- ※1:独立行政法人農畜産業復興機構「奥深いキノコ類の世界」 https://www.alic.go.jp/content/001186038.pdf
- ※2:文部科学省 食品成分データ「きのこ類/(ひらたけ類)/エリンギ/焼き」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=8_08049_7
- ※3:公益財団法人長寿科学復興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
- ※4:公益財団法人長寿科学復興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
- ※5:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンDの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-d.html
- ※6:公益財団法人長寿科学復興財団「免疫力を高める食事とは」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html
1. エリンギは焼きで楽しむ
エリンギはヨーロッパ生まれのキノコである。日本では1993年頃に栽培がはじまり、徐々に品種改良が進んで、いまのような人気キノコの座にのぼりつめた。そんなエリンギは、焼いて食べるとさらに美味しいらしい。ここでは焼きで楽しむ意味、そして注意点を解説していこう。
食べやすいキノコ
エリンギの故郷はヨーロッパ。セリ科の植物の根に寄生することが多いとされているが、日本には自生していない。国内では愛知県森林・林業技術センターで人工栽培がスタートした。
味わいにクセがなく、キノコ特有の香りも少なめなので、食べやすいキノコと言われることも多い。また弾力がある食感がアワビに似ていることから、シロアワビタケと呼ばれることもあるようだ。
しっかりと加熱する
キノコの生食は危険。必ず火を通して食べるのが鉄則である。しっかりと加熱することが重要で、加熱が不十分だと食用のキノコであっても食中毒を引き起こしかねない。さらにキノコはその特性、含まれる栄養素、菌種から、大量摂取には不向きであるとされている。(※1)
2. エリンギの焼き料理
エリンギは、食感がよく香りが控えめで食べやすいキノコである。さまざまな食べ方があるが、今回は「焼き」料理にフィーチャーしていこう。どんなふうに焼いて食べると美味しいのかをお伝えする。
エリンギの切り方
エリンギは、切り方によって味わいが異なることでも知られている。繊維に沿って切ったり、割いたりすると味が染み込みやすくなる。逆に繊維に垂直に輪切りにするとまるでホタテのような食感を楽しむことができる。料理に合わせて使い分けたい。
人気のエリンギ焼き料理
エリンギの焼き料理は、前述の通りしっかりと加熱することが重要だ。簡単で美味しいレシピをご紹介しよう。
焼きエリンギ
まずはシンプルに焼く方法。切り方はお好みで、魚焼き用の網や七輪などで焼くと風情が出る。魚焼きグリルで焼くのもおすすめだ。しっかり火が通ったら、レモンやかぼす、ゆずなどの柑橘と醤油をたらしてできあがり。
エリンギのバター醤油焼き
エリンギは、バターと相性バツグン。たっぷりめのバターでしっかりと焼き付けて、仕上げに醤油をたらせば、おつまみにももってこいの味わいになる。青のりやコーン、七味などを合わせてもいいだろう。ホイルにエリンギとバターを乗せて、オーブントースターや魚焼きグリルでじっくり焼き上げるやり方もおすすめだ。
エリンギのガーリックパン粉焼き
エリンギは、洋風の味わいにもとてもよく合う。まず、すりおろしニンニクとパセリ、塩胡椒、粉チーズ、オリーブオイルを加えてよく混ぜたパン粉を用意する。それを好みの大きさに切ったエリンギにたっぷりと乗せて、オーブンで焼き上げれば、食欲をそそる一品になるだろう。
3. 焼きエリンギの栄養について
エリンギは歯応えがあるので、よく噛むことにもつながる。さらに栄養価的にも優れているので、毎日の食事にぜひ取り入れていきたい。ここではエリンギで摂取できる栄養について解説していこう。
栄養成分と効果
焼きエリンギ100g
カロリー:41kcal
タンパク質:4.2g
炭水化物:9.1g
脂質:0.5g
食物繊維:5.4g
ビタミンD:3.1μg
カリウム:500mg(※2)
特筆すべきは、食物繊維の量であろう。食物繊維は腸内細菌の働きを助けたり、食後の血糖値の上昇を抑えるなどの効果がある。腸内環境の改善は免疫力アップの要とも言われており、その点でも食物繊維が多く含まれている焼きエリンギは、効果的であると言えるだろう。そのほか、ナトリウムの排出を促すカリウムも豊富である。カルシウムの吸収を促したり、骨の健康維持に欠かせないビタミンDも含まれている。(※3~6)
結論
エリンギは、食物繊維が豊富でカロリーが控えめな優秀食材である。じっくり焼いてしっかりと火を通して食べることで、安全性はもちろん、美味しさもぐっとアップする。クセのない味わいなので和洋中、さまざまな味にアレンジできる。ぜひ自分好みの焼きエリンギレシピを発見してみてほしい。
(参考文献)