目次
- しっかりとした紡錘形のもの
- 全体的に肉付きがよいもの
- 皮の線が平行でまっすぐであるもの
- 頭の部分が熟して白っぽくなっているもの
1. たけのこ芋とは

たけのこ芋とはどんな特徴があるのだろうか。九州は宮崎県が主な生産地となっているたけのこ芋は、日本人の口になじみやすいホクホクとした味わいがある。その名の由来や歴史、そして特徴について概略を見てみよう。
姿がたけのこに似ている
たけのこ芋は、宮崎県が特産の芋である。日本でも最大級の大きさを誇る芋であり、土から頭を出した様子がたけのこに似ていることからこの名がある。煮崩れしにくいこと、皮がむきやすいこと、ぬめりが少ないことなど、調理するうえでのメリットが多い芋として知られている。
京芋や台湾芋とも呼ばれる
明治時代に南方から渡来したこの芋を、当初九州の人々は台湾芋と名付けた。この芋を売り込むために、京料理の美味しさにあやかって京芋と呼ぶようになった経緯がある。京都において京芋と呼ばれる海老芋とは異なる種である。主要な産地である宮崎県でも生産量は少なく、京都や東京の料亭に卸されることが多い。2002年にたけのこ芋は「みやざき 京いも」として宮崎のブランド野菜に認定されている。
2. たけのこ芋の栽培から流通

その食味のよさが料亭でも愛されるといわれるたけのこ芋。宮崎県が誇るたけのこ芋はどのように栽培され流通しているのか。宮崎県におけるたけのこ芋の立ち位置や、われわれの口に入るまでの過程を見てみよう。
みやざきブランド
冬期も温暖な気候に恵まれる宮崎県は農業が盛んである。その宮崎県では1994年から売れる農産物を作るという新戦略に着手、2001年からみやざきブランドとしていくつかの条件をクリアした農作物のブランド化及び推進に取り組んでいる。たけのこ芋は京いもの名で2002年にみやざきブランドのタイトルを獲得。希少価値の高い野菜として評価を高めている。
貯蔵することで熟成
たけのこ芋は3~4月にかけて播種、追肥を繰り返しつつ10月から収穫が始まる。たけのこ芋は収穫後にそのまま市場に出ることはなく、40cmの深さの溝に逆さに設置し15日以上寝かせて完熟を待つ。手作業で行われるこの作業によって、たけのこ芋はさらに美味なるといわれている。
選び方のポイント
たけのこ芋を選ぶ際にはどんな点に気をつけたらよいのだろうか。ポイントをまとめるとこうなる。
ホクホクとした美味しいたけのこ芋を選ぶ際の基準にしてほしい。
3. たけのこ芋の美味しい食べ方

希少価値が高いたけのこ芋は、手に入ったらどんな料理で楽しむことができるだろうか。その美味を無駄にしないために、下処理から料理法まで簡単に見ていこう。
下ごしらえの方法
たけのこ芋にはアクがあるためアク抜きが必要である。皮をキレイにむいたあと食べやすい大きさに切り、少量の塩を入れて10分ほど茹でる。茹で上がったたけのこ芋は水気をしっかりきって調理に使用する。
おすすめの料理方法
たけのこ芋はほっこりとした味わいが好ましく、さまざまな料理に応用できる。最もよく知られているのは煮物である。ゆずなどを使用すると品のよい煮物になる。たけのこ芋はさらにみそ汁の具や胡麻和えなど、楽しみ方は多岐にわたる。和食にとどまらず、ソテーやコロッケ、グラタンやポテトサラダ風にするなど洋風の楽しみ方も可能である。
4. たけのこ芋の保存方法

入手が難しいたけのこ芋は正しく保存して最後まで美味しく食べきりたい。どのように保存すればたけのこ芋の質を落とさずに保管できるのか、詳しく説明する。
温度に注意
たけのこ芋は乾燥、湿度、低温に弱い野菜である。冷暗所での保管が基本とはいえ、5℃以下の場所で保存をすると変色してしまう可能性がある。たけのこ芋は1個ずつ新聞紙にくるみ、さらに寒さが厳しい時期には段ボールなどに入れて保管するのがよいだろう。また泥は落とさずに保管するほうが品質が保持できるといわれている。
結論
たけのこ芋とはその形状からついた名前である。本来は京いもと呼ばれる野菜で、宮崎県のブランド野菜となっている。生産量は決して多くないが、その味のよさは京都や東京の料亭でもよく使用されるほどである。手間をかけて栽培されるたけのこ芋は調理法も多い。食べやすく調理しやすいたけのこ芋、ぜひオリジナルのレシピでも楽しんでほしい。