目次
- ※1:農林水産省「ゆっくり食べる」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html
1. 犬食いとはどんな食べ方?

食事のマナーは数多くある。なかでも犬食いとはどんなものなのかをまずは解説していこう。
顔を突き出して食べる
犬食いとは、その名の通り犬が食事をするときのように食べること。具体的には前屈みになり顔を突き出して食べることをいう。日本では食事のマナー違反とされるため、相手を不快にさせてしまうことも。
日本ではマナー違反
食事におけるマナーは各国で違いがある。犬食いについても然りだ。日本では犬食いはマナー違反にあたる。見た目が美しくないことがその大きな理由といえそうだ。
持ち上げてはいけないお皿
日本の和食には、持ち上げる皿と持ち上げない皿がある。前菜などが数種盛られる平皿は一般的に持ち上げないのが基本である。対して小鉢や椀物は持ち上げるべきである。いずれにしろ、箸が上手に使えれば、姿勢を正した状態であっても犬食いになることはない。
2. 犬食いで食べてしまう6つの原因

ここからは実際に犬食いになってしまう理由を学んでいこう。
食事のマナーを知らない
おそらく、最も多い原因がこれだろう。食事のマナーは学校で学ぶことはほとんどなく、実際には家庭での教育や環境がメイン。各家庭にマナーの基準、常識が任されている状態なので、犬食いを容認している家に育てばそれがマナー違反だとは知らずに育つことになる。
椅子やテーブルの高さが合っていない
椅子やテーブルの高さが合っていないことから、犬食いをしてしまうというケースもある。これも家庭環境に左右されることとなる。テーブルと身体の距離があっていないことも要因になりうる。
姿勢が悪い
スマホ首という言葉が誕生したことからも現代人が前傾姿勢になりがちなことがうかがえるが、犬食いは姿勢の悪さからも誘発されることがある。猫背を含め、前傾姿勢が日常の場合、食事のときも同じようになってしまうのだ。
箸がうまく使えない
前述の通り、和食では皿を持たずに食べる場合も存在する。この場合、皿を持って食べるときに比べて、皿から口までの距離が長くなる。箸が上手に使うことができなければ、この距離を運ぶことができず、結果として食べ物を口で迎えるカタチになり、前傾姿勢になってしまうのだ。
器が持ちにくい形状をしている
持っていい皿であっても、皿が熱い、持ちずらいなどの理由から、前傾姿勢になってしまうこともある。この場合も箸がうまく使えれば、犬食いになることはないが、使えなければ、どうしても前傾姿勢になってしまう。
3. 犬食いの直し方

マナー違反とされる犬食いを直す方法はあるのだろうか?その方法について学んでいこう。
椅子やテーブルの高さを見直す
まず、基本中の基本、椅子やテーブルの高さを正しいものにすることが重要だ。テーブルの天板と椅子の座面の高さの差を差尺というが、一般的に食事をする場合は250~300mmがよいとされている。
犬食いに限らず、食事のマナーにはちょうどいい高さのテーブルと椅子であることが基準となるので、自宅のものを確認してみるといいかもしれない。
姿勢を正す
姿勢を正すことは、食事のマナーの大原則のひとつである。猫背になっているだけで、犬食いのように見えることもあるので、注意が必要だ。
ながらの食事をやめる
スマートフォンやテレビ、パソコンを見ながら食事をするとどうしても前傾姿勢になりがちである。そもそも、ながら食べ自体、食事のマナーに反する。食事は、目でも味わうことができるので、何かをしながら食べることをやめてみよう。
箸使いの練習や矯正箸を使用する
犬食い改善には、正しい箸使いが欠かせない。正しく箸が使えない場合は、矯正箸を使用するなどして、練習するといい。箸使いも日本料理においては、マナーのひとつといえるだろう。
少しずつ食べる
一度に大量に食べようとすると箸で上手に持てない場合がある。この結果、犬食いになってしまうというケースも。少しずつ、しかもよく噛んでゆっくり食べるとそれだけで品よく写るものである。さらにゆっくりよく噛んで食べることは健康にもつながるので、一石二鳥といえそうだ。(※1)
食べ方を動画で撮る
自分がどんな食べ方をしているか、一度動画に撮影してみるといい。客観的にどこがどうおかしいかを判断してから、改善点を見つけていこう。
4. 犬食いがマナー違反なのは日本だけ?

皿を持たず、前傾姿勢で食べる犬食いは日本ではマナー違反にあたる。では、ほかの国ではどういった印象を持たれるのだろう?犬食いがマナー違反でない国、韓国や中国を例に考えてみよう。
韓国や中国の場合
韓国や中国では、皿を持って食べることが礼儀正しくないとされている。とくに韓国は真鍮やステンレスの器を使うことが多い。実際、それらに熱いものを入れると必然的に持つことができないほどの熱さになることが一つの要因といわれている。国によってマナーが異なるので、食事のシーンによってマナーを使い分けたい。
結論
犬食いとは、まさに犬の様に手を使うことなく、前傾姿勢でものを食べることである。日本ではマナー違反とされているので、相手に不快感を与える可能性がある。直すためには、まず自分がどの様に食べているか動画を撮影して見てみるといい。犬食いがマナー違反ではない国もあるということも忘れずに覚えておこう。
(参考文献)