目次
- ※1出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「亜鉛の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html
- ※2出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「亜鉛」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/zn/
- ※3出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html
- ※4出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「タンパク質」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/protein/
- ※5出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンC」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_c/
- ※6出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「鉄」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/fe/
- ※7出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンA」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_a/
- ※8出典:厚生労働省「亜鉛」 https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/19.html
- ※9出典:公益財団法人 東京都医療保健協会 練馬総合病院「風邪予防と食事」 https://nerima-hosp.or.jp/about_us/hospital/column/meal/10-2/
- ※10出典:公益財団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「風邪予防レシピ(11月)」 https://www.jca-can.or.jp/useful/column/1321
- ※11出典:医療法人 阪究会 梅田皮膚科「現代人における亜鉛欠乏の原因と解決法」 http://umeda.cure.to/column/zn2.html
1. 亜鉛とビタミンCの働き

ここでは亜鉛とビタミンCの特徴を紹介する。名前は耳にすることがあっても、どのような働きがあるのかをきちんと把握できていないという人もいるだろう。まずは亜鉛の働きから解説する。
亜鉛の働き
亜鉛は成人の体内に2gほど含まれている栄養成分だ。成人はほとんどが筋肉と骨中に含まれており、皮膚・肝臓・膵臓・前立腺といった臓器にも存在し、いろいろな酵素の構成要素になっている。また骨の成長をはじめ腎臓や肝臓、インスリンを作る膵臓、精子を作る睾丸のように、新しい細胞を作る組織や器官で必須のミネラルだ(※1)。さらに妊娠を維持したり、アレルギーを抑制したり、成長を促したり、けがやヤケドの回復を促し、味覚・視覚・嗅覚を正常にし、脱毛を防ぐ効果が期待できる(※2)。
ビタミンCの働き
アスコルビン酸ともいわれるビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない化合物だ。ビタミンC不足はコラーゲンが合成されず、血管がもろくなって出血を起こす。これを壊血病という。壊血病のほかの症状は、イライラしたり顔色が悪くなったり、貧血、心臓障害、筋肉減少、呼吸困難などがある。また毛細血管や歯、軟骨を正常に保ち、皮膚のメラニン色素の生成を抑えて日焼けを防ぎ、ストレスや風邪といった病気に対して抵抗力を強める働きがある(※3)。
2. 亜鉛とビタミンCを組み合わせて美肌に?

亜鉛とビタミンCを組み合わせて摂取すると美肌効果が期待できるというが、それは本当なのだろうか。
バランス良く摂ることが必要
赤ちゃんのようにみずみずしい素肌は憧れだが、その美肌にミネラルである亜鉛が関係していることを皆さんは知っているだろうか。皮膚は日々生まれ変わっており、肌が新しい皮膚細胞を生みだすのに必要なのが亜鉛だ。亜鉛の特徴のひとつが、細胞の正常な分裂を促進するところだ。皮膚の90%はコラーゲンでできており、良質なタンパク質やビタミンC、鉄とともに、美肌ミネラルの亜鉛、細胞の正常な分化を促進するビタミンAも合わせて摂取することが大切だ(※2)。
それぞれの栄養を多く含む食品を紹介しよう。
タンパク質を多く含む食品(※4)
クロマグロ(赤身、生)
豚ひれ肉(生)
全卵(生)
納豆
豆腐
パルメザンチーズ
ビタミンCを多く含む食品(※5)
キウイフルーツ
菜の花
赤ピーマン
ブロッコリー
鉄を多く含む食品(※6)
豚レバー
あさり水煮缶
カツオ刺身
亜鉛を多く含む食品(※2)
牡蠣
牛肉
豚肉
うなぎ
ナッツ
ビタミンAを多く含む食品(※7)
鶏レバー
うなぎ
バター
3. 亜鉛とビタミンCの期待される効果

最後に亜鉛とビタミンCの組み合わせで美肌以外に期待できる効果を紹介しよう。亜鉛は一部の食物に天然で含まれている必須ミネラルで、食物によっては添加されたりサプリメントとして販売されたりしている。また亜鉛は風邪薬として販売されている一部の市販薬や多くの風邪用トローチにも含まれている(※8)。では亜鉛とビタミンCは風邪に対してどういった効果が期待できるのだろうか。
風邪に対しての効果
インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスは、一般的な風邪のウイルスより繁殖力と感染力がかなり強力だ。ひとつのウイルスが細胞に感染すると、数時間後に百万個に増殖し、感染力が強いため短時間で大流行する。また急に高熱が出るのが特徴で、筋肉と関節の痛みや下痢といった全身の症状が出る。さらに抵抗力の弱い乳幼児や高齢者の場合、肺炎や脳炎になることもある。食事の面ではバランスのよい食生活を心がけ、ウイルスを寄せ付けない体力を作ることが大切だ。また身体を守る力を高める栄養素や食材を積極的に摂取することも大切である。補いたい栄養素はビタミンCと亜鉛だ。免疫力を高める働きのあるビタミンCはウイルスにより受けたダメージから身を守ってくれる。亜鉛はウイルスと戦う細胞を作るため深く関係しているミネラルで、身体を守ることをコントロールしてくれる(※8、9)。ビタミンCは亜鉛の吸収率をアップさせるため、一緒に摂取することで、より風邪予防に効果が期待できるだろう(※10)。
結論
亜鉛とビタミンCの特徴や組み合わせて摂取することで期待できる効果を紹介した。亜鉛もビタミンCもそれぞれさまざまな健康効果が期待できる栄養素だが、先述したように組み合わせて摂取することで亜鉛の吸収率がアップし、美肌効果に作用する。
(参考文献)