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ふきの下ごしらえやアク抜きはどうやる?保存や栄養のコツも紹介!

ふきの下ごしらえやアク抜きはどうやる?保存や栄養のコツも紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2022年3月17日

今回紹介するのはふきの種類や含まれる栄養、 下ごしらえやアク抜きの方法だ。煮物や佃煮で食べたことはあっても、自分でふきを調理したことがある人はどのくらいいるだろうか。あまりなじみのない食材かもしれないが、特徴を理解して自分で調理して味わってみてはいかがだろうか。

  

1. ふきの種類

ふきは古くから日本各地に自生しているのが特徴だ。山菜摘みの季節になると、茎が細くて短い、山ふき・うど・わらび・こごみなどの山菜とともに、農産物直売所などに並ぶ。
それに対してスーパーや青果店の店頭に並ぶ太くて長いふきは、野菜として栽培されたものだ。一説によると、すでに平安時代には栽培が始まっていたらしい。そのくらい、日本の食卓にはなじみ深い野菜だ。
ハウスで栽培されているふきは1年中店頭に並ぶが、天然物の旬は春から初夏にかけてで、4〜6月頃が旬にあたる。
なお、全国で栽培されているのは「愛知早生」という品種がメインだ。ほかに、水ふき、秋田ふきなどがある。それらの特徴について解説しよう。

【愛知早生ふき(あいちわせふき)】

現在市場に出回っているふきの6割を占めるのが、この品種だ。野生種の山ふきに比べると、香りが弱くて独特のアクが少ない。食感がみずみずしく、やわらかで現代人に好まれている。

【水ふき、山蕗(やまぶき)】

地ぶき・青ふき・河内ふき・京ぶきとも呼ばれる。葉っぱは淡緑色で、茎の根元が赤みがかっており、愛知早生ふきに比べて香りが強い。自生している天然物は香りが強く、佃煮のきゃらぶきに用いられる。

【秋田ふき】

茎の長さが2mと葉の直径が1mにもなる大きなふきだ。北海道から東北まで分布しているが、とくに秋田では名産物のひとつである。愛知早生ふきに比べると、肉質が固いので野菜として流通することは少なく、佃煮のような加工用として使われている。

2. ふきの栄養

ここではふきの栄養について解説しよう。

ほとんどが水分

可食部100gあたりの生のふきに含まれる水分は、なんと95.8g。およそ96%が水分でできているのだ。3大栄養素に関しては、炭水化物が3.0g、たんぱく質は0.3g、脂質は0g。カロリーも11kcalと非常に低い(※1)。

カリウムが多い

ビタミン類やミネラルもバランスよく含まれているが、どれもわずかな量である(※1)。ミネラルの中でも比較的多いのがカリウムで、ふき100g中に330mg含まれる(※1)。カリウムの働きは利尿作用の効果が期待できる(※2)。また、カルシウムも40mgとそこそこの量だ(※1)。葉の部分には妊婦や授乳期の女性に欠かせない葉酸も含まれている(※3)。

食物繊維

ふきには100gあたり1.3gの食物繊維が含まれる(※1)。水分量95.8gを差し引くと栄養分は4.2gとなるため、そのうち3割強を食物繊維が占めていることになる(※1)。食物繊維の働きは腸の掃除役として知られており、腸内環境を整えて生活習慣病を予防する(※4)。ちなみに食物繊維には不溶性と水溶性があり、ふきに多く含まれるのは不溶性食物繊維である(※1)。

ポリフェノール

ふきにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やフキノール酸が含まれている。クロロゲン酸は、活性酸素を抑える強い抗酸化作用があるため、細胞の若返りを促進する。また免疫力を高める働きがあり、風邪や動脈硬化を予防する。フキノール酸は強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑えて細胞の若返りを促進する。(※5)

3. ふきの下ごしらえ・アク抜きの方法

ここではふきの下ごしらえとアク抜きの方法を紹介しよう。

ふきの下ごしらえ

ふきは葉と茎の部分を切り分けて、それぞれ別々に下茹でしてアク抜きする。葉はアクが強いため、何度か湯を入れ替えて茹でる。鍋に湯を沸騰させて葉を入れ、30秒ほど茹でて取り出す。湯を入れ替えながら3~4回くらい同じ作業を繰り返す。
茎はまな板にのせて塩をふる。手のひらで前後に約1分転がす。板ずりをするのはふきが色よく茹で上がり、皮がむきやすくなるからだ。次に鍋の大きさに合わせて包丁でカットする。沸騰した湯に入れ、7~8分ほど茹でて取り出す。

ふきのアク抜き

茹でた葉は水を張ったボウルに浸して、さらにアクを抜く。茹でたあとすぐに水につけると、さらにアクが抜けて変色が防げるからだ。茎は水を張ったボウルに入れ、約10分さらしてさらにアクを抜く。水がぬるくなったら、入れ替えればよい。

ふきの皮のむき方

アク抜きした茎の水気をキッチンペーパーで拭き取る。先端の皮を約3cmむく。むいた部分を指でつかみ、下に引きながら皮をむく。

4. ふきの保存方法

ここではふきの保存方法を紹介しよう。ふきは鮮度が命といわれるくらい、時間の経過とともにアクが強くなる。なるべく早めに茹でて保存しておくとよい。

ふきの冷蔵保存方法

茹でて皮をむいたふきを保存容器に入れ、ひたひたになるまで水を加える。ふたをして冷蔵室へ。ふきの色をキレイに保つポイントは、毎日水を替えることだ。冷蔵保存の目安期間は1週間程度である。

ふきの冷凍保存方法

茹でて皮をむいたふきをラップで小分けに包む。冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、バットにのせて急速冷凍する。冷凍保存の目安期間は1ヶ月ほどだ。

5. ふきの美味しい料理

ここでは下ごしらえしたふきを美味しく味わう料理を紹介しよう。

ふき味噌

葉は細かく刻み、フライパンにごま油を入れて中火で熱し、茎も葉も加えて炒める。しんなりしてきたら、味噌・みりん・すりごまを合わせて加え、混ぜて3分ほど煮詰める。仕上げにかつおぶしを加え、全体をざっと混ぜて火を止める。最後に器に盛り付ければ、ふき味噌の完成だ。作り置きしておくと、ごはんのおともに重宝するだろう。

ふきの煮物

沸騰した湯にふきの茎と顆粒和風出汁を入れて中火で煮る。ひと煮立ちしたら砂糖としょうゆ、かつおぶしを加えて中火で加熱する。煮汁が半分程度になったら火を止める。最後に器に盛り付ければ、ふきの煮物の完成だ。冷めても美味しく、お弁当のおかずにおすすめ。

ふきの佃煮

鍋に酒としょうゆ、みりんを合わせ、ふきの茎と切り昆布を入れて火にかける。沸騰したらふたをして弱火にする。ときどきかき混ぜながら、30分ほど煮る。ふきの葉を加えて再び煮立て、火を止めてふたをし、1日ねかせておく。冷めると味がしみるので、いったんねかせることが美味しく仕上げるポイントだ。ただし時間がなければ省いてもよい。鍋を再び火にかけて沸騰したら弱火にする。煮汁が少なくなったら火を止める。最後に器に盛り付ければ、ふきの佃煮の完成だ。そのまま食べても美味しいが、お茶漬けで食べるのもありだろう。

結論

春の山菜のひとつであるふきの下ごしらえやアクを抜く方法、含まれる栄養、保存方法、美味しく味わう料理を紹介した。先述したようにほとんどが水分でカロリーは低めだ。これまであまりなじみがなかったという人も、紹介した方法で調理して味わってみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「野菜類/(ふき類)/ふき/葉柄/生」
※2出典:農林水産省「味の再発見! 昔ながらのニッポンの郷土料理 第4回」
※3出典:公益財団法人長寿科学振興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」
※4出典:農林水産省「みんなの食育」
※5出典:社会医療法人 社団愛有会 三愛病院「ふきに含まれる栄養とその効果について」
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  • 更新日:

    2022年3月17日

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