目次
- ※1~5:文部科学省「果実類」
- ※6:厚生労働省「炭水化物/糖質」
- ※7: JA北越後「糖の種類と性質」
- ※8:厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」
- ※9:厚生労働省「ビタミン」
- ※10:公益財団法人長寿科学復興財団「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」
- ※11:公益財団法人長寿科学復興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」
- ※12~13:厚生労働省「ミネラル」「カリウム」
- ※14:エバラ食品「むくみの対策・改善にオススメの野菜とレシピ」
1. バナナの基本をおさらい

バナナは東南アジア熱帯地域原産のフルーツである。日本ではフルーツとして生食するイメージが強いが、現地では料理に使われることも多く、実際料理用の品種もある。世界で300以上の品種が栽培されており、日本でもっとも知られているのはキャベンディッシュという種類である。
バナナは赤道を挟んで南緯、北緯30度の間で栽培されている。このため、日本で食べられているバナナの多くは輸入品で特にフィリピン産が多い。国産品は沖縄や鹿児島が中心であったが、昨今はハウス栽培も進みつつある。
2. バナナの基本的なタンパク質量

ここからは、バナナに含まれる栄養素について学んでいこう。特に今回注目したいのはタンパク質だ。タンパク質というと肉や魚、大豆、卵といった食品を思い浮かべがちだが、バナナにはどれくらいのタンパク質量があるのだろうか?
バナナ100gあたりのタンパク質量
バナナ100gあたり
カロリー/93kcal
タンパク質量/1.1g(※1)
3. ほかのフルーツとのタンパク質量を比較

バナナのタンパク質量と比べてフルーツのタンパク質量はどのくらいになるのだろうか?比較をしてバナナのタンパク質量が多いのかを調べていこう。
フルーツ100gあたりのタンパク質量
家庭でよく食べられているフルーツのタンパク質量とバナナのタンパク質量を比較してみよう。
100gあたり
バナナ/1.1g(※1)
みかん/0.7g(※2)
りんご/0.1g(※3)
いちご/0.9g(※4)
ぶどう/0.4g(※5)
フルーツにはりんごのようにタンパク質がほとんど含まれていないものもある。バナナはフルーツのなかでは、タンパク質が多いと言えそうだ。
4. バナナはタンパク質以外の栄養も豊富

バナナは栄養豊富だと言われることが多い。実際にどんな栄養素が含まれているのか、バナナの栄養素について今一度解説していこう。
その1.糖質
糖質とは、炭水化物から食物繊維をのぞいたものである。炭水化物の一部なので、三大栄養素とも言い換えることができる。単糖類、少糖類、多糖類と結合の大きさによって分類される。不足すると疲労感や集中力が続かない、ひどい場合には意識障害につながるケースも。一方で過剰に摂取すると中性脂肪として体に蓄積されるため、肥満や生活習慣病につながりかねない。(※6)
バナナ100gあたり
21.4g(※1)
ほかのフルーツに比べるとやや高め。ただし、一般的にフルーツは糖質は果糖が中心なのに対して、バナナの糖質はでん粉やショ糖が多いのが特徴だ。これらは血糖値をあげにくく、比較的吸収が緩やかだとされている。(※7)バナナが腹持ちがいい理由もここにある。
その2.食物繊維
食物繊維は、炭水化物から糖質をのぞいたものである。体内の消化酵素では消化できないもので、結果的に大腸まで達し、便秘の予防や整腸に効果を発揮してくれる。さらに昨今、血糖値上昇の抑制やコレステロールの濃度を下げるなど、さまざまな役割を果たすことが明らかになっている。日本人は食物繊維の摂取量が減少傾向にあるとされているので、意識的に摂取したい栄養素とも言えるだろう。(※8)
バナナ100gあたり
水溶性食物繊維/0.1g
不溶性食物繊維/1.0g(※1)
ほかのフルーツと比べるとこちらもやや高め。ほとんど含まれていないフルーツもあり、バナナには皮なしぶどうの約2倍の食物繊維が含まれている(※1,5)。
その3.ビタミン類
ビタミンは三大栄養素には数えられないものの、さまざまな機能を正常に保つために欠かすことのできない有機化合物のことである。性質により、水溶性と脂溶性ビタミンに分けることができる。バナナに特に多いのは、ビタミンB群だ。ビタミンB1は水溶性ビタミンで、エネルギー代謝を促したり、助けたりする効果を持っている。不要分は尿として排出されてまい蓄積できないので、一定量を摂取し続ける必要がある。(※9,10)
バナナ100gあたり
ビタミンB1 /0.05mg
ビタミンB2 /0.04mg
ビタミンB6/0.38mg(※1)
ビタミンは調理による損失も多いが、生で食べられるバナナであれば、余すことなく栄養を摂取することができる。
またバナナには、葉酸も豊富に含まれている。ビタミンB12とともに造血のビタミンという別名をもっている。細胞分裂や細胞成熟にも大きく関わっており、胎児の成長にも欠かすことのできない栄養素である。(※11)
バナナ100gあたり
葉酸/26μg(※1)
葉酸も水や加熱に弱い。バナナは水洗いも加熱も必要ないので、葉酸を余すことなく摂取することができるといえそうだ。
その4.ミネラル類
ミネラルとは、酸素、炭素、水素、窒素以外の生体構成に関わらないものの総称である。別名無機質とも呼ばれる。ミネラルは体内で生成できないため、一定量を食物から摂取することが求められる。相互作用しあって吸収されることも多いため、バランスよく摂取する必要がある。(※12)
バナナ100gあたり
カリウム/360mg(※1)
バナナに含まれるミネラルの中でも特筆すべきはカリウムである。塩分すなわちナトリウムの排出に大きく関与しており、塩分の取りすぎを調節してくれる効果がある。バナナを食べるとむくみ防止になると言われるのは、このためである。(※13,14)
5. バナナと相性のいいタンパク質食品

バナナには非常に多くの栄養素がバランスよく含まれている。タンパク質が含まれていることに驚いた人もいるかもしれない。ここでは、よりタンパク質量をアップさせるべく、バナナと相性のいいタンパク質食品をご紹介していこう。
その1.バナナ+乳製品
バナナとタンパク質の多い乳製品は、栄養面的にはもちろん、味わい的にも非常に相性がいい。
バナナ+牛乳
バナナ+ヨーグルト
バナナ+アイスクリーム
馴染み深い組み合わせと感じる人も多いだろう。簡単なので朝ごはんにもおすすめだ。バナナブレットやバナナスムージー、ホットサンドなど、乳製品との組み合わせは無限大だ。自分好みのバナナ+乳製品を見つけよう。
その2.バナナ+肉料理
バナナとタンパク質の多い肉料理も実は相性がいい。そもそも原産地では、調理用のバナナもあるほどだ。日本で手に入るバナナで作る場合は、その甘さを生かした料理がおすすめだ。
バナナ+豚肉
バナナ+牛肉
潰したバナナをソースにする、バナナソースに肉を漬け込む、硬めのバナナを肉で巻くなど、アイデア次第でいつもとは違った味わいを楽しむことができる。
結論
バナナに含まれるタンパク質は、フルーツのなかでも多いほうである。さらにバナナにはさまざまな栄養素がバランスよく含まれている。腹持ちもいいので、ちょっと小腹が減ったなんてときにも活躍してくれそうだ。乳製品や肉と組み合わせて、タンパク質をアップさせた料理にもチャレンジしてみてほしい。
(参考文献)
人気記事一覧
急上昇
週間