目次
- ※1:文部科学省「野菜類/ブロッコリー/花序/ゆで」
- ※2:公益財団法人長寿科学復興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」
- ※3:日本放送協会「ユルいおなかの新犯人!」
- ※4:厚生労働省「野菜、食べていますか?」
- ※5:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
- ※6:福井県立大学「臨床栄養学」
- ※7:科学研究費助成事業データベース「食品に含まれるビタミンUの分析と、その類似体などの栄養的効果について
1. ブロッコリーを食べ過ぎるとどんな影響がある?

どんな食品でも食べ過ぎはよくない。しかしブロッコリーを食べすぎると顕著な影響があると話題になっている。一体、どんな影響があるのかを調べていこう。
臭いがきつくなる可能性
ブロッコリーには硫黄が含まれている。この硫黄が体内吸収後、肺にいたり、呼気となる。硫黄臭は人間にとっては不快な臭いであるため、口臭となる。
またコリンという物質が含まれており、これは腸内でトリメチルアミンという物質に分解される。この物質はいわゆる魚臭と呼ばれるもので、魚の腐った臭い、生臭い臭いと表現されることも多い。多くの人はこれを無臭化する酵素を持ち合わせているが、持っていない人がおり、こういった人は口臭や体臭がより起こりやすいとされている。トリメチルアミン、そしてその前駆物質としてブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜や卵、内臓類、ナッツなどが挙げられる。
これらの理由からブロッコリーを食べすぎると臭いがきつくなる可能性があるといわれるのだ。
下痢や腹痛の可能性
ブロッコリーは、食物繊維が多く含まれている野菜として知られる存在だ。
茹でたブロッコリー100gあたり
不溶性食物繊維/1.0g
水溶性食物繊維/3.3g
総量/4.3g(※1)
食物繊維は、消化酵素で分解されない総体と定義されている。エネルギー源にはならないものの健康には欠かせない存在で、血糖値の上昇を抑える効果や高血圧を予防する効果、大腸を健康に保つ効果など、幅広く活躍している。成人に必要な食物繊維は1日24g以上とされているが不足傾向にある。日常生活では不足は考えにくいが、大量摂取するとお腹が緩くなる、腹痛が起こる可能性も否定はできない。(※2)
また、フルクタンという糖類の一種もお腹を緩くする可能性があるという研究結果が出ている。糖類は小腸で分解吸収されるが、一部されにくい糖類があるのだ。フルクタンもその一種で、ブロッコリーにも含まれていることがわかっている。(※3)
太る心配はない
ブロッコリーをたくさん食べたからといって太ることは考えにくい。
茹でたブロッコリー100gあたり
30kcal(※1)
ブロッコリーは1個200g程度なので、1個食べたとしても60kcalであることを鑑みると10個食べたとしても600kcalである。ただし、調味料をかけ過ぎる、脂質の多い調理法など、場合によってはカロリー過多になる可能性があるので注意が必要だ。
2. ブロッコリーが食べ過ぎにならない量

ブロッコリーは、ビタミンCや食物繊維が多く含まれている優秀食材である。一体どのくらい食べるのが適量なのか?解説していこう。
適量について
1日に摂取したい野菜の量は、350gとされている。(※4)ひとくちに野菜といってもさまざまな種類があり、その分含まれている栄養素にも違いがある。ブロッコリー単体でいえば、100g前後が妥当な量と考えられる。
食事はバランスが肝である。このため、毎日ブロッコリーを100g摂取すべきというわけではなく、3日?1週間単位でさまざまな食品をバランスよく摂取するほうがいい。
3. ブロッコリーから得られるメリット

前述の通り、ブロッコリーには多くの栄養が含まれている。ブロッコリーを食べることで得ることができるメリットについてここではまとめていきたい。
得られる効果
茹でたブロッコリー100gあたり
ビタミンC/55mg(※1)
ブロッコリーには、ビタミンCが多く含まれている。ビタミンCは酸化抑制効果が高く、免疫力を高めたり、鉄分の吸収を助ける効果もある。(※5)
ビタミンUはアミノ酸誘導体のひとつである。キャベツから発見されたことからキャベジンと呼ばれることもある。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の修復作用があるとされている。(※7)ブロッコリーにも含まれていることがわかっていて、効果が期待できる。(※8)
また前述の通り、食物繊維が豊富に含まれているため、満足感が得やすい、お通じがよくなるなどの効果にも期待がもてそうだ。
結論
ブロッコリーは、栄養豊富な野菜のひとつである。茹でるだけで簡単に食べることができるところも嬉しい。食べすぎるとさまざまな弊害の可能性もあるようだが、健康な人が普通に食べる分にはさほど問題はない。どんな食品でも食べ過ぎは禁物。バランスよくさまざまな食品を摂取して健康に暮らしたいものだ。
(参考文献)
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