも主治医の指示に従って適量を摂取するのがベストであることは言うまでもない。
5. たこの栄養はダイエットにもおすすめ

たこを栄養学的にみると長所短所があり、食べ過ぎには注意が必要である。しかし、たこはカロリーが低く良質なタンパク質を有しているという点から見ると、ダイエットにも活用できる食材なのである。脂肪分が少なく噛みごたえもあるため、適量をしっかりと咀嚼して食べれば消化不良や食べ過ぎの予防にもなり一石二鳥である。たこに含まれるタウリンをはじめとする栄養素には水溶性のものが多いため、スープなどの汁物で食べれば満腹感にも寄与してくれるだろう。
6. たこの栄養を上手に摂取する方法

メリット・デメリットがあるたこであるが、タウリンをはじめとする有益な栄養をできるだけ効率よく摂取したい。そのためには、どのような食べ方がベターなのだろうか。たこの栄養摂取のための上手な食べ方を紹介する。
たこのおすすめの食べ方
たこは和洋中のいずれの料理とも相性がよい食材である。そのため、油で炒めたり揚げたりする料理も酒のつまみには格好である。しかしよりヘルシーに食べるには、刺身や酢の物がよいだろう。たこに含まれるタウリンやビタミンは水溶性のものが多く、加熱するよりも刺身などで食べるほうが栄養は損なわれないまま摂取できる。加熱したい場合には、汁物や鍋で水分に溶け出した栄養も取り入れる工夫をするとよい。
たこの摂取量の目安
上述したように、たこはコレステロールやプリン体を多く含む食材である。そのため、血圧が高い場合や腎臓などに問題がある場合には摂取に注意が必要といえるだろう。プリン体やコレステロールの量を考慮すると、たこの摂取量は一回につき300gを超えないように注意しよう。
結論
日本人が好む魚介類のひとつ、たこ。たこには、タウリンをはじめとする栄養が豊富に含まれている。いっぽうで、プリン体やコレステロール値は低いとはいえないため、体調や健康状態を考慮しつつ、バランスよく摂取する必要がある。妊婦やダイエットを行いたい人も、たこのメリットを活用して、上手に食生活に取り入れてほしい。
(参考文献)