- 1. りんごの糖質やカロリーは高いし太る?
- 2. 糖質制限ダイエット中にりんごを食べても大丈夫?
- 3. 糖質が低くないりんごがダイエットに人気な理由
- 4. 糖質制限でも食べられる!糖質オフのりんごのおやつ
- りんご 14.3g
- みかん 11.0g
- なし 10.4g
- バナナ 21.4g
- キウイ 10.8g
- 柿 14.3g
- オレンジ 10.8g
- 糖質 42.9~57.2g
- カロリー 168~224kcal
- 糖質 21.5~28.6g
- カロリー 84~112kcal
- りんご 37
- バナナ 51
- ぶどう 50
- もも 42
- オレンジ 39
- 1~7、10、11、13~15.文部科学省「食品成分データベース」https://fooddb.mext.go.jp/
- 8.公益社団法人神奈川県歯科医師会「甘いものや糖質の摂り過ぎにご用心!」 https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/1658/
- 9.厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
- 12.厚生労働省「果物」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html
- 16.一般社団法人日本健康倶楽部「GI値」 https://www.kenkou-club.or.jp/kenko_yogo/al_09.jsp
- 17.公益財団法人中央果実協会「FACT BOOK 果物と健康」 http://www.kudamono200.or.jp/booklet/pdf/factbook.pdf
- 18、21.公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」 https://www.tyojyu.or.jp/net/
- 19.厚生労働省「腸内細菌と健康」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
- 20.一般社団法人青森県りんご対策協議会「プロシアニジンとは」 https://www.aomori-ringo.or.jp/woman/procyanidins/
1. りんごの糖質やカロリーは高いし太る?
りんごの糖質量を具体的に数字で見てみよう。りんごだけではその数字を見てもピンとこないので、みかんやバナナなどりんごと並んで食べる機会が多いほかの果物の数字とも比較する。またりんごを食べるにあたってカロリーがどのくらいになるかも参考にしてほしい。
りんご100gの糖質量をみかんや梨と比較
文部科学省の食品データベースを参考に、それぞれの果物生100gあたりの糖質を表記する。(※1・2・3・4・5・6・7)
りんごの糖質量は14.3gで、これより高いものにはバナナがある。柿とは糖質量が同量、それ以外の果物は糖質量がりんごより低いことがわかる。
りんご1個や半分の糖質やカロリー
それではりんご1個を食べた場合、半分、あるいはひと切れを食べた場合の糖質はどのくらいになるのか。カロリーとともに記述する。りんご1個の重さは、中ほどの大きさ300~400gといわれている。ただしこれはあくまで参考にする数値である。実際には品種や等級によって重さはかなり左右するので注意してほしい。以下の数字は、平均の重さ300~400gあたりの糖質とカロリー量である。
りんご1個分
りんご半個分
(4分の1に切った場合はさらにこの半分)
2. 糖質制限ダイエット中にりんごを食べても大丈夫?
糖尿病などを患っているという理由以外にも、糖質制限の食事をする必要があるケースは多い。糖質は甘いお菓子やジュースにとどまらず、ごはんなどの炭水化物にも含まれる物質であり、それによって血糖値が上昇すると健康にさまざまな害を及ぼすことになるのである。(※8)糖質制限をするにあたってりんごは摂取可能なのか、どのような食べ方がベターであるのかも含め説明する。
りんごより糖質の低い果物がおすすめ
厚生労働省の日本人の食事摂取基準によれば、1日の糖質摂取量は総エネルギーの50~65%が理想とされている。(※9)果物を食べるのならば、糖質が低いなし(10.4g)、いちご(7.1g)(※10)、アボカド(2.3g)(※11)などがあり、これらを選択するほうがよいかもしれない。
りんごを食べるなら少量にする
りんごの糖質量は、100gあたりですでに14g強となる。しかしりんごをはじめとする果物の糖分は砂糖のそれとは性質を異にする。果糖は血糖値上昇の直接的な原因になりにくいとされているのである。(※12)後述するようにりんごには、食物繊維やビタミンを含むなど栄養面におけるメリットもある。糖質制限中は糖質量に注意をして、りんごの摂取は少量にとどめるようにしよう。
加熱せず生のりんごを食べる
りんごは生で食べるだけではなく、コンポートやりんご煮など加熱した食べ方も多い。加熱した場合のりんごの糖質はどうなるのか。焼きりんごの数値で見てみると、糖質量は100gあたり19.4gと大きく増加する。(※13)そのため、糖質制限中のりんごの摂取は生のほうが向いていることは明らかである。そのほか、りんごの缶詰(19.7g)(※14)、りんごのジャム(51.9g)(※15)も避けたほうがよいことはいうまでもない。
3. 糖質が低くないりんごがダイエットに人気な理由
含まれる糖質量だけを見ると、りんごは果物の中では決して低いものではない。しかし、加工品などを含むそのほかの食品と比べれば、糖質量は多いとはいえないのも事実である。またりんごは、糖質量の高さを補って余りあるそのほかのメリットがあり、ダイエットに向く食材のひとつとされている。その理由を見てみよう。
りんごはGI値が低い
近年よく耳にするGI値とはなんだろうか。GI値は食後の血糖値の変化を表す数値である。(※16)グリセミック指数とも呼ばれ、この数値が低いほど血糖値の上昇度も低くなり生活習慣病の予防につながるのである。(※17)中央果実協会によれば、りんごのGI値は37とされており、ほかの果物と比べてもその低さは一目瞭然である。(※17)つまりりんごは、GI値が低い食品のひとつであり、血糖値上昇への影響は低いといえる。
りんごは食物繊維が豊富
りんごには食物繊維が豊富に含まれている。その数は100gあたり1.9g。(※1)成人男性に推奨されている1日の食物繊維摂取量は20g以上であるため(※18)、りんごを食べることでこの数値に貢献してくれるのである。食物繊維は大腸まで届く栄養素であり、便の体積を増やして腸の動きをよくし、腸内をキレイにする働きがある。(※17)また善玉菌を増やして腸内環境をよくするため、免疫機能も整えてくれる。(※19)そのほか、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるため、内臓脂肪の蓄積を防ぐことも期待できる。(※18)食物繊維のこうした働きは、健康の維持に直結しよりダイエットしやすい環境へと導いてくれるのである。
りんごの皮にはポリフェノールが豊富
りんごは、果実にも皮の部分にも豊富なポリフェノールが含まれている。抗酸化作用が強いポリフェノールのうち、りんごに含まれているものでとくに突出しているのがプロシアニジンという成分である。プロシアニジンは、カテキンやレスベラトロールなどのポリフェノールと比べても遜色ない抗酸化作用があり、生のりんごを習慣的に摂取することでその効能を実感できるといわれているのである。(※20)ちなみに抗酸化作用とは、肌をはじめとするさまざまな器官の老化を予防し、免疫機能をあげるなどの効果が認められている。(※21)ストレスの軽減や血管の健康維持にも寄与するとされ、美容やダイエットに有用な成分として注目されているのである。(※21)
4. 糖質制限でも食べられる!糖質オフのりんごのおやつ
糖質の量に注意が必要とはいえ、お菓子類を口にするよりはよほど健康的なのがりんごである。りんごのさまざまな栄養を取り入れることも視野に入れて、糖質量に注意した摂取法にはどんな方法があるのか見てみよう。
ヨーグルトと一緒に
りんごは生で食べるのが糖質量をおさえる鍵となる。生で食べる場合は無糖のヨーグルトと組み合わせて、まろやかさも加えると食べやすくなるだろう。
ゼリーにして
生のりんごをいつもとは違った雰囲気で楽しみたい場合は、ゼリーにする方法がある。レモン汁や生姜も加えて、ゼラチンを駆使して自家製ゼリーを作ることができる。おやつにも最適である。
りんご酢にして
自家製のりんご酢を作り、お湯で割ったり牛乳を加えてドリンクにするのも手である。甘さを加えたい場合ははちみつなども活用してみよう。
結論
健康的な食材というイメージがあるりんごは、思いのほか糖質量が多い果物である。糖質制限をしている場合には、摂取するりんごの量は注意する必要がある。いっぽうでりんごには、美容や健康に役に立つ要素も非常に多い。糖質量に注意しつつ、それらの栄養を活用する食べ方をぜひ模索してみてほしい。
(参考文献)