1. ローストポークを食べるならアメリカンポーク!

クリスマスや年末年始といったホリデーシーズンがやってきた。家族揃ってごちそうを食べる、そんなシーンも増えてくるはず。そんな食卓のメインを飾るメニューとしておすすめしたいのが、かたまり肉を贅沢に使ったローストポークだ。ローストポークをジューシーに仕上げる秘訣は、豚肉選びとオーブンの温度にある。ここではそのポイントをレクチャーしていこう。
ローストポークはアメリカンポークがベスト
アメリカンポークとは、アメリカ産豚肉のこと。「米国産」「アメリカ産」「US産」と表記されている豚肉は、すべてアメリカンポークだ。アメリカンポークは風味が豊かで柔らかく、ジューシーなところが特徴で、特にかたまりで食べるとその美味しさが引き立つ。すなわち、ローストポークにぴったりの豚肉なのだ。
アメリカンポークが"ごちそうポーク"なワケ
アメリカンポークの輸送には船が用いられ、チルドコンテナでおよそ2週間かけて、アメリカから日本にやってくる。実はこの間にゆっくりと低温熟成が進み、旨味成分のひとつであるアミノ酸量がアップするのだ。アメリカンポークが美味しさのピークを迎える頃、スーパーに並べられ、食卓へと渡ることになるのである。これがごちそうポークの名をほしいままにする理由だ。
美味しさを引き出す魔法の温度:120℃
そんな旨味たっぷりのアメリカンポークの美味しさを最大限に引き出す方法を見つけ出したのは、アメリカ在住経験もある料理研究家・行正り香さん。試行錯誤の末に辿り着いたのが、低温でじっくり焼き上げる方法だ。その絶妙な温度が、120℃である。上品で驚くほどしっとり柔らかい仕上がりになるのだ。
2. 簡単なのに絶品!アメリカンローストポークの作り方
ここからは、行正り香さんが辿り着いたアメリカンポークの美味しさを引き出す、簡単で美味しいローストポークの作り方を伝授していこう。なんと材料も工程も3つだけと誰でもすぐにトライできる簡単さだ。
120℃かんたんローストポークの作り方

【材料:2~3人分】
- アメリカンポーク ロース(かたまり):500g
- 塩:小さじ2
- 天板に入れる水:1カップ
【作り方】
1.120℃に温めたオーブンの天板に水を入れ、網を乗せる
2.アメリカンポークに塩をすり込み、1に乗せ、120℃で60分を目安にゆっくり火を通していく
3.オーブンから出したら、肉汁を閉じ込めるためアルミホイルにくるみ、20分ほど休ませてから、7mmの薄さに切ったら完成
美味しく作るコツは、肉を加熱する30~40分ほど前に常温に出しておくこと。冷えすぎていると中まで均一に火が通りにくいので、肉を常温にすることが重要だ。水を張るのは蒸気を作り出し、ジューシーに仕上げるため。調理時間は、ご家庭のオーブンに合わせて調節してほしい。
また、このローストポークはそのままではもちろん、いろいろな料理にアレンジできるのも魅力。ここではおすすめのアレンジも紹介していこう。
また、このローストポークはそのままではもちろん、いろいろな料理にアレンジできるのも魅力。ここではおすすめのアレンジも紹介していこう。
120℃かんたんローストポークの照り焼き丼

【材料:3~4人分】
- アメリカンポーク120℃かんたんロースト:200g
- 青じそ(千切り):1束
- ご飯:丼に軽く1杯(お好みで)
(ソース)
- 酒:1/4カップ
- 砂糖:1/4カップ
- みりん:1/4カップ
- 醤油:1/4カップ
【作り方】
1.アメリカンポークは5mmほどの厚さ、一口大に切って並べておく
2.ソースの材料をすべてフライパンに入れ、半量になってとろみが出るまで煮詰める
3.温かいご飯の上に1を並べ、上から3をかけて、お好みで青じそを添えて完成
120℃かんたんローストと豆のさっと煮スープ
【材料:2~3人分】
- アメリカンポーク120℃かんたんロースト(7mmの角切り):100g
- たまねぎ(みじん切り):小1個
- にんじん(7mmの角切り):1/2本
- 豆の水煮(ひよこ豆や大豆など):1缶
- ホールトマト(2等分にカット):1缶
- 水:2カップ
- オリーブオイル:大さじ1
- すし酢:大さじ2
- 塩:小さじ1
【作り方】
1.鍋にオリーブオイルを入れ、たまねぎ、にんじんを弱火で3分ほど炒める
2.1にポーク、水、すし酢、豆の水煮、ホールトマトを入れて、20分ほど煮る
3.最後に塩で味を整えて完成
3. アメリカンポークは栄養も豊富

アメリカンポークは美味しさだけでなく、栄養も満点だ。その理由は飼育環境にあるという。どんな栄養素が含まれているかを含めて、チェックしていこう。
栄養の秘訣は...
アメリカンポークの主な生まれ故郷は、アメリカ中西部。コーンベルトと呼ばれる世界有数の穀倉地帯で育てられている。そんな肥沃な土地で作った栄養豊富なとうもろこしや大豆を飼料に、のびのびとした環境で飼育されているからこそ、美味しく、栄養満点になるのだ。
体に良い栄養素がたっぷり
アメリカンポークには、筋肉をはじめ強い身体作り、脳の発育に欠かせない良質なたんぱく質が豊富に含まれている。さらに、疲労回復や代謝アップに欠かせないビタミン B 群もたっぷり。なかでも皮膚や粘膜を健康に保つビタミン B6、睡眠リズムを調整する働きのあるビタミン B12 が豊富なので、育ち盛りの子どもにおすすめだ。
国産豚よりヘルシー
国産豚に比べると脂質が少なく、低カロリーである点もアメリカンポークの大きな特徴だ。低脂質で高たんぱく質な食材とあれば、見逃せない!と思う人も多いはず。体型が気になりはじめた世代にも嬉しいお肉といえそうだ。
結論
ジューシーで柔らかくてとってもヘルシーと3拍子揃ったアメリカンポークは、試す価値のある食材であることがお分かりいただけただろう。まずは、アメリカンポークの美味しさを堪能できる120℃かんたんローストポークを作ってみてほしい。その美味しさにきっとあなたも病みつきになるはずだ!
